6 王都に向かいますが、どうっすかね?


王都に向かい出立した。


俺らの邸から王都まで馬車に揺られて7日。6泊7日。

「これでも、馬車じゃなく、馬に乗って走ったら、4−5日で着くからな?」父


いや、それでも、、きっついよな?馬に4日も5日も乗りっぱなし?

うん、自転車のがいい。マウンテンバイクならいけそう。

魔法が良いな

それだ!!!

と俺らはこそこそ接触念話で話す。4人横並びで座っているので。今はもう頭でなくとも、どっかひっついてりゃ会話できるようになっている。能力の成長だな!。

あ、もしかして向こうの世界でも双子は考えがわかるような話だったし、、これか?これなのか?!

(しらんがな、、)



「お父さんは転移魔法とか使えないの?」俺

「うむ、、いい質問だ。で、転移魔法ってのは、あまり使える人はいないんだよ。ちなみに私は使えない」父

でもな、と父は続ける。

「我らが愛するおまえたちのおかぁさんが使えるんだ!!」

ほおおおおおお!!!×4


キラキラした目で見る俺ら4人。

「いやだわ、、なんか照れるわね、、、治療とか転移とか、そういうのが得意ね。でもあまり強くないけど」母

ああ、この人数と、家紋入り馬車も持っていかなければならないんで、全部なんてまず無理だわな、、、


太郎だな、

うん太郎だ

よかったな太郎、師匠だぞ?うらやましいよ、、幸福の師匠なんていなさそうだからね(四郎)


うらやましがられるけど、、、厳しくされるといやかな?

なにぜーたく言ってんだ、と3人からぼこられる俺

いきなり無言で3人が太郎をボコるのを不思議そうに見る両親。


「仲が良くってなによりだ」父

「ほんとに♪」母




馬車の中ではいろいろ話を聞けた。

今まであまり父母から話を聞く機会は無かった。

父母も、まだ早いだろうと思っていた様子だった。

俺ら中身はもういい年だからね、20前後+7歳=20半ば?、、うえー、いつのまに?!!(同じ3年生でも年齢ばらばらだった)

(いや、肉体的には7歳だから20前後、ってのはアドバンテージだろ?いいじゃん)隣に座っている次郎。



父と母は、貴族の生まれではなかった。所謂冒険者!で、ドラゴン倒して、そいてその数年後に発生したスタンピードでも魔獣蹂躙し、更にそのとき大勢怪我人治しーの、と大活躍し、男爵になれたそうだ。で、この田舎の領地を貰ったと。

「お前達が生まれる10年ほど前だ。」父


10年で、何もなかった土地にあの村ができ、あれらの工房ができたらしい。

「母さんがな、鉱物を探すのがうまいんでな、小さな鉱山もある。だからこの領地は、人口が少ないほうがいいんだ。皆が余裕を持って暮らせる。」


この領地は所謂「辺境」。外側には人が住まない荒野が広がる。川があるのもここまでだ。ここから川は森の、となりの領地の方に行き、そこから海に注ぐらしい。森を通るので、とりあえず川の水をうちで結構使っても文句言う者はいない。とのこと。


「隣の領地の森ってひろいんですか?」次郎

「うん?いや、森の大半はうちの領だが、少しだけかすっててな、河口だけ隣なんだよ」

「うえー、、ひでぇ、、」俺

「はは、、まぁ、、だけど、森からいろいろ恵みがあるからね。それだけでもヨシとしないとな。」

「荒野の方に開発はやってって良いんですか?」

「ああ、あれは持ち主いないからな、しかも我が国でもない。」


「うちの領の川って、広いんですか?」

俺達はまだ見たことがなかった。


「幅は、うちの邸の敷地より少しあるくらいだな。」

養殖できるな?

ああ、おさかないっぱい!

何が食えるんだろう?


「どういう魚がいるんですかね?おいしいの?」俺

「まぁ、調理の仕方だろうけど、、けっこううまいんじゃないかな?」

「干物とかにできるんですか?」

母と顔を見合わせる父、

「うーん、やっとことないなぁ、、」


「養殖は?しないんですか?」次郎

父も母も、真面目な顔つきになる。

「お前たち、そういう知識は?」

・・・・・・

「いろいろあって」

「こどもの事情ってやつで」

「秘密かも知れない」

「そのうちに、いつか、きっと、、、」


・・・・・・「まぁ、、よい」

深く詮索しないほうが良いかなと思っている様子な父母。

こんな感じでw。

特に、あの雪の日以降、邸の大人たちは皆俺らの魔法などはあまり気にしなくなっている。

有り難いことだ、放任主義♪


「そうだな、、干物が美味しくできれば、養殖して干物にすれば、日持ちもするし、売り歩くこともできるな」父

「皆の食卓も少しうるおいますね」母


「岩塩とか出るんですか?」次郎

飛ばすなー、、いけいけじゃん?と3人が次郎を見る。


「がんえんか?こんどは、、うん、出るぞ。これも母さんが見つけた。結構採れる」

「んじゃ、香辛料とか植えてないんですか?」次郎爆走!!

「香辛料か、、、そこまで考えなかったなぁ、、」

「余裕もなかったですしねぇ、、」


「でも、考えるべきだな。土地柄、気候は暑くなるし、枯れ気味な土地に水を流せば、香辛料に良いかも知れない。

何年も時間がかかるらしいが、やってみるのもいいだろう。どうせ土地は余ってるんだ」父

「そうですね。うまく行けば皆の暮らし、特に食事が!よくなるでしょうし、ね」母

「うむ!」


香辛料でも、胡椒と唐辛子は違うし、シナモンや生姜なども香辛料の一種。それらの種類がおおければ多いほど、組み合わせで料理に合うおいしいものができる。で、岩塩を一緒に使うと更に良い。この世界にも独特の香辛料になるものはたくさんあるのではなかろうか?!


「母さんは、植物とかも見つける能力もっているんですか?」次郎は止まらない


こいつ、こんな賢かったっけ?

いやしらんが、でもハマるとうざいくらいに嵌ってたよな?

ああ、んじゃ、こいつカレー作りとかに嵌ったことあったんじゃね?

それかー、、、

・・

魚カレー?干物かれー、、、あ、カレー味の干物とかなー、、いいかもなー

うまそうだなそれ、、

うん、、、くいてぇ、、



結局、素材なんでもわかります。地中でもなんとなくわかります。みたいな素質を持つ母だった。

こりゃ使えるな、うふふふふっ、と何気に黒気な表情になる次郎


「おまえ、師匠を守れよ?」

と3,4から厳命される俺。




王都到着。

途中、野宿3泊。宿2泊だった。予定より1日早まった。野宿ができたのが良かったそうだ。

「泊まれるところを選んでたら、一日に稼ぐ距離がすくなくなるんだよな。おまえ達がたくましくて助かる。」父


「「「「はっはっは!ベテラン冒険者の息子達ですから!!」」」」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る