第25話 vs中級邪神

「さて、お前の魔法と俺の剣、どちらが強いか勝負と行こうか。」


 そう言って、邪神に向かって突撃する。


目の前に迫り来る魔法を避けながら距離を縮める。


魔法発現の間隔は複数の魔法を同時に発現するわけでなくずらして打ってくるためそこそこ短い。


距離が近くなるにつれ邪神の魔法が当たりやすくなるので当たりそうな魔法を斬り裂いて魔法を破壊する。ギリギリまで近づき、一気に距離を詰め相手の懐に入り攻撃を入れようとするが、爪を使いふせがれる。


 軽く飛ばされるがちらっと夕陽が見え、後ろに夕陽がいることに意識が持っていかれる。それにより過剰なまでの魔法破壊をするようになり体力を無駄に使ってしまう。


夕陽との距離を取るために、邪神から一定の距離を取り、魔法を避けながら邪神を惹きつける。


邪神を誘導することができれば夕陽を気にせず思いっきり攻撃に専念できる。


邪神との距離を確認しながら魔法を避け続けた。


「これくらい離れれば、いいだろ。」


 ある程度、夕陽と離れることができたため、邪神に向き直り、大地を全力で蹴る。体勢を低くして、当たらないようにと左右にステップしながら避け魔法の発現の間を狙い先程と同様に一気に距離を詰める。


近づいた刹那に対して魔法の発現をやめて爪による近接攻撃に変えてくる。


刹那はそのタイミングで一気に距離を詰めて、一撃に力を込めて剣を振る。邪神はそれに対して、二本の腕を大きく振り攻撃を仕掛けてくる。俺の剣と邪神の爪がぶつかり合いキーンという甲高い音が響く。


「チッ。あれを防ぐかよ。」


 邪神と睨み合いをして、剣を押して舌打ちをしながら軽く後ろに飛び、もう一度接近する。


 邪神より早く接近することができ、勢いにのって隙をついて一撃だけ斬り込む。しかし、剣が深く入ることはなくあまりダメージを受けていないようだった。


 逆に勢いに任せて攻撃したせいで大きな隙ができ、カウンターを仕掛けてくる。地面についた左足を軸とし反転して、背中に迫る爪を剣で受け止める。そのまま爪の攻撃を弾く。体勢が若干崩れるが、右足をつき両足で踏みとどまる。もう一方の腕を振り刹那に攻撃を入れようとするがそれを軽く避ける。そのまま邪神が連続で攻撃してくるが、最小限の動きで弾いていった。


「軽いな。」


 邪神の攻撃に押されることもなくその場で邪神の攻撃を弾いていく。徐々に刹那の一撃の重さに耐えられなくなったのか押されていく。軽く防がれ逆に押されているのに対して今のままでは駄目だと思ったのか、少し下がってから爪を突き刺そう突っ込んでくるがそれを右に避け、背後を取る。


「もらった。」


 そう叫びながら、剣を振り下ろすが、邪神は羽を使って加速して攻撃をかわす。


想像していなかった避け方のせいでチャンスを無駄にした。


中級のくせになかなかやるな。


 邪神との距離はそれなりに離れてしまったため、追撃をしようとしても体勢を立て直されて上手くいくかどうかわからない。刹那は追撃を狙うことを諦めて息を整える。


 一度落ち着いたところでもう一度邪神に向かって走っていく。その時にはもうさっき与えた傷はもう殆ど治っていた。邪神も体勢を立て直し刹那に向かってくる。またしても剣と爪がぶつかりあった。


「片腕だけじゃ、俺の攻撃は防げない。」


 邪神の攻撃を押し飛ばして、邪神の腹に蹴りを入れる。邪神は何もできずに吹き飛ばされる。追撃を入れようと大きく飛ばした邪神を追う。


 そして剣を振って攻撃をしようとした時だった。邪神の周りがいきなり光りだす。そこにはエネルギーが集まっている感じがする。


「まさか。」


 そう呟くと同時に邪神からいくつかの魔法が刹那に向かって放たれたのだった。

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