7 禊の日 五体投地 姫との出会い


王都到着翌日

「まず神殿に行ってお前たちの禊をする。この時期は全国の貴族や一般富裕層などからお前たちと同い年の子達が集まる。」

「など?」太郎(俺)


「ああ、、王族も、だ。失礼の無いようにしてくれよ?」

「「「「はーい」」」」


「で、一人ひとり名前を呼ばれて聖職者から聖水をかけれもらい禊と成る。その呼ばれる時に名前と一緒に格、つまり貴族の位と領地名など、を一緒に言われるので王族つまり王子や王女の時は跪くこと。敵意は無いですよ、攻撃しにくい姿勢をしていますよ、ってことだ。たのむぞ?そこでぬぼっと一人で立ってたら、一生バカにされるぞ?礼儀を知らないってなー。王都、嫌な奴等多いから、、」

最後の方は、父の本音のようだった。


「「「「うっす!」」」」


なんだかわからんが、返事の一つなのだろう、と父母は理解した。子どもたちに”うっす”の説明は求めなかった。

きりがないので。


「でもー、子供までも?」次郎

「過去に、見た目子供の暗殺者も結構いたんだ。」父

なるほど、、




王都の神殿

禊は、王子や王女が来た時はそっち優先。でも他は先着順で行われる。

太郎、次郎、三郎、四郎の順番がもうすぐで、やっと開放される、と思っていたとき、王子と王女がやってきた。


入り口からそのまま正面に向かっていく王子と王女。

騎士2名が前方警護で先に歩いている。それが過ぎた直後から皆跪く。

だが、

4人は五体投地のように、全身を投げ出した。ばっちーん!!×4。

・・・・

・・・・

「・・待て、」と警護の騎士たちに言う王子

「・・・・・おまえ達、、、何やってんだ?」

王子から直々に声を掛けられる4人。


「もごもご、、もっとも攻撃できない態勢になっています。俺らができる精一杯の敬意です」

両手を頭の後ろで組み、顔は床につけ、元の世界で、所謂捕虜になった直後状態になっている4人。なので喋りはもごもごだ!


「・・・・あ、、ああ、、そうか、、、ご苦労だな、、、うむ、、、あれ?おまえら、後ろ姿しかわからんが、全く同じだな?」

「もご、、はい、、4つ子ですので」俺(太郎)

「ほう、お前たちの私達への敬意のほどはわかった。もうよいぞ、普通にせよ」

ごそごそと起き上がり、正座する4人。

ちなみにこの世界で正座は知られていない。皆そんな座り方できない。


「・・・・まず、、おもしろい座り方だな?」

「はい、正座と言います。襟を正す時の座り方です」俺

ほう、、感心する王子。

あ、、「やっぱり、顔も一緒だなっつ!!!だっはっはっはっは!!!」

「ぷ、ぷぷっ、、ぷーっ、、ぷぴーっ!!」王女が両手で口を抑えても抑えきれず!!


おもしろいか?

うーん、どうだろう?俺的にはイケメン系だと、、

おう、俺もそう思うが、、

うん、でもこっちでは、少なくとも王族にとっては俺らの顔はお笑い系なようだな


子供なので、しかも王族2人が爆笑しているんで、俺らの小声も誰も聞こえず咎めず。


「あー、おもしろかった、、ありがとうお前たち!その体を張ったお前たちの気持ち、この私が受け取った!」王子

「ええ、久びさに大笑いしましたわ!ありがとう。あなた達名前は?」王女


「太郎です!」

「次郎です!」

「三郎です!」

「四郎です!」

ぶっ!!

また吹き出す2名。

・・・

「おほん、、すまん、、、で、家名は?」王子

「家名?」

「聞いてるか?」

「おれしらねー」

「あ、それ、あれかも、、

ドラゴンスレイヤーシュトルムの息子、太郎次郎三郎四郎です!!」

と四郎


父上母上青い顔w

魔法使って後ろの方の父と母を一瞬見たのだ。遠視魔法の応用で。


「・・・・・まぁ、、家名とは違うが、、、でも家名以上に最も良くわかる自己紹介だな、、」

「つまり、あの冒険者男爵家の息子たちね」王女

「あなた達、明日、あなた達のためにお茶会開くからいらっしゃいな」王女

???

とりあえず「「「「はっつ!!」」」」

ぷっ!(王女)、王子は堪えた様子。


その後、禊はつつがなく終わった。なんか酷く注目浴びていたが、、、。




翌日

城から迎えの馬車が来た。

「・・・・・・ほんとに来ちゃったよ」父

「あら、なんか懐かしいわね、、昔何度も乗せられたわねー」母

「・・・あぁ、、めんどくさかったよな、、」父

父と母は、王都の滞在日数が増えるかもなぁ、、と危惧した。なにせ王女と第二王子はこの4人のあの奇抜な行動を笑い飛ばすくらいの感性持ちなのだ、、、。


流石冒険者やってただけあって、堅苦しいの大嫌いな様子な父w

辺境領主というより、お財布豊かな方の冒険者御用達の宿の前に、王家の客用馬車が泊まっているのは、どっちかというとシュールっぽい画づらだ。


そんな豪華馬車を見ている入り口に立っている父に、出入りする冒険者のうち、たまに父に頭を下げていく者がいる。現役時代の父を知っているのか、話を知っているのか、なのだろう。

父も気づいて会釈を返している。慕ってくれてるんだ、無視などできない。


だからうちの家族にとってはここはかなり安全で居やすい宿なのだ。勿論宿の主人達とは懇意だ。

父はびんぼ領主なので王都邸など持てないし、両親もそうたびたび王都に来たくないので、できるだけ王都邸など持ちたくない様子。


「こりゃ、学校入れなきゃならなくなるかなぁ、、」と、父。

「そうねぇ、、めんどくさいことにならきゃいいけど、、、無理でしょうねぇ、、」いきなり最悪フラグ立ててくれた母。

両親二人共、王女と俺達4人のうまが合うんだろうなぁ、、と半分諦めはじめたということだ。


いや、、なんかフラグどころか確定事項が?


あの時、王子王女がアレをスルーしてくれたら良かったのに、、と今更思う4人だった。でもこっちの常識?を知らなかったんだからしょうがないw

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