第77話 リーフと仙台と草木の城

 つぼみたちは、藤村ふじむら刑事けいじとおまかせトリオからの情報をたよりにパラレルワールドの仙台せんだいにたどり着いた。

「仙台市都心部周囲には広瀬ひろせがわや青葉山などの自然があり、また都心部にも街路樹などの緑が多いことから、もりの都との雅称がしょうをもつ。市は学都仙台や楽都仙台などのキャッチコピーも用いている。東北を代表する港湾こうわんやサーフスポットである仙台港が北東部に、宮城県内の純観光地じゅんかんこうちの中で宿泊客数第一位をほこ秋保あきう温泉おんせんが南西部に、宮城県内で利用者数一位を誇るスプリングバレー泉高原スキー場が北西部にある。中国では、魯迅ろじんが留学した都市として知られる。東日本等や海外の商店街イベントとして定着した七夕まつり、旧・仙台藩せんだいはん地域ちいきでの仙台初売り、地方では困難な公的財源に頼らない大規模イルミネーションイベントのSENDAI光のページェント、街角無料音楽祭の定禅寺じょうぜんじストリートジャズフェスティバル、とっておきの音楽祭等、市民が中心となって創り上げた都市イベントを数々生み出しており、その運営ノウハウやフォーマットを市外・県外に移出する文化都市でもある。現在の仙台市の推計人口は、東北地方の中で最も多く、秋田県、山形県よりも人口が多い。仙台一極集中と言われることがある。このような集積度と東北における拠点性きょてんせいにより、物販面では隣県りんけんおよぶ仙台経済圏を形成している。仙台はかつての宮城郡南部と名取郡北部に市域が広がるが、両郡の東部に広がる仙台平野は、西と北を陸前りくぜん丘陵きゅうりょう、東を太平洋の仙台湾、南を阿武あぶ隈川くまがわに囲まれる。北部は長町-利府線断層帯をさかいに、北西側が洪積台地、南東側が沖積ちゅうせき平野へいやに分かれる。当地は、畿内きないたんを発する山道と海道とが合一する唯一ゆいいつの地であり、その合一した街道は後年、おく大道おおみちや東街道と名称めいしょうを変えながらも同断層帯や高舘こうたち丘陵きゅうりょうの東縁に沿って南北に通る重要な道として存在し続けた。伊達だて政宗まさむねによる仙台開府以前では、この街道沿いを中心に、同断層帯・丘陵より東側の沖積平野にある自然堤防などの高地こうちにのみ町場が形成された。東方微とうほうび高地こうちには、四世紀よんせいきすえころに東北最大の雷神山らいじんやま古墳こふんや県内二位の遠見とおみづか古墳こふんが築造され、七世紀半ばの陸奥国設置後は国府とされる郡山こおりやま遺跡いせきや多賀城、さらに陸奥むつ国分寺こくぶんじ陸奥むつ国分こくぶん尼寺にじなど同国の重要じゅうよう施設しせつも置かれた。多賀城たがじょうが十一世紀前半に国府としての機能を失うと、陸奥国府は陸奥府中の南西部にあたる岩切駅周辺の七北田川沿い東方微高地に移転し、南北朝時代まで続いた。十二世紀には陸奥国府は多賀国府とも呼ばれるようになり、国府周辺には多賀国府町と呼ばれる、陸奥国の政治・経済の中心地としての町場が戦国時代まで続いた。当時のその他の町場には、原町の宿場、陸奥国分寺の門前町である国分日町、国分氏の小泉こいずみじょう下町かまち粟野あわのの北目城下町などがあり、いずれも東方微高地にあった。一六〇一年一月二十八日から政宗は、伝統的な当地の中心地である東方微高地ではなく、同断層帯より西側の洪積台地に広がる広瀬川の河岸かがん段丘上だんきゅうじょうに仙台城や仙台城下町を建設して仙台藩六十二万石の中心地とした。城下は、南北道の奥州おうしゅう街道かいどうと、仙台城大手門から石巻いしのまき街道かいどうへとつながる東西道の大町とが交差する芭蕉ばしょうつじを商業中心とし、国分日町が移転してきた国分町、北目城下町が移転してきた北目町そして伊達氏に従って移転した御譜代おふだい町六町などの町人町を城下の街道沿いに配置した。東方微高地では、小泉城および小泉城下町が政宗によって再編されて若林城および若林城下町となったが、死後にはいじょうと仙台城下町に吸収きゅうしゅう合併がっぺいされた。原町の宿場は石巻街道下り第一宿駅の原町宿に再編され、旧・北目城下町の西隣にしどなりには奥州街道上り第一宿駅の長町宿が設置され、それぞれ仙台城下町とコナベーションした。この結果、仙台は城下二じょうかふた宿場しゅくば連接れんせつ都市としの様相をていした。これ以降、奥羽最大都市となった。旧・陸奥府中では、塩竈しおがまが仙台城下町の外港として発展はってんし、塩竈と仙台との間に造られた運河系で物流の中継地となった蒲生がもうや原町も発展した。明治になると、東京と青森のほぼ中間に位置する当地に、東北とうほく鎮台ちんだいが設置されて陸軍施設が集まり、軍都の側面を持ち始めた。一八七八年に仙台区となり、一八八二年に木道社が日本初の人車軌道を仙台 - 蒲生間に開業した。一八八七年には旧制二高が創立、日本鉄道仙台駅も設置された。同駅の設置により、木道社は廃業して蒲生は中継地としての地位を失い、船運中心の江戸時代に発展した石巻や塩竈から、鉄道が集積する仙台に商権が移って、現在に至る商都の側面を手に入れた。一八八九年四月一日に市制が施行された。日露にちろ戦争せんそうを機に一九〇七年には東北帝国大学が創立し、学都としての地位を確立した。大正、昭和初期にかけて五大事業を推進して近代都市へと脱皮し、森の都や杜の都と呼ばれるようになった。中心商業地は一番町へと移り、郊外ではかつて宮城郡役所が置かれた原町、名取郡役所が置かれた長町など隣接町村と合併して、これら新市域に工場地区を形成した。秋保電気鉄道や日本初の旅客用地下鉄を開業した宮城電気鉄道等の沿線には行楽地が開発された。一九四一年、鉱工業が発達する福島県・秋田県に続いて東北地方で三番目に日本銀行の支店が置かれるなど、太平洋戦争前後に中央省庁の出先機関が集積する行政都市としての側面を得た。統制経済下で困窮した商工業者が満州国にわたって仙台村を拓いたり、仙台空襲せんだいくうしゅうで中心部が廃墟はいきょとなったりした戦争が終わると、仙台駅前には大規模な闇市やみいちが生まれ、東北各地との間で鉄道を使った物資の集散もなされた。戦後占領期には戦災復興事業で、市街地に広幅員道路が縦横じゅうおうに建設されて現在の都心部の基盤きばんとなった。また、闇市にわって公定価格マーケットや路上の屋台が市民生活を支える一方、宮城県に進駐しんちゅうした約一万人のGI向けに仙台駅北側のX橋周辺には歓楽街かんらくがいが誕生した。高度経済成長期になると、企業きぎょうの支店が多く進出して第三次産業が伸長し、札仙さつせんひろしふくと並び称される支店経済都市となった。また、一九六四年の新産業都市指定を機に、都市計画区域を隣接する宮城郡泉町・宮城町、名取郡秋保町に広げ、さらに一九七〇年には十二市町による仙塩広域都市計画区域が指定された。すると人口集中地区の急速な拡大とモータリゼーションが促進そくしんされ、都心部の交通こうつう渋滞じゅうたい解決かいけつの必要から国道四号仙台バイパス沿いに工業・流通地区を新設、業者が移転して空いた国分町は歓楽街に転換てんかんしていった。また仙台市地下鉄の計画も始まり、一九七六年には仙台市電が廃止された。市電廃止は、二城下二宿場連接都市期における市街地のえんにあって、かつ市電と鉄道のターミナルだった北仙台・原町・長町の市内三拠点の商業しょうぎょう中枢性ちゅうすうせいうばう結果も招いた。一九六二年度から県内総生産で、一九八〇年国勢調査からは人口でも、福島県を抜いて宮城県が東北最大県となった。すると仙台市は、泉・宮城・秋保の一市二町を編入合併し、県から権限を移譲いじょうされて市制百周年の一九八九年四月一日に全国で十一番目となる政令指定都市に移行した。この間、一九八二年の東北新幹線開業に合わせ、仙台駅の建て替えと大規模なペデストリアンデッキをともなう駅前整備がなされ、一九八七年の政宗ブームや地下鉄南北線開業に始まるバブル景気期には民間投資と箱物行政により都心部に高層ビルが建ち並び始めた。一方で市は郊外部において、北の泉中央副都心、南の長町副都心、東の仙台港副都心、西の愛子あいこ副都心ふくとしんの四つの副都心を設定した。しかし、地下鉄沿線の泉中央・長町の両副都心やロードサイド店舗てんぽに物販・職場が郊外化する傾向けいこうが見られるようになったため、バブル崩壊後ほうかいごの一九九〇年代後半からコンパクトシティを志向するようになり、都心部へのアクセス三十分構想を進めている。二〇〇〇年代に入ると高速バスの仙台 - 福島線や仙台 - 山形線などにおける値下げ・増便競争、仙台発着便の新規開設が進み、県外からの集客力が一気に増強した。また、仙台駅東口側一帯における土地区画整理事業に伴い宮城野通が開通し、その地下に仙石せんせきせんの地下新線が移転開通、東口駅前広場も完成した。そこに二〇〇四年、宮城球場を本拠地とするプロ野球チームが新規参入すると、都市計画用途地域で赤系色にられる地域への県外・海外資本の投資が進みレッドバブルと呼ばれた。二〇〇六年に仙台・宮城デスティネーションキャンペーンの開催かいさいが決定すると投資は郊外をふくめて加速、ミニバブルやプチバブルなどと呼ばれる活況かっきょうを呈した。しかし、リーマン・ショック後の景気後退に加え、東日本ひがしにほん大震災だいしんさいで大きな被害を受けた。震災後は復興ふっこうの拠点となる一方、二〇一五年の地下鉄東西線の開業も重なり、様々な開発が活発化している」

けやきの道もれてしまっている…」

神門みかど神社じんじゃさくらの木と同じ…」

杜の都とも呼ばれている仙台だが、その面影おもかげまったくない。

 すると、

「あなたたちとお会いすることができて光栄こうえいでございます。私の名前はリーフと申します」

九賢人の一人であるリーフが現れた。

「プリンセスハートを手にしたいのであれば、私と勝負しましょう」

「さあ、変身よ」

「うん」

つぼみたちはドールプリンセスに変身する。

「プリンセス・ロイヤル・ドレスアップ!」

にじいろの光がカレンを包む。

「希望と未来のプリンセス・ロイヤルレインボー、見参!」

 続いて、

「プリンセス・ロイヤルチャージ!」

ロイヤルレインボーがロイヤルクリスタルロッドを手に持つと、

「3,2,1,Go!」

とピュアロイヤルメイクドレッサーにかがやきをチャージする。

 「愛よ、美しさよ、知性よ、友情よ、勇気よ」

ピュアロイヤルメイクドレッサーにロイヤルシードをセットすると、

「ロイヤルシード・セット!プリンセス・ロイヤル・ドレスアップ!」

金とぎんの光がつぼみたちを包む。

「ロイヤルドレス・シャイニングフォーム、ここにて見参!」

「私たち、プリンセスドールズ!プリンセスステージ、レッツスタート!」


 ロイヤルドレスアップしたプリンセスドールズが現れると、

「出てきなさい!」

なまはげがリーフの身代わりとして現れた。

「悪い子はいねーがー!」

すると、

「プリンセスドールズは決して悪くない!」

チララはこううったえる。

「プリンセスドールズはボクたちにとって仲間であり味方なんだ!」

その言葉が通じたのか、なまはげは降参こうさんを余儀なくされた。

「味方がいなくなってしまうとは、なんということでしょう」

 「今がチャンスだ!」

「心の輝きを信じて」

「ロイヤルシード・セット!」

プリンセスドールズがピュアロイヤルメイクドレッサーにロイヤルシード・フェアリーハートをセットすると、

「プリンセス・ロイヤル・パワーアップ!」

虹色の光に加え、金と銀の光がつぼみたちを包む。

「ロイヤルドレス・ハートフルフォーム、ここにて見参!」

 それから、つばさかざりがついたロイヤルクリスタルロッドを手に持つと、

「プリンセスステージ、ライブスタート!」

ピュアロイヤルメイクドレッサーでロイヤルドレスアップしたプリンセスドールズによるリーフの撃退げきたいがはじまった。

「どうして」

「夢の終わりをいのるのは」

れた大地にも」

「光はすのに」

「白き光と」

「黒い暗闇」

「輝きは世界に」

「満ちあふれるのに」

間違まちがったことを終わらせて」

「愛の意味と希望を」

「私に」

「新しい夢をえがこう」

「君と一緒に」

「虹色の光をさずけて」

やさしく 安らかに」

「生きたいという希望がある」

「さあ」

「心のメロディー」

「最後の歌を今」

「強き者だけの」

「世の中じゃないから」

「Brand New World」

「愛のメッセージ」

「今こそ、力を一つにするとき!プリンセス・ハートフル・シンフォニー!」

プリンセスドールズはロイヤルクリスタルロッドをリーフに向ける。すると、

「アンコールはお断り」

と言って、立方体の光に包み込まれたリーフの撃退に成功した。

 「ちゅ、ちゅ、ちゅっぴー!」

と、チララはプリンセスハートのありかに察知。そこにたどり着くと、

「キャッチ!」

とプリンセスハートの回収に成功する。

「これは、プリンセスハート・グリーンだ!」


そして、

「さあ、今こそ、心のとびらを!」

「開け、草木の城!」

つぼみとチララが魔法まほうの言葉をとなえると、グリーンとミントのプリンセスハートによって草木の城の解放に成功した。

 「私たちを助けてくれてありがとうございます」

すると、草木の城の女王が現れた。

「ここにいると、安らげそう!」

「森林に囲まれていますからね」

草木の城は、森の中に立地しているのだ。

「そのことを、王子さまと女王さまにも伝えてください」

「はい!」

つぼみたちは、草木の城が闇の力から解放されたことをプラチナと光の女神に報告するのであった。

 その時、おとぎの世界にあるプリズムパレスでは、

「ここまで、五つの城を取りもどしたのですね…」

「ああ、折り返し地点を迎えたのか…」

プラチナと光の女神は、水晶すいしょうだまを通してプリンセスドールズの活躍かつやくを見ていた。こうした中で、

「ざます、ざます、ざます…」

プリズムパレスにアクシアの声が聞こえてきた。

「大変です!王子さま、女王さま!」

その知らせを受けて、大臣がプラチナと光の女神のいる謁見えっけんの間に入ってきた。

「太陽の城と月の城の存在が明らかになりました!」

「どういうことでしょうか?」

「さらに城があるのか…」

大臣によると、太陽の城と月の城はプリズムパレスを囲む城と別に存在しているのだ。

「アクシアがまだ動いているのか…」

「状況を注視しなければなりません」

これについて、プラチナと光の女神は危機感をあらわにする。

 「ざます、ざます、ざます…」

アクシアの声は、新たな九賢人の目撃情報が出ている札幌さっぽろにも聞こえてきた。

「今すぐ現場へと向かわなければ…」

現地に向かっていた藤村刑事は、あせりをつのらせるのであった。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る