第55話 ダークネス団の黒き幹部・ダーク

 ダークネスだん幹部かんぶのライトが人間界に現れた翌日、ポートフロンティア学園のハイブリッドしばグラウンドに空からあるものが落ちてきた。

「この先、立ち入り禁止!」

その正体は、ライトストーンと同じような形の黒い球体だった。この影響で、ハイブリッド芝グラウンドは使用禁止を余儀なくされた。

「ちゅぴ!これはライトストーンと対をなすダークストーンだ!早くみんなをここに集めなければならない!」

ポートフロンティア学園を見回っていたチララは、つぼみたちを現地に招集する。

「ねえ、見て!」

「ダークストーンから何か現れた!」

すると、ダークストーンから全身黒づくめの人物が現れた。

「俺の名前は、ダークネス団幹部のダークだ。プリンセスドールズ、お前たちのことはすでに把握はあくしている」

ダークがつぼみたちに自己紹介すると、

「本日のじゅうは、これだ!時間の魔獣だ!」

ダークの合図で、すな時計どけいをイメージした時間の魔獣が現れた。

「さあ、変身よ」

「うん」

つぼみたちはドールプリンセスに変身する。

「プリンセスジュエル、セット!プリンセス・ドレスアップ!」

あいのプリンセス・ラブリーピンク、見参!」

「水と氷のプリンセス・アクアブルー、見参!」

「花のプリンセス・シトラスイエロー、見参!」

「星と月のプリンセス・トウィンクルパープル、見参!」

ほのおのプリンセス・スカーレットエース、見参!」

わたしたち、プリンセスドールズ!プリンセスステージ、レッツスタート!」


プリンセスドールズが現れると、

「やってやれ」

魔獣の力で過去に巻きもどされてしまった。

「ここは…」

「どこなの?」

たどり着いたのは、かつて工場があった場所。

「ポートフロンティア学園ができる前は、ここは工場だったのですね!」

すると、シトラスイエローはなぞを解明することに成功した。

「あっ、この砂はくだけた宝石ほうせきでできている!」

「元の時代に戻りたいのであれば、これを倒してみろ!」

その流れから、チララは魔獣の素材を見抜みぬいた。

 「今がチャンスだ!」

「さあ、五人の力を、今ここに集うとき」

プリンセスドールズがピュアロイヤルメイクドレッサーの三面鏡さんめんきょうを開けると、

「プリンセスステージ、ライブスタート!」

ピュアロイヤルメイクドレッサーでパワーアップしたプリンセスドールズによる魔獣の浄化がはじまった。

「Dash! Dash! Jumpingしよう!」

「心につばさがある」

「その先は」

「未来」

「Boys & Girls Don’t Think Feel!」

「ウインクだけはなぜか」

「うまくできない」

笑顔えがおのまま 毎日を」

「過ごしてる」

「選挙の日などはなんか」

「出かけたくなる」

「正午まで数えると」

「眠ってしまう」

きしめて」

「悲しくなったときは」

「抱きしめて」

「今は」

「もう大丈夫だよ」

「Yeah! Yeah! Lucky Every Day!」

「無限の可能性」

「みんなみんな」

「同じ」

「ひとりぼっちじゃない」

「Dash! Dash! Jumpingしよう!」

「心に翼がある」

「その先は」

「未来」

「Boys & Girls Don’t Think Feel!」

「好きな人といると」

「とても幸せ」

「もし魔法を使えるなら」

「時間止めたい」

「抱きしめて」

「友達同士だから」

「抱きしめて」

「もしも」

「さみしいなら」

「Yeah! Yeah! Lucky Every Day!」

「無限の可能性」

「空はいつも青く」

「晴れわたるから」

「Dash! Dash! Jumpingしよう!」

「心の翼広げたら」

「指切りの儀式」

「Boys & Girls Don’t Think Feel!」

「Dash! Dash! Jumpingしよう!」

「心に翼がある」

「その先は」

「未来」

「Boys & Girls Don’t Think Feel!」

「Yeah! Yeah! Lucky Every Day!」

「無限の可能性」

「空はいつも青く」

「晴れ渡るから」

「Dash! Dash! Jumpingしよう!」

「心の翼広げたら」

「指切りの儀式」

「Boys & Girls Don’t Think Feel!」

「今こそ、力を一つにするとき!プリンセス・ピュア・エクストリーム!」

プリンセスドールズがピュアロイヤルメイクドレッサーのエネルギーをためていく。すると、プリンセスドールズが、

「アンコールはお断り」

と言って、魔獣は跡形あとかたもなく消えていった。

 「ちゅ、ちゅ、ちゅっぴー!」

と、チララが魔獣のコアから出てきたマジカルジュエルのありかを察知。そこにたどり着くと、

「キャッチ!」

とマジカルジュエルを回収することに成功した。それをラブリーピンクのプリンセスミラーに認識すると、

「ラピスラズリ。ロイヤルブルーのマジカルジュエルだ。人類に認知され、利用された鉱物こうぶつとして最古のものとされている。エジプト、シュメール、バビロニアなどの古代から、宝石として、また顔料ウルトラマリンの原料として珍重ちんちょうされてきた。日本ではトルコ石と共に中に月のほかに九月の誕生石とされる。主成分にもラピスラズリとはことなる日付が誕生石として設定されている。ラピスはラテン語で石、ラズリはトルキスタンにあるペルシア語地名 "lazhward"が起源で、それがアラビア語に入って "lazward"で群青の空の色を意味する。ラピスラズリは、ラテン語でlazhwardの石となる。古代ギリシャでサプフィールといったのは、今のサファイアではなく、ラピスラズリであるという説もある。旧約聖書の出エジプト記の、祭司の装飾品そうしょくひんの一つである胸当むねあてにはめ込む石として青い石は、ラピスラズリだといわれている。また新約聖書のヨハネ黙示録もくしろくでは、世界が終末を迎えた後現れるとされる新エルサレムの都の神殿の東西南北のいしずえにはそれぞれ十二種類の石でかざられ、そのうちの二番目がサファイア、十一番目が青玉と記述されているが、青玉は現在ではサファイアのことを指すので、もし事実なら二番目のサファイアはラピスラズリのことを指している可能性がある。この他にも旧約聖書でモーセがシナイ山にて、神よりさずかったとされるモーゼの十戒じっかいきざまれた石版はサファイアとされていたが、これもラピスラズリであったといわれている。日本では、ラピスラズリは瑠璃るりと呼ばれ、仏教の七宝の一つとされ、仏典『無量寿経むりょうじゅきょう』や『法華経ほっけきょう』に瑠璃の記述がある。奈良の正倉院しょうそういんの宝物庫には、こん玉帯ぎょくたいと呼ばれているラピスラズリで飾られた黒漆塗くろうるしぬり牛革製ぎゅうかわせいベルトが収められている。方ソーダ石グループの数種類の鉱物間の固溶体である。青金石・方ソーダ石・藍方あいがたいし黝方あおぐろかたいしのに限っては、同じ方ソーダ石鉱物グループであり、類質同像の多結晶体たけっしょうたいをなしうる。方解石、黄鉄鉱は混合か混入するのみである。時折ラピスラズリが、複数の鉱物の混合物であるとの説明を見かけることがあるが、あくまでラピスラズリは固溶体であって混合物・集合体ではない。もしラピスラズリが混合物なら結晶が出来るはずはないが、ラピスラズリは十二面体の結晶でしばしば産出する。固溶体は結晶構造を持つが、混合物・集合体は化学的結合をせずに混じりあっているだけなので構造を持たない。従って結晶をなさない。市場で流通しているラピスラズリの大部分は塊状かいじょうのものであるが、最近では母岩付きの結晶体のものもかなり見られるようになった」

 「それではみなさん、また次回じかいかがやく世界でお会いしましょう!プリンセスステージ、ハッピーフィナーレ!」

プリンセスドールズが勝利宣言すると、

ダークはこう言い残して、どこかへと去っていった。


 その後、

「みんなに聞いてほしいことがある」

晴斗とプラチナは、つぼみたちにあることを伝える。

「ダークネス団によるイノセントワールド計画を進めていくことを防ぐには、アレキサンドライトのマジカルジュエルを手にしなければならない」

「しかし、その前にロイヤルシードを手にすることが必要不可欠だ」

「ロイヤルシード?」

「おとぎの世界に眠っているものだ。それをすべて集めると、プリンセスドールズの真の力が覚醒かくせいするらしい」

晴斗とプラチナが説明していると、

「きゃー!」

「カレン!」

「どこに行くつもりだ!」

カレンが何者かによって連れ去られてしまった。

「お兄ちゃん、助けて…」

連れ去られたカレンはこう言い残して、どこかへと去っていった。

 すると、

「ねえ、見て」

オメガからつぼみたちに手紙を送ったようだ。

「プリンセスドールズ、我々はおとぎの世界の次期女王を手にすることができた。彼女を返してほしいのであれば、ロイヤルシードを手にしてみろ!」

これについて、つぼみたちは、

「私たちのからを破るため」

「輝きを守るため」

「未来を守るため」

「世界を救うためにも」

「やるしかない!」

と決意を述べると、時空のけ目が出てきた。

「ここが、人間界とパラレルワールドをつなぐ時空の裂け目だ」

「そこに入ってってこと?」

「そうだ」

時空の裂け目と突入するつぼみたち。

「では、行ってくるよ!」

「気を付けて」

健闘けんとういのる」

ダークネス団によって連れ去られたカレンを取り戻し、ロイヤルシードとアレキサンドライトのマジカルジュエルを手にすること。それがつぼみたちにとって最大の使命である。それを成しげるため、つぼみたちは晴斗とプラチナに見送られながらパラレルワールドと向かっていった。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る