第2話
この言葉を聞くと綺麗な彼の青色の瞳が大きく見開いた。
「愛がなくて求婚などするわけがないだろ。私はリーシアのことが好きだ。初めて会った時からずっとそなたに惚れている。」
え?どういうこと初めて会った時から?私たちがあったのって今日が初めてじゃないの⁈それに私のこと好きって…えええ!!!ルーク様が私のことを…。
自覚するにつれどんどん顔が熱くなってきた。ルーク様も自分で言ったのに顔が真っ赤だ。
どうしよう。ルーク様が私を好いてくれてるのは分かったけどまだ初対面の彼を好きになれそうにない。でもここで断るのは失礼だよね。
「初めて会った時からと言ってますけど私たちは今日が初対面ではないのですか?」
「そのことか。10年ぐらい前、そなたは一度、公爵家に来たことがある。君は覚えていないようだがな。そこで私は君に一目惚れした。それだけだ。」
公爵家に行った記憶なんて微塵も覚えてない。しかも7歳の子に一目惚れって凄いわね。もしかしてお父様も知っていたからあんなに強気だったのかしら。でもここで食い下がる気はない。
「よく分かりました。私はおっしゃる通りその時のことは申し訳ないですけど覚えておりません。だから私の中では今日が貴方と初対面の日です。そのような人をいきなり愛せなんて言われても無理です。」
「そのことなら問題ない。これからそなたが私に惚れればいいのだから。そのために私は何だってする。覚悟しておけ。」
そう言うとコツコツと私との距離を詰めてた。目の前に来るとしゃがんで、片膝を立ててそっと私の左手を取った。何をするのかと思っていたら目があってしまい、急いでそらした。
どうして目そらしたの⁈
それに今の状況、何!!
ルーク様が私に膝をつくなんてどういうことなの⁉︎
そんなことを考えていると左手に何か柔らかい感触が走った。何とルーク様が私の左手の甲に口付けをしていたのだった。
「な、何するんですか⁈」
急いで振り払い、リーシアは照れてるのを隠すようルークに背を向けた。
「ただの愛情表現です。私は貴方との婚約を破棄する気は微塵もありませんのでそこのところは覚えておいてください。」
意地悪そうに微笑んで仕事が残っていると言って部屋を出て行ってしまった。
ルーク様は何を考えているの!
○ ○ ○ ○ ○
リーシアが可愛すぎた。
彼女が訪ねてきたと聞いた時はいても経ってもいられなくなり、普段は屋敷の中を走ることなんて滅多にないが今日は大慌てで彼女が待っている応接間に向かった。まさかそこで婚約破棄を申し入れられるとは思ってもいなかったが今のところは問題ない。
だがいきなりキスなんてして嫌われてないか心配だ。初めて握ったリーシアの手はとても小さくて可愛らしかった。後ろを向いて照れている姿も可愛いすぎだ…。
この先どうするべきだ?攻めて攻めて攻めまくるか⁇
いいや、そんな事をしてもリーシアに嫌われるだけだ。まずは私のことを知ってもらうことが1番だ。これからはたくさんリーシアに会いに行こう。
そして初めて会った時にこの家の庭で見せてくれたあの笑みをもう一度見してくれ。
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