2 「だーだー」(女神様愛してます!!)


(さてどうしたもんか、、、)と俺一郎。手も足も自由に動かない。言葉もろくすっぽ、つかだーだーくらいしか、、、赤子だから。寝返りもできないんで他の皆がどーなのかも見えないが、つかまだ目もろくすっぽ見えないけど。周囲がだーだーやかましいので他に数人赤子がいる様子なので、多分4つ子なのだろう。


ーー


「だーだー」(女神様愛してます!!)。俺はやることないので、起きたらいつも女神(あの天使)にそう言っている、伝わっているかどうかわからんが。暇だしね。


そうこうしていると、寝返りをうてるようになった。

(はーい一郎くーん、女神(予定)ちゃんですよ〜ばぶばぶーーー)声が聞こえた。「ばぶー(女神様!嬉しいです!愛してます!)」

(いや、生まれたての赤子に言われても、、、)

「ばぶっ(それでも、です!!)」

(まぁいいいわ、まだ女神じゃないけどね私は

遮って「ばぶばぶ(いえ!その美しさ可愛らしさ綺麗さなどなど、天界ダントツ一番の美しさ!!究極の女神様と呼ぶにふさわしい!!俺にとってはもうすでに女神様です!)」

(・・・・まぁ、早くなれるよう頑張るわ・・・・・)


(それはそうと、暇なら魔力量を増やすように練習しなさい。満タンにためて、全部使い切る。これを繰り返せば容量はどんどん増えていくから。あんたたちの上限は無いようにしておいたから、努力すればするだけ伸びるわよ。)


「ぶぶー(他の3人にも伝えてくれますか?)」

(できないのよねー、あなただけ毎日私に話しかけてたので、あなただけ回路が開けたの。なので、あなたが話せるようになったら皆を導いてやってね♪)


(おう、丸投げっすか。まぁ仕方がない、奴ら一体毎日何考えてるんだ?女神様以外に妄想に値するようななにかがあるんか?)

(妄想はいらないから)


(すみません、、、でも毎日超究極美人可愛い綺麗女神様を崇める俺を想像し、その俺に優しく祝福をくれる女神様を想像するだけで幸せな毎日を送れるので、、、)

(まぁ、、それくらいなら、、)

(感謝感激でございます。さて、女神様、魔力を貯める、使う、ってどうやるのでしょうか教えを・・


女神(まだ天使)から魔力の全身への流し方、ため方、魔力の制御方法、使い方など細かく教えてもらった。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーー


はいはいができるようになった。

ほかの3人とも、一緒になれ、仲良くうっきゃうふふをしているように見せながら、頭をくっつけて会話していた。頭をくっつければ言葉を介さずに前世の言語能力を使えるから。情報は一瞬で相手に移るのがなんつーか、面白いw。

赤子が4つのあたまをくっつけてじっとしているさまは、ぶきみかわいいかもしれん、、、


ほどなく皆魔力を感じるようになり、訓練も各自できるようになった。




3歳。

女神様(未だ天使のままだけど)は、俺らに気を使ってくれたのだろう。この封建時代、魔物が闊歩する危険な時代であるが、それでもなるだけ安全で豊かな土地の、しかも、俺らが暮らしやすい身分、つまり僻地だけど豊かで比較的安全な土地の小領主の息子たち、として転生させてくれたのだと理解できた。


最初に感じた「なんか」の成分も、なんとなくわかってきた今日この頃だが、あの女神(まだ天使)様が優しいってことだけは確かだな!と思った。


こっちの俺達の両親も魔法を使っている。重い物を移動させるときや高いものを取るとき等、魔法を使うと便利なときなどにチョイと魔法を使っている。もちろん属性制限があるようなので、使えない魔法系統もあるようだ。

3人ほどいるメイド、1人の料理人、雑用含む庭師1人と見習い一人。皆、大なり小なりの魔法を使っている。


屋敷からは遠くに山が見え、その裾野の方の斜面まで畑が広がっているのが見える。農業領地なのだろう。空気に塩っけが無いので、近くに海はない様子。嵐が来てもその雨水には塩っ気はなかった。海まではかなり遠いのかもしれない。



おしめも取れるのが早かったし、歩き始めるもの俺達は早かった。

もうそこそこ言葉は喋れるが、俺達は主に”頭をくっつけての直接会話”を使っていた。データ転送などが一瞬なので楽ちんなのだ。間違い一切なしだし、ただし、間違った概念を持っていたらどーしょーもない。

三郎なんか、メードってのはメード喫茶のあれがオリジナルだと思っていたし、四郎は魔法ってのは魔法少女しか使えないものだと思ってたようだ。誰も突っ込まなかったのは、俺達の優しさ♪w



もうよちよち歩きではなくなった。しっかりとは行かないが、数十メートルくらいは転ばずに走ることくらい出来るほどになった。

俺達は木の枝の棒きれで、剣術の真似事を自発的に始めた。3歳児である(多分、)。

更に、夜、子供部屋に戻ってからは魔法の練習をしている。これは親に内緒。


俺達の部屋は広く、20畳とかあるんじゃないか?広い部屋って比較がわからんが、教室より広いのは確かだ。

そこに4つベッドが並べてあり、丸いでかいテーブルと幼児椅子が4つ、普通の椅子が4つ在り、空いている場所にはふかふかのカーペットがひいてある。遊び場ってとこだな。

風呂も部屋にある。湯船もある風呂場で、メイドが魔法でお湯を貯めてくれる。

俺らは

「もうジウンであらえうからー」とか言って、頭と背中は互いに洗いあってる。

人払いしたのは、俺らが風呂で魔法の練習をするから。水がある所での水を使う魔法はあまり魔力を使わないで済むので練習し放題だから。


勿論4つ子で同じ訓練をしていると言えども、多少の差はでてくる。得意不得意の差だろう。

でも4人とも水を使った魔法、水を氷とか霧とかお湯とかに加工する魔法もできるようになった。

「牛乳に砂糖入れて加減しながら冷やしていければ、アイスクリームできるな」四郎

「「「おお!!」」」

みたいに、何に使えるとか、そういった話をしながら訓練。だから訓練に余計熱が入るよね!


寒い時は

「おーい、、なんか暖かくなる方法無いかー?」

と誰とはなく訊く。

「周囲の空気の温度を上げたらどうだろうか?」三郎か?声の差はわずかだ。俺達のみしか聞き分けできないだろう。しかし寝ている姿勢とかだと声もまたわずかに変わるので、、、


みな頑張って各自やってみる

・・・・・・・・・

・・・・・・・・・

あ、、

「「「できたか?!!」」」

「うん、ほんの少し、、」

で、

皆寄って頭くっつける。経験の情報をコピー♪

で、また自分の布団にごそごそ潜り込み、、いろいろ試してみると、ほどなく、、

「「「おおお!!」」」

あったかお布団で熟睡♪





(冒頭で、もう女神候補が名前を間違えている件wそれほど仕事と看護の兼業がきっついのか?!!きついわな!天界は地上並のブラックなのか?!!)

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