第18話


《直己》


 朝。要と和泉が、一緒に登校してきた。


「要。俺、和泉と付き合うことになった」

「そっか、おめでとう」


 放課後の部室で、横でシャツを脱ぐ要に告げる。要はこっちを向くことなく、着替えを続けながら言った。 


「好きだったんだ。なんで言ってくれなかったんだよ」


 なんの気なしに笑う要に、腹の底がざわついた。


「なんで、お前に言わなきゃいけないんだ」

「確かに。俺たち、恋バナしないよな」


 ロッカーを閉める。やけに音が響いた。 

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