定め

若子

定め

 雲が泣いていた。大人の都合など知らぬ赤

子のように、その涙は激しさを増していく。その涙のほんの一部分を受け止めながら、男は重いため息を吐いた。

 周囲を囲む水のカーテンが自分の行動を邪魔する檻のように思えてひどく不快だった。今日は快晴の予報だったのに……そんな愚痴を心の中で吐きながら、黒のフードを深く被り直す。


 一人前だと先輩に認められて、初めての仕事だ。それなのにこんな土砂降りとは、まるでお前はまだ半人前でしかないのだと天から嘲笑されているようじゃないか。

 やりきれない気持ちの中で仕事の再確認をする。窓から病院の中をのぞき見れば一人の老婆が多くの管につながれ、ベッドに横たわっていた。

 最終確認をするために書類を取り出す。名前、赤山徳子。年齢九十歳。死因衰弱死、備考は特になし。書類に不備がないこと、そして添付された顔写真と間違いないことを確認して、病室へと入る。

 ピッ、ピッ、と規則的に、しかし健康な人のそれよりも遅いリズムの音が聞こえる。医師から話があったのだろう。傍らには目頭を押さえ、静かに泣く女性ときょとんとしている少年。そして歯をかみしめている男性が立っていた。

 あと一分

 先輩と共に何度も見たその光景を横目に、鎌を取り出した。並ぶ三人を見ても、特に心は動かされない。……心を動かしてはいけない。我々はただ、言われた仕事をしていればいい。

 あと十秒

 迷うことなど許されはしないし、迷うことも無い。俺はただ自分の仕事をしているだけなのだ。あの世とこの世を繋ぐ仕事を。死者を迷わせないよう手助けする仕事を。

 時間だ

 ピーッという無機質な音の中で、鎌を振り

下ろす。ぷつりと薄い膜を切った感覚の後、

ふと顔を上げて、生命活動の終えた体から魂が引きはがされていることを確認する。

 書類に死亡確認の印を押し、二人の人間の泣き声が響く部屋を後にする。その中で子供がじっとこちらを見ていた気がしたが恐らく気のせいだろう。普通の人間は大抵、我々に気付くことはない。

 何故なら我々は、死神なのだから。






「もってあと三か月でしょう」

 どこにでもある白い病院。テレビなんかでよく見る病室。多くは聞かないけれど、珍しくは無い言葉。私には少し難しい説明を淡々と紡がれた後に、その言葉は姿を現した。

「……本当に、この子が助かる見込みはないんですか?」

 聞き慣れた、しかし涙まじりのかすれた母

の声が耳へと届く。

「すみませんが……」

 そういって医者は首を振り、そして沈黙した。

 部屋には母のすすり泣く声しか聞こえない。そのぴんと張り詰められた重い空気は私には耐えがたくて、逃げるように「トイレ」とだけ言って部屋を出た。

 一人になりたかった。どこでも良い。一人になって、一人で自分の心の整理をつけたいと思った。他人に向けて笑顔を貼り付ける作業は今は億劫だ。唯一心が落ち着く場所。人の目を気にしなくても良い場所。自分をさらけ出せる場所。

 私の足は自然と屋上へ向かっていた。大粒の雨が降っていたけれど、私はかまうことなくその中へと歩を進める。

 屋上を囲んでいるフェンスに穴を見つけたのはいつだっただろうか。いつこの穴が見つかって修理されるのかと胸の痛みを抱えながらも毎日確認をしているうちに、いつのまにかここが私の定位置になっていた。

 大量に水滴を落とす雲を見上げる。濡れた髪が首にまとわりついて、自分の首を絞めているようだった。

「……あと、三ヶ月」

 言葉にすれば、それが現実のものなのだと突きつけられたように感じて後悔した。死ぬのは恐ろしい。しかしだからといって、生きたいというわけでもなかった。社会に貢献が出来ず、親孝行も出来ず、税金を使い生きていく。そんな人間に生きる価値はあるのだろうか?

 横髪から水滴が滴る。服と肌が密着する。この雨を私はどうすることもできずただ感じていた。すぐ下には薄汚れた世界が広がっている。そこへ足を踏み出せば最後、私はその世界に飲み込まれ、そして、解放されるだろう。

 ……馬鹿なことを考えてしまった。あとたった三ヶ月。されど三ヶ月だ。この胸の苦しみは辛いけれど、今はまだ耐えられないものでもない。あと三ヶ月生きれるのならば、精一杯生きようじゃないか。

 ぱん、と両手で頬を叩き、無理矢理笑顔を形作った。そして部屋に戻ろうと階下へとつながる扉を振り返ったときだった。

 「死」を感じた。この世界中に蔓延るもの。知ってはいけない闇。絶望に似た感情。ただの黒いローブを着た人かもしれない。だが、人ではない。そんなものを感じさせるオーラを「それ」はまとっていた。


 ――にげなきゃ。逃げなければ。逃げなければどうなる?なんてことはない。ただの人だ。人のはずなのだ。それでも、この言い難い不安はなんだ。何故こんなにも、体はこれを嫌悪している?

 意思に反して足が震え始める。息をするのが苦しい。鼓動が大きく動き、危険を知らせていた。理性的な自分が逃げずともいいのだと、怖がらなくてもいいと遠くで嘲笑っているのが聞こえる。しかし、逃げなければいけないという謎の本能が勝ってしまった。なんとか足を動かして、後ろへと下がる。下がった先では、フェンスが大きな口を広げて待ち構えていた。誘われるようにそこへ入っていく。体を持ち上げ支えていたものが無くなりぐらりと体制が崩れた。慌ててフェンスをつかもうとしたがそのときにはもう遅く、手は空を切る。

 落ちる。落ちている。後ろから風がびゅんと追い越していき、屋上を囲んでいたフェンスがどんどん遠ざかっていく。なんとか何かを掴もうともがくも、その手が何かをつかむことは出来なかった。

 死の恐怖から、ぎゅっと目を瞑る。雨とも涙ともつかない水滴が、そのまま流れていった。

 ……悔しい。何故、私が。何故私が、こんなにも若い年で死ななければならないのか。生きたい。私は、もっと、もっと生きたい。こんなところで死んでたまるものか!

「しな、せて、たまるか!」

 そんな声を耳が拾った瞬間に、腕に衝撃が

走る。その反動で息がつまった。気がつけば落ちる感覚は消え、代わりに私の腕を掴む手の感触を感じた。

 患者さんが窓から手を伸ばして掴んでくれたのだろうか。おそるおそる目を開けると、掴んでいたのは患者さんでは無く、また人間でもない。――骸骨だ。私を助けたのは、この世のものではなかった。間違いない。屋上でみた黒いローブ、そして「死」のオーラをまとうモノ。

 ……これは、死神だ。

 逃げなければ。ここから、この死から。私は生きている。まだ、まだ生きているのだ。生きなければならない。

「はなして!放してください!」

「……俺が手を離したらお前はそのまま死ぬんだが?」


 呆れの混じったその言葉を聞いて下を見る。その高さは屋上ほどでは無いが、それでも落ちればただではすまないほどの高さだった。そして、自分がまだ生きているのは、この男…声からして男だろう。が、私を支えているからだ。この男が手を離した瞬間私は。

 ――リアルな死を感じた。この男のまとう得体の知れ無いオーラよりも、より明確に。

「とりあえず屋上へ戻る。暴れるなよ」

「……はい」

 念を押すような言い方に、私は力なく頷いた。それをじっと確認して、骸骨男はふわっと上へ飛んでいく。上へ、上へ。フェンスを越えて、ようやく足の踏み場が近付いてきた。

 屋上に足をつける。けれど自分の体重を、震えてしまっている自分の足は支えてくれなくて、へたり込んでしまった。

「……なんであなたは私を助けたんですか」

 助けてくれたお礼を言うつもりが、先に質問をしてしまった。「死」のオーラをまとうこの人が人を生かすために行動したのがどうも腑に落ちなかったのだ。視線を横にずらしながら、骸骨男は言う。

「……言っておくが、お前のためって訳じゃないぞ」

 リストに無い人間がこっちの存在の影響で死んでしまえば、上になんて言われるのか分からない。

 骸骨男はそうやって小さく呟いた。

 明らかに、異質な存在だった。……この人は本当に死神なのか。どこから来たのか。疑問が胸の中でいっぱいになっていく。だが聞いてもいいことなのか私には分からない。

「……助けてくれて、ありがとう、ございます」

「別に。こっちの落ち度だ」

 ローブの上から頭をがりがりとかいて、その人はため息を吐いた。そして他に何も言わず、時計を見ると慌てて病院の中へと走って行ってしまった。死神も走ったりするんだなと妙なところに関心しつつ、私も病室へと戻る。

 雨は未だ降り続ける。しかし少しだけ、その勢いが柔らかくなった気がした。



 次の日の夕方。院内で散歩をしていると、あの屋上で感じた得体の知れないオーラを感じ、そちらを見れば見たことのある黒いフードが目に入った。

「こ、こんにちは!?」

 しまった。驚いて挨拶をしてしまった。関わっても良いものなのだろうか。

 死神を見たのはこれが二回目だった。屋上で出会ったきり、もう二度と会えないだろうと思っていたのだが。次の日に、しかも普通に病院の廊下で再会するのだから、現実は私が思っているよりもずっと単純なのかもしれない。

 おそるおそる骸骨男を見上げると、そのフードを被った骸骨男は硬直し、信じられないという様子で口を開いた。

「……前はなんらかのまぐれだと思ったが……お前、なんで俺の姿が見えるんだよ」

「私にも分からないですけど…こういうこと今までになかったんですか?」

「…昔、見える人間が多かったというのは聞いたことがあるが、少なくとも俺は会ったことが無いな。まあ俺は新入りだから、先輩方はあるかもしれないが……」

 新入りとか先輩とか死神にもあるのか。あの世のシステムも、この世のシステムも実はあまり変わらないのかもしれない。あの世って、いったいどうなっているのだろうか。

 この世のものではない存在に知的好奇心をくすぐられた。質問攻めにしたいと思った。しかしどうにも踏ん切りがつかない。

「……ところで、貴方の名前を聞いてもいいですか?」


「名前?ああ……そうだな、死神、とでも言っておこうか」

 名前ぐらいは聞いてもいいだろうと思った

のだが、少しずれた回答をされてしまった。死神という存在が他にも多くいるのであれば、この目の前の死神にも固有の名前があるはずだ。

 内心思っていたことが顔に出てしまっていたのか、その人は少し笑って私の頭に手を伸ばす。

「悪いな。だがお前ら人間からしてみれば、こっちのほうがしっくりくるだろ?」

 温かい手だった。明らかに子供扱いされているが、そのことに対しての憤りよりも死神の手に意識がいった。その手は骨ではなくちゃんとした人の手だったのだ。骨の感触が来ると少し体を固くしていた私は拍子抜けした。

「……手、骨じゃないんですね」

「おまっ……死神が骨人間だと思ったら大間違いだからな!?」

「違うんですか?」

「違うな。この骸骨のお面をみてそう思ったんだろうが、見た目はお前ら人間とほぼ同じ

だよ」

「へ、へえ…じゃあ、なんでそんなお面してるんですか?不気味ですよ」

「何でって言われてもな。これ制服だし……」

「制服!?」

 制服の見た目に骸骨を提案する人の感覚が分からない。いや、こちらとあちらで感覚がずれているのは当たり前なのか。そうなのか。

「ん、それじゃあな。子供と違って、俺は仕事があるんだよ」

 そういって「死神」は時計を見ながら私の横を通り抜け、こちらに視線をよこさないままにひらひらと手を振った。


 去った死神の後ろにあった部屋。中ではピーッという無機質な音が響いていた。小さな少年がその体をベッドに横たえている傍らで、両親が泣き崩れている。どうして、という悲痛な叫びが、壁に吸い込まれて消えていった。



 一日、二日、三日、一週間。一ヶ月、二ヶ月。今日もまた仕事。明日も明後日も、同じような日々が続いていく。秒単位で刻まれる仕事を淡々とこなしていくうちに、いつしかとある病院に行くことが楽しみになった。そこに行ったとき、ある少女と二、三分ほど話して帰る。たったそれだけのことだったが、切り詰められたスケジュールの中での少しの会話はそれだけで心休まる時間だった。自分から少女のいる病室に行くようになったのはいつからだっただろう。

「死神さんの仕事場、すごくブラック企業じゃないですか。よく倒れませんね……」

「ブラック……いやまあ、仕方が無いな。この仕事は適性審査と試験に合格した、選ばれたものだけが出来る。人が少ないのはどうしようもないさ」

「それにしたって、もうちょっと仕事量減らしたり出来ないんですか?」

「多分出来ないと思うぞ。俺らの仕事はこの

世とあの世を繋ぐ、大事な仕事だからな」

「この世とあの世を繋ぐ?」

 きょとんとした顔をして、少女は俺の言葉を繰り返す。俺は得意になって、言葉を紡いだ。

「ああ。人間の中に入っている魂ってのは、人間の器である体が死んでも、その壊れた器を通じてこの世に残り続けるんだ。…そうだな、分かりやすく言えば、ソフトウェアはまだ生きているが、それに対応するハードウェアがぶっ壊れてるってイメージだ。で、そのハードウェアからソフトウェアを抜き出してあの世へと送り出すっていうのが俺らの仕事なんだ」

「……例えば幽霊だったり、そういう霊的な存在が騒がれることがありますけど、それは……?」

「それは多分、俺の同僚のミスだな。俺らがあの世へと送り出さなかった魂は、この現世でだんだんと自我、元の性格や気質がだんだんと壊れていって、最後には悪霊になる。

その悪霊は、根っこでは体とつながっているんだ。繋がりを切らなければ、悪霊として現世に悪影響を及ぼすんだ」

 ここまで話して後悔をした。いくら俺というこの現世から見れば異質な存在を視覚出来ているとはいえ、この少女はただの「人間」にすぎないのだ。あまりこの世界の仕組みについて知るべきではないのかもしれない。この情報を悪用するとも限らないのだから、もう少し注意して話すべきだった。

「……ねえ、死神さん。私ってあとどれくらいで死ぬか、分かりますか?」

「……さあ。仕事量が多すぎて、先日のうちに次の日分のものしか目を通せていないからな」

「そう、ですか。じゃあ、あの、死んだら人ってどこに行くんですか?」

 縋るような目だった。世界のシステムについて話すのはあまり良くないことだと頭では分かっていたが、この子を少しでも安心させてやりたい。質問に答えて、それが安心につながるのならばそれに答えよう。そう思ってしまった。そう思うほどにこの少女に心を寄せてしまっているのだと気がついて、そんな自分に驚く。

「あの世だ。そこで、裁判にかけられる」

「そのあとは、どうなるんです?」

「生まれ変わってまたこの世に戻ってくるか、もしくは罪を課されて地獄へいくか、だな」

「そう、ですか。じゃあ、安心ですね」

 消滅するわけじゃなく、ちゃんと行くところがあるんですから。と彼女は口元に笑みを浮かべて言う。安心だといいながら、彼女の手は震えていた。

 何かを言おうとした。何か言葉をかけようと思った。思ったのだがその言葉は形にはならず、そして音にもならず、なんの形にもならぬまま溶けてしまった。

「……そうだな」

 苦し紛れに言ったその言葉に、はたして彼女は何を思ったのだろうか。彼女は、何を言って欲しかったのか。その後すぐに仕事だと言って別れた俺は、もっと考えてものを話すべきだったと後悔した。


 仕事が少し落ち着き、一人で夜の公園のベンチに座る。……部屋の外で会うことが少なくなり、だんだんと病室から出なくなっていく少女から、だんだんと弱々しい声になっていく少女から、目を背けていた。

 仕事の量が多すぎて、一日分の仕事しか目を通していないのは嘘ではない。嘘ではないが、彼女の命日を知りたくないという気持ちも確かにそこにあった。

「……そのときが来ても、いつも通りにしないとな」

 彼女の命日。ここら一帯の管轄は自分だから、恐らく俺がその場に立ち会うことになるだろう。……仕事は仕事だ。そしてその仕事をすることが彼女のためなのだ、と思う。

 今のうちに明日の分の仕事に目を通そうと、ぱらぱらと書類をめくった。普段と変わらない仕事の多さに辟易としながらも、時間、場

所、そして対象の顔を頭に入れる。

 その中のある一枚の写真。それを見て、俺の手が止まった。

「……はは、人間ってのは、本当に、」

 死を予期した猫はその身を隠す。動物の本能が自分の死を察知するんだろう。人間もまた、その本能があるに違いない。

 闇に覆われた公園の中、書類に添付された、死神の友人である少女の写真を月光がぼんやりと照らしていた。


 その日は嘘のように快晴だった。対照的に、俺の心には黒いもやが渦巻いていた。今日は彼女の、命日なのだ。まだ声が届く状態のうちに会いに行きたいと思っても、仕事が詰まっているので思うようには行かない。ままならないこの身がもどかしかった。やっと彼女の顔を見たと思っても、それは仕事をするとき。彼女が、仕事の対象になるときで。その目が開き、俺を認識することも、そしてまた、明るく声をかけてくれることも、二度と無いのだ。


 ピッ、ピッ、と規則的に、しかし健康な人のそれよりも遅いリズムの音が聞こえる。

 あと一分

 いつも通りのよく見慣れた光景。本当にいつも通りなら心は動かされないはずだった。しかし今回、そのベッドの上に横たわっている人物は、俺の知人なのだ。

 ……俺が手をくださなくても、どちらにせよ人は死んでいく。俺はその魂の、魂があの世へと行くまでの手助けをしているだけなのだ。それだけな、はずなんだ。

 あと十秒

 ――本当に?本当に、それだけか?俺が手をくださなければ魂はその場に、この世に残り続ける。それはまだ生きていると言えるのではないか?現世に魂だけが残された場合、その魂は徐々に自我が崩壊していく。

 ……自我が有るうちは、生きていたときの記憶、習慣、癖がまだ残っている。魂はあの世へと誘われ、生まれ変わる。

 生まれ変わり、それまでの記憶をなくすことこそが本当の死ではないのか。つまり、俺の仕事は。

 ――時間だ

 ピーッという無機質な音の中で、ほとんど反射的に鎌を振り下ろした。見れば、生命活動の終えた体から魂が引きはがされている。

 笑いが込み上げて来た。何故だか笑わずにはいられなかった。そうだ。俺は、俺達は、俺こそが「死神」なのだ。人間がいうその「死神」という言葉はいかにも的を射ているじゃないか!

 ひとしきり笑って、頬がぬれていることに気がついた。ああ、自分は泣いていたんだなとぼんやりと思った。

 書類に死亡確認の印を押し、部屋の外に出て次の仕事へと向かう。この仕事の本質がなんであれ、仕事はしなければならない。やらなければこの世界に悪影響が出る。俺がやらなかったところで、他の誰かがやるだけだ。

 そう、逆に言えば誰かが、俺がやらなければいけない。

 何故なら俺は、死神なのだから。

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定め 若子 @wakashinyago

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