第85話 空の女神・ピュアスイートラブリー

 プリンセスドールズのピンチを救うべく、横中ポートフューチャーへとたどり着くと、

「晴斗くん!私たちを助けてあげて!」

ロイヤルレインボーが現れて、晴斗をスカイワールドへとさそう。

 そこには、アクシアが繰り出したやみの力によって拘束こうそくされたアクアブルー・シトラスイエロー・トウィンクルパープル・スカーレットエースの姿があった。

「僕は、ずっと前からつぼみのことを信じてきた。だから、少しだけでもいいからつぼみの力になりたい」

晴斗の熱い思いがこもった言葉で、つぼみとの思いがよみがえってきた。

 それは、今から十年くらい前のこと。晴斗がニューヨークから横中に引っしてきた。

「私、愛沢あいざわつぼみ!」

「僕は藤村晴斗ふじむらはると

「よろしくね!」

「よろしく」

「じゃあ、出会った証として握手をしよう!」

「そうだね!」

満開になった神門神社みかどじんじゃさくらの木の下で、つぼみと晴斗は出会った。

大丈夫だいじょうぶ?」

「気にしないで。心配はいらないよ」

つらいときも、

「きゃー!」

「つぼみ、大丈夫?」

「左足がちょっと…」

「ん?ひざり傷がある。ちょっとばんそうこうをるから、動かないでね」

「うん」

「ありがとう!晴斗くん」

「どういたしまして」

苦しいときも、つぼみと晴斗は互いにとっての心の支えとなっていた。

「つぼみ、これからもよろしくね」

「うん!」

そして、幼稚園ようちえんからずっとつぼみと晴斗のきずなは途切れることなく続いている。

「光の女神がずっと探し求めていた世界で一番のかがやきを持つ少女、それは愛沢つぼみ。君しかいないと思っている」

晴斗は、つぼみに空の女神になる資格があると断定した。

「ちゅぴ!」

「ちゅる!」

「その通りだ!」

これには、チララとコロン、チャミィも共感した。

「行くしかない、僕の思いを君に…」

「今だからこそ私にできることを…」

 すると、晴斗が込めた強いいのりとロイヤルレインボーの希望と未来の力で、強い力が生み出された。

「届け、みんなの想い!」

ラブリーピンクの元にそれが届くと、彼女が持っている強い輝きによって、プリンセスジュエル・ピュアスイートが誕生した。

「みんな、ありがとう。私、心の輝きを信じて、必ず闇の力を封じ込めるからね!」

ラブリーピンクは、プリンセスジュエル・ピュアスイートをプリンセスミラーにセットする。

「プリンセスジュエル、セット!プリンセス・スイート・ドレスアップ!」

桜のようなうすいピンクと愛の輝きを秘めたいピンクがつぼみを包む。

「世界の平和を守るプリンセス・ピュアスイートラブリー、ここにて見参!」

ピュアスイートラブリーが現れた。

「何と!?未知なるドールプリンセスが現れたのでざます!?」

白を基調としてあわいピンクがほどこされているコスチュームがピュアスイートラブリーの特徴とくちょうである。これには、アクシアも思わず困惑している。

「光と闇、未来はどちらの世界に動くのか、世界の平和をかけて、そして空の城をかけて、勝負しよう!」

「私もついているから!」

こうして、ピュアスイートラブリーとロイヤルレインボーは、アクシアを封じ込めるために立ち上がった。


 その頃、避難所ひなんじょではようやく救援きゅうえん物資ぶっしが届いた。

「インターネット上の情報じょうほうによるデマによってパニックが起こり、混乱は発生してしまった。それでも、世界中からメッセージが届いたことには、感謝している」

終わりの大地と始まりの海による被害の拡大かくだいを受けて東京から避難所にけ付けた藤村ふじむら刑事けいじ。すると、

「みんなで、プリンセスドールズにエールを送るのですわ!」

アルファの働きかけで、プリンセスドールズにエールを送る。

「最後まで絶対に、みんなを信じて、自分を信じて!」

おとぎの世界にいるプラチナもこれに続いた。

「プリンセスドールズ、明るい未来へと、輝く世界へと、導けるように…」

 そのメッセージが輝きへと変わり、ピュアスイートラブリーとロイヤルレインボーに届いたようだ。

「何と!?とてつもない力を持っているでざます…」

「私たちがいる限り」

「輝きは無限にあるのだから!」

ピュアスイートラブリーとロイヤルレインボーが生み出した強い輝きに、アクシアはが立たない。

 「まずは、みんなを助けなきゃ!」

「そうだね、アクシアからの拘束を解こう」

ピュアスイートラブリーが専用の武器アイテムであるピュアスイートバトンを、ロイヤルレインボーがつばさかざりがついたロイヤルクリスタルロッドを、それぞれ手に持つと、

「プリンセスステージ、ライブスタート!」

ピュアスイートラブリーとロイヤルレインボーによるアクシアによってとらわれているアクアブルー・シトラスイエロー・トウィンクルパープル・スカーレットエースの救出がはじまった。

「どうして」

「夢の終わりを祈るのは」

れた大地にも」

「光はすのに」

「白き光と」

「黒い暗闇」

「輝きは世界に」

「満ちあふれるのに」

間違まちがったことを終わらせて」

「愛の意味と希望を」

「私に」

「新しい夢をえがこう」

「君と一緒に」

「虹色の光をさずけて」

やさしく 安らかに」

「生きたいという希望がある」

「さあ」

「心のメロディー」

「最後の歌を今」

「強き者だけの」

「世の中じゃないから」

「Brand New World」

「愛のメッセージ」

ロイヤルレインボーはロイヤルクリスタルロッドをアクアブルー・シトラスイエロー・トウィンクルパープル・スカーレットエースに向ける。すると、

「みんな!」

「ありがとう」

彼女たちの救出に成功した。

 「プリンセスドールズ、キミたちは今、失うものなんて何もない!」

「世界中の輝きを結集するときが来たわ」

「本当に最後の戦いだ。さあ、全力で戦ってほしい!」

「みんなの健闘けんとうを心から祈っている」

チララとコロン、チャミィと晴斗がプリンセスドールズにエールを送り、

 「心の輝きを信じて、みんなの思いよ、届け!」

プリンセスドールズとアクシアによる最後の戦いが始まったのであった。

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