第52話 横中の夜景に思いを寄せて…

 ある日のポートフロンティア学園でのこと。

「今日は、満月の夜だよ!」

「月に一度だけ、こことおとぎの世界がつながる日ね」

つぼみたちは、満月についての話をしていた。

「美しい絶景だと思いますよ」

「横中ポートフューチャーとの組み合わせもすごくきれい!」

つぼみたちは、こう期待を寄せた。

 その頃、

「オメガ様は素晴らしい!」

「天才は罪だ!」

おれたちは何があってもくじけない!」

怪盗かいとうトリオは、横中駅前でダークネス団を宣伝するためのチラシ配りを行っていた。

「それもいいけれど、じゅうも作らなきゃいけませんわ!」

「ガッテンだ!」

怪盗トリオは、チラシ配りを中断して魔獣の生成に取りかる。

「大変だ!あやしい予感がする」

魔獣の気配けはいを察知したチララは、学校からの帰り道だったつぼみたちを、ある場所に招集する。

「ここだ!」

「行こう!」

「うん!」

たどり着いたのは、横中駅。そこには、怪盗トリオの姿があった。

「あら、またお会いすることができて光栄こうえいですわ」

「本日の魔獣はこちら!」

「ネオンの魔獣だ!」

怪盗トリオの合図で、電灯でできたネオンの魔獣が現れた。

「さあ、変身よ」

「うん」

つぼみたちはドールプリンセスに変身する。

「プリンセスジュエル、セット!プリンセス・ドレスアップ!」

あいのプリンセス・ラブリーピンク、見参!」

「水と氷のプリンセス・アクアブルー、見参!」

「花のプリンセス・シトラスイエロー、見参!」

「星と月のプリンセス・トウィンクルパープル、見参!」

ほのおのプリンセス・スカーレットエース、見参!」

わたしたち、プリンセスドールズ!プリンセスステージ、レッツスタート!」


プリンセスドールズが現れると、

「外を見ろ!」

とチララが何かに気づいた。

「街の明かりが消えてしまっている!」

「夜景らしくないわ」

そこは、明かりを失ってしまった横中駅前の街並みだった。

 「原因を究明することはできた。さて、今がチャンスだ!」

「さあ、五人の力を、今ここに集うとき」

プリンセスドールズがピュアロイヤルメイクドレッサーの三面鏡さんめんきょうを開けると、

「プリンセスステージ、ライブスタート!」

ピュアロイヤルメイクドレッサーでパワーアップしたプリンセスドールズによる魔獣の浄化がはじまった。

「Dash! Dash! Jumpingしよう!」

「心につばさがある」

「その先は」

「未来」

「Boys & Girls Don’t Think Feel!」

「ウインクだけはなぜか」

「うまくできない」

笑顔えがおのまま 毎日を」

「過ごしてる」

「選挙の日などはなんか」

「出かけたくなる」

「正午まで数えると」

「眠ってしまう」

きしめて」

「悲しくなったときは」

「抱きしめて」

「今は」

「もう大丈夫だよ」

「Yeah! Yeah! Lucky Every Day!」

「無限の可能性」

「みんなみんな」

「同じ」

「ひとりぼっちじゃない」

「Dash! Dash! Jumpingしよう!」

「心に翼がある」

「その先は」

「未来」

「Boys & Girls Don’t Think Feel!」

「好きな人といると」

「とても幸せ」

「もし魔法を使えるなら」

「時間止めたい」

「抱きしめて」

「友達同士だから」

「抱きしめて」

「もしも」

「さみしいなら」

「Yeah! Yeah! Lucky Every Day!」

「無限の可能性」

「空はいつも青く」

「晴れわたるから」

「Dash! Dash! Jumpingしよう!」

「心の翼広げたら」

「指切りの儀式」

「Boys & Girls Don’t Think Feel!」

「Dash! Dash! Jumpingしよう!」

「心に翼がある」

「その先は」

「未来」

「Boys & Girls Don’t Think Feel!」

「Yeah! Yeah! Lucky Every Day!」

「無限の可能性」

「空はいつも青く」

「晴れ渡るから」

「Dash! Dash! Jumpingしよう!」

「心の翼広げたら」

「指切りの儀式」

「Boys & Girls Don’t Think Feel!」

「今こそ、力を一つにするとき!プリンセス・ピュア・エクストリーム!」

プリンセスドールズがピュアロイヤルメイクドレッサーのエネルギーをためていく。すると、プリンセスドールズが、

「アンコールはお断り」

と言って、魔獣は跡形あとかたもなく消えていった。

 「ちゅ、ちゅ、ちゅっぴー!」

と、チララが魔獣のコアから出てきたマジカルジュエルのありかを察知。そこにたどり着くと、

「キャッチ!」

とマジカルジュエルを回収することに成功した。それをラブリーピンクのプリンセスミラーに認識すると、

「フローライト。真っ白なマジカルジュエルだ。色は無色か内部の不純物により黄、緑、青、むらさき、灰色、褐色かっしょくなどを帯びる。加熱すると発光し、また割れてはじける場合がある。この光ってける様がほたるのようだということで、蛍石と名付けられた。また、不純物として土類どるい元素げんそを含むものは、紫外線しがいせん照射しょうしゃすると紫色の蛍光を発する。蛍光する蛍石はイギリスや中国で産出されたものの中からまれに見つかることがある。へきかいが良い鉱物こうぶつであり、正八面体に割れる。のう硫酸りゅうさんに入れて加熱するとフッ化水素が発生する」

 「それではみなさん、また次回じかいかがやく世界でお会いしましょう!プリンセスステージ、ハッピーフィナーレ!」

プリンセスドールズが勝利宣言すると、

「もう、また負けちゃったんじゃないの!」

「今日は勝てると思ったのに!」

「次という次こそは絶対に勝つ!」

怪盗トリオはこうなげいて、マシーンに乗ってどこかに去っていった。


 それから、

「ねえ、見て!」

「きれいな夜景!」

夜になり、横中ポートフューチャーの明かりがともった。すると、

「満月がのぼってきましたよ」

夜空に月が昇り、水面みなもに映えた。そう、この夜は人間界とおとぎの世界がつながる日なのだ。

「おとぎの世界は今、どうなっているのだろう?」

つぼみは、そう思うのであった。

 一方その頃、

「ニューヨークが真っ暗になってしまっている」

「ニューヨークは、ロンドンとともに最高水準の世界都市、きんゆうセンターであり、国際連合の本部所在地でもあり、世界の政治、経済、文化、ファッション、エンターテインメントなどに多大な影響を及ぼしている。アメリカ合衆国北東部の大西洋に面し、巨大なニューヨーク港を持つ。市はブロンクス、ブルックリン、マンハッタン、クイーンズ、スタテンアイランドという行政区に分けられる。アメリカ合衆国の都市の中では公共交通機関が際立って多く利用されており、多くの交通機関が二十四時間運行している。人口密度の高さと、その多様性もいちじるしい。ニューヨークは眠らない街とも呼ばれ、そのほかにも、ビッグ・アップル、ゴッサムといったニックネームがある。市内には世界的に知られた地区やランドマークが数多くある。自由の女神像は、アメリカへ渡ってきた何百万人もの移民を出迎えていた。ロウアー・マンハッタンのウォール街は第二次世界大戦以来金融の国際的中心地であり、ニューヨーク証券取引所が置かれている。エンパイア・ステート・ビルディングやワールドトレードセンターなど超高層ちょうこうそうビルも多く建ち並び、ワールドトレードセンターもその一つであった。国際連合本部ビルもあり、国際政治の中心でもある。ニューヨークではハーレム・ルネサンス、絵画かいが抽象ちゅうしょう表現ひょうげん主義しゅぎ、ポップアートや、ヒップホップ、パンク・ロック、ロフト・ジャズ、サルサ、ディスコ、ティン・パン・アレーなどの音楽ジャンルが生まれた。ブロードウェイ劇場も有名である」

「マンハッタンのタイムズスクエアがその象徴だ」

「タイムズスクエアには建物たてもの外壁がいへきへの広告の設置が多く、世界中の企業が広告や巨大ディスプレイ、ネオンサイン、電光でんこう看板かんばんなどを設置しており、アメリカのみならず世界の繁華街はんかがいの代表的風景ともいえる。世界中からの観光客が集まる場所でもあり、ここの交差点は世界の交差点と言われる。なお、このビルボードの設置は観光振興策として法律で義務付けられている」

晴斗とプラチナは、チララの手を借りながらイノセントワールドに関する資料を集めていた。

「しかも、サンフランシスコまで…」

「サンフランシスコは、ロサンゼルスと共にカリフォルニア州の経済、工業の中心地として知られており、金融センターとしてアメリカ西海岸では随一ずいいちの重要性を持っている。大規模なダウンタウンが形成されており、近代的なビルが建ち並ぶ。シリコンバレーにも近く、コンピューター系の企業きぎょうも多い。気候は地中海性気候に属し、一年を通して気温の差が比較的ひかくてきちいさく、気候的にも住みやすい都市である。急な坂が多く、深いきりおおわれることでも有名である。観光地としての評価も非常に高い都市であり、外国人のみならず、アメリカ人の間でも訪れたい都市の上位にランクされている。有名な観光スポットとしてゴールデン・ゲート・ブリッジやフィッシャーマンズワーフ、ツインピークス等が挙げられる。市内を走る伝統あるケーブルカーも人気が高い」

「どうなっているんだ…」

チララが発見したインターネットに出回っている写真を見て、こう思う晴斗とプラチナ。すると、

「イノセントワールドには、あらゆる輝きを失ってしまう力が持っている。明かりが消えてしまったのも、その仕業しわざだと思う」

チララは、こう感じるのであった。

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