第33話 愚かな王国貴族(皇太子side)
父上は、しばらく静観と言っていたが、早くソフィアを手に入れたい。
「父上、ミュゼルバ王国で聖女が見つかり、その聖女の父親とその仲間の貴族たちが、アリシタール公爵、サバーキラー侯爵、マリーヌ伯爵接触しているみたいです。
どうやら、我らと会いたいみたいですよ。」
「ほう。ミュゼルバ王国を我らが手に入れるのを手伝ってくれるということか。」
「はい。そのようです。ミュゼルバ王国が帝国のものとなったら、地位を約束して欲しいそうです。」
「そいつらは、使えそうなのか。」
「いいえ。先祖の功績で貴族なだけの無能ばかりです。何せ、聖女の親だからと男爵ごときが、トップをやっているような集まりですしからね。
戦争になっても最前線に送っても何の役にも立たずにやられて終わりでしょうから、もし使うとすれば、地位を約束してやって、王国が手に入った直後に切り捨てればいいですかね。」
「おお、それは言いな。無能な役立たずを有効に使ってやり、王国にも打撃を与える方法使うんだな。ついでに処分もできるしな。」
「静観しようと思っていたが、こちらから動かずとも向こうから駒がやってくるんなら、その必要もなく、侵攻してもいいかもしれんな。」
流石、父上、わかってらっしゃる。
無能な役立たずは、役立たずなりの使い道があるからな。
爆弾を巻き付けて、特攻させるとかな。
「どういたしますか。奴らに会ってやりますか。」
「そうだな。話くらい聞いてやってもいいかもしれんな。」
「おい。宰相よ。アリシタール公爵、サバーキラー侯爵、マリーヌ伯爵を呼べ。」
「かしこまりました。」
よしよし、しばらく静観すると言っていた父上が、愚かな王国貴族のお陰で、侵攻する決断された。
早速、役に立ってくれたな。
アリシタール公爵、サバーキラー侯爵、マリーヌ伯爵が皇帝の執務室にやってきた。
「「「皇帝陛下、皇太子殿下、命により参上致しました。」」」
「おお、早速だが、ミュゼルバ王国の貴族が接触してきているらしいな。」
「はい。私は、十日後に会う予定でおります。」
「そうか。マリーヌ伯爵、なら奴らに我が会ってやると伝えるのじゃ。」
「よろしいのですか。」
「ああ、我が帝国の覇道のために利用することにした。そちらもミュゼルバ王国侵攻の準備をしておけよ。」
「3ヶ月後にミュゼルバ王国を我が物にするために攻めるぞ。」
「はい。かしこまりました。」
「それで、いつ頃会ってやりますか。皇帝陛下。」
「そうだな。王国側に感づかれては、無駄になってしまうからな。来月会ってやると伝えろ。」
「他の者は、近々会う予定はあるのか。」
「はい。私は、二週間後に会う予定でしたが、伯爵が会うなら会わなくても良さそうですね。」
「何度も王国の貴族が帝国に来ては、王国側にも第二皇子側にも感づかれますからな。」
「私は、日程が合わず今月中に会う予定はなかったのですが、アリシタール公爵の仰る通りてますね。」
こうして、帝国の皇帝・皇太子派とミュゼルバ王国のアルト男爵派閥の密会がけっていしたのである。
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