第54話 ダークネス団の白き幹部・ライト

 ある日、つぼみはポートフロンティア学園からの帰り道であるものを拾う。

「これはどんなものなのかな?」

それは、真っ白な球体だった。つぼみはこれをカレンとプラチナに見せると、

「王子さま、この球体は?」

「ライトストーン。パラレルワールドから落ちてきたものだ」

「パラレルワールドって、ダークネス団の本拠地ほんきょちがある場所?」

「そうだ」

すると、ライトストーンからホログラムが出てきた。

「私の名前はライトでございます。プリンセスドールズ、すでにあなたたちのことは承知しております」

その姿は、白ずくめの人物だった。

「ライトは今、ポートフロンティア学園にいるそうだ」

「気を付けて」

「うん」

つぼみはポートフロンティア学園へと急行し、チララは仲間たちをその場に招集する。

 白昼の時刻になると、

「出た!」

「みんな、下がってて!」

ポートフロンティア学園のハイブリッドしばのグラウンドにライトストーンを置くと、本物のライトが現れた。

「皆様と直接お会いすることができて光栄でございます。改めまして、私はダークネスだん幹部かんぶのライトと申します」

すると、

「本日のじゅうはこちらでございます。眠りひめの魔獣でございます」

ライトの合図で、白雪姫といばら姫の世界観をイメージした眠り姫の魔獣が現れた。

「さあ、変身よ」

「うん」

つぼみたちはドールプリンセスに変身する。

「プリンセスジュエル、セット!プリンセス・ドレスアップ!」

あいのプリンセス・ラブリーピンク、見参!」

「水と氷のプリンセス・アクアブルー、見参!」

「花のプリンセス・シトラスイエロー、見参!」

「星と月のプリンセス・トウィンクルパープル、見参!」

ほのおのプリンセス・スカーレットエース、見参!」

わたしたち、プリンセスドールズ!プリンセスステージ、レッツスタート!」


プリンセスドールズが現れると、

「ダークネス団幹部が生成した魔獣は、怪盗トリオが作ったものよりも手強てごわい!」

チララはこうアドバイスを送ったうえで、

「いいか、みんな!姫を眠りから覚ますんだ!」

と呼びかける。

 すると、

「目を覚まして…」

ラブリーピンクが魔獣にキスをすると、眠りから解放することに成功した。

 「今がチャンスだ!」

「さあ、五人の力を、今ここに集うとき」

プリンセスドールズがピュアロイヤルメイクドレッサーの三面鏡さんめんきょうを開けると、

「プリンセスステージ、ライブスタート!」

ピュアロイヤルメイクドレッサーでパワーアップしたプリンセスドールズによる魔獣の浄化がはじまった。

「Dash! Dash! Jumpingしよう!」

「心につばさがある」

「その先は」

「未来」

「Boys & Girls Don’t Think Feel!」

「ウインクだけはなぜか」

「うまくできない」

笑顔えがおのまま 毎日を」

「過ごしてる」

「選挙の日などはなんか」

「出かけたくなる」

「正午まで数えると」

「眠ってしまう」

きしめて」

「悲しくなったときは」

「抱きしめて」

「今は」

「もう大丈夫だよ」

「Yeah! Yeah! Lucky Every Day!」

「無限の可能性」

「みんなみんな」

「同じ」

「ひとりぼっちじゃない」

「Dash! Dash! Jumpingしよう!」

「心に翼がある」

「その先は」

「未来」

「Boys & Girls Don’t Think Feel!」

「好きな人といると」

「とても幸せ」

「もし魔法を使えるなら」

「時間止めたい」

「抱きしめて」

「友達同士だから」

「抱きしめて」

「もしも」

「さみしいなら」

「Yeah! Yeah! Lucky Every Day!」

「無限の可能性」

「空はいつも青く」

「晴れわたるから」

「Dash! Dash! Jumpingしよう!」

「心の翼広げたら」

「指切りの儀式」

「Boys & Girls Don’t Think Feel!」

「Dash! Dash! Jumpingしよう!」

「心に翼がある」

「その先は」

「未来」

「Boys & Girls Don’t Think Feel!」

「Yeah! Yeah! Lucky Every Day!」

「無限の可能性」

「空はいつも青く」

「晴れ渡るから」

「Dash! Dash! Jumpingしよう!」

「心の翼広げたら」

「指切りの儀式」

「Boys & Girls Don’t Think Feel!」

「今こそ、力を一つにするとき!プリンセス・ピュア・エクストリーム!」

プリンセスドールズがピュアロイヤルメイクドレッサーのエネルギーをためていく。すると、プリンセスドールズが、

「アンコールはお断り」

と言って、魔獣は跡形あとかたもなく消えていった。

 「ちゅ、ちゅ、ちゅっぴー!」

と、チララが魔獣のコアから出てきたマジカルジュエルのありかを察知。そこにたどり着くと、

「キャッチ!」

とマジカルジュエルを回収することに成功した。それをラブリーピンクのプリンセスミラーに認識すると、

「ターコイズ。水色のマジカルジュエルだ。トルコ石とも呼ばれているターコイズの色合いのために、数千年の昔から装飾品そうしょくひんとされてきた。近年では他の不透明ふとうめい宝石ほうせきと同様に、表面処理されたものや模造品・合成品が市場に出回っていて問題となっている。専門家でもその鑑定かんていは難しい。大プリニウスの『博物誌』に『カッライス』として登場する宝石が現在のトルコ石の古名に当たるが、当時から盛んに模造品が作られていたという。質の良いものはあざやかな青色だが、不純物に鉄をふくむと緑色に近くなる。どうやアルミニウムを含むリン酸塩さんえんの岩石に水の作用が働いたときにできる。鉱床こうしょうは、乾燥かんそう地帯ちたいで発見されることが多い。熱と日光に弱いため屋外に放置しない。トルコ石は良質でもややもろいい。トルコ石は単結晶けっしょうを作ることがほとんどない隠微いんび晶質鉱物しょうしつこうぶつであるため、性質は変異へんいに富む。X線回折によると、結晶系はさんしゃ晶系しょうけいである。硬度こうどと同様に比重も小さく、多孔たこうしつである。トルコ石は一般に不溶性だが、熱した塩酸えんさんには溶ける。じょうこんうすく青みがかった白である。断口は貝殻状かいがらじょうで、ろう光沢こうたくが残る。トルコ石は宝石の中では比較的ひかくてきやわ(やわ)らかいが、よいみがになる。トルコ石の表面に黄鉄鉱がはん点状てんじょうに分布していたり、暗い色のかつ鉄鉱てっこうすじ網目状あみめじょうに入っていることがある。トルコ石の光沢は、通常はろう光沢~準ガラス光沢である。通常は不透明だが、薄いものでは半透明性を示すことがある。色も変化に富み、白~あわい青色~空色、または青緑色~黄緑色の範囲はんいに変化する。青色は銅による発色であり、緑は不純物の鉄によるものか、または脱水によるものである。長波長の紫外線しがいせんを当てると、トルコ石はときに蛍光けいこうを発することがあり、緑、黄色、明るい青などに光る。短波長紫外線やX線には反応しない」

 「それではみなさん、また次回じかいかがやく世界でお会いしましょう!プリンセスステージ、ハッピーフィナーレ!」

プリンセスドールズが勝利宣言すると、

「さようでございます」

ライトはこう言い残して、どこかへと去っていった。


 それから、

「おとぎの世界に秘めしもの。それこそ、ロイヤルシードだ。ピンク・青・黄色は地下ちか倉庫課そうこかに、むらさきと赤は幹部にたくした。つまり、戦いの準備はいつでもできているということだ」

ダークネス団アジトにいたオメガはこう自信をのぞかせる。

 すると、オメガはタブレットパソコンを操作する。

「灰色の雲で人々の輝きを完全にうばい、黒いツタで風景を真っ黒に包み込む。これこそが、我々にとっての理想の世界、そう、イノセントワールドだ」

オメガによって、イノセントワールドの全貌ぜんぼうを明らかにした。

 そのうえで、

「イノセントワールドになるかいなかは、地下倉庫課と幹部たちの出来栄できばえにかかっている。ここから先はお前たちの覚悟かくご次第しだいだ」

と何かをほのめかした。

 これを、おとぎの世界にある水晶玉を通して見ていた光の女神は、

「まさか、ロイヤルシードがすでにやみの力の手にありましたとは…。想定していなかったことが起きてしまいました」

としたうえで、

「このままでは、残念なことが起きてしまいます。プリンセスドールズの真の力を解放しない限り、世界は破滅はめつの道へと進むのでしょう」

と、闇の力による世界の滅亡めつぼうに危機感を示したのであった。

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