第7話 カフェテリア

多くの生徒がひしめくカフェテリアに、親友が姿を現した。

「ごめんごめん。ちょっと捕まっちゃって。」

数学の教室を出てから、十八分二十三秒。

キアラは壁際のテーブルを陣取って待機していた。

いつもの席。いつものランチボックス。いつもの顔ぶれ。


「お疲れ様。」

おそらくどこかでもみくちゃにされていたらしい親友を労う。

マディソンはキアラと違って社交的で友人が多い。

年上の友達にでも捕まっていたのだろう。


「待っててくれたの?」

マディソンは広げられたまま手をつけていない昼食を見て言った。

「もちろん。一人で先駆けはしないよ。」

キアラは首をすくめる。

「持つべきは親友だね。」

向かいの席に座るその手には、炭酸のペットボトルが二本。

「はいこれ。」

「どうしたの、このコーラ。」

「ニックがくれたの。キアラとランチだって言ったら、もう一本買ってくれたから。」

「相変わらず貢いでるってことね。」

またキアラは首をすくめる。

今度は親友に懸想している年上の男の子に向けて。

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