第2話 水と氷のプリンセス・アクアブルー
人間界と
「前回、ドールプリンセスと名乗る少女にやられちゃったんじゃないの!」
「同じ
「どうすればいいのか?」
すると、地下倉庫のモニターに
「作戦は失敗に終わってしまったのか!?
ダークネス団のボスであるドクターが怪盗トリオに説教すると、
「そんなことより、早く
「了解ですわ!ベータ、ガンマ、つべこべ言わずに行きますわよ!」
「ガッテンだ!」
怪盗トリオは気を引き
一方そのころ、つぼみはいつも通りの朝を
「おはよう!」
「おはようございます、つぼみさん。そうそう、この間友人から美術館の
「ありがとう!」
「友達を
つぼみが美術館のペアチケットを手に入れたその時、テレビにつぼみと同年代のモデルが映った。
「続いては、旬のトレンドをいち早くキャッチする、トレンドウォッチです!」
「本日のトレンドウォッチは、
雪海沙奈。
「テレビや
すると、つぼみが、
「あの子、私たちと同世代に大人気のタレントだよ!今度、会ってみたいな!」
と、沙奈に会いたいと感じた。
「では、行ってきます!」
「行ってらっしゃい。気を付けて出かけるんだよ」
つぼみが家を出てしばらくすると、
「あ、沙奈ちゃん!」
公園で沙奈がドラマ撮影を行っているところを見かけた。
「あら、
ドラマの撮影が終わった後、つぼみと沙奈は話をする。
「私、
「私は雪海沙奈。
つぼみと沙奈は出会ってすぐに仲良くなり、
「そういえば、美術館のペアチケットを持っているけど、沙奈も一緒に行く?」
「いいわよ!」
「じゃあ、明日にお気に入りのカフェで待ってるね!」
「ええ!」
こうして、つぼみは沙奈とともに美術館に行くことになった。
その翌日、約束のカフェで、
「つぼみちゃん、
沙奈がつぼみを待っていると。
「ごめん、
「でも、いいわよ。せっかくここに来たのだから、行きましょう!」
つぼみと沙奈は、美術館へと向かう。
そこでは、世界中の芸術家たちの作品を集めた展覧会が
「ゴッホのひまわりやミレーの落ち
「これはとっても素敵ね!」
つぼみと沙奈は作品に感心している。
その頃、警備員に
「あら、なんてアーティスティックな作品がそろっているのですと」
「おっ、いい作品だぞ!」
「これはよい
怪盗トリオは、中心にある巨大な像を発見し、魔獣の生成に取り掛かる。
しばらくたった後、美術館に、
「ゴゴゴゴゴゴゴ…」
という地割れのような音が響いた。
「ジリリリリリリ…」
「非常ベルが鳴りました。お客様は速やかに安全な場所に
「
「とりあえず
その音が地震と感じた見物客たちは、美術館の外へと避難する。
「これはもしかして…」
「
つぼみと沙奈が怪しい予感を感じた矢先、背後から魔獣と怪盗トリオが現れた。
「あら、ついに例の小娘ちゃんを見つけましたわ」
「さあ、本日の魔獣はこちら!」
「ゴーレムが動き出したぞ!」
怪盗トリオの合図で、ゴーレムをかたどった
「つぼみちゃん、ここは協力しましょう!」
「沙奈もドールプリンセスなの!?」
「そうよ。でも今は、そういう時間はないわ。さあ、変身よ」
「うん!」
この状況を重く見たつぼみと沙奈は、プリンセスミラーでドールプリンセスに変身する。
「プリンセスジュエル、セット!プリンセス・ドレスアップ!」
「愛のプリンセス・ラブリーピンク、見参!」
「水と氷のプリンセス・アクアブルー、見参!」
「プリンセスステージ、レッツスタート!」
ラブリーピンクが、何段のフリルで重なっているスカートにビスチェ風の青いドレスに長い黒髪を結んだポニーテールを青い
「ドールプリンセスが」
「また来やがって」
「何よ、まさかの展開が出てくるなんて!」
しかし、怪盗トリオは燃えている。
「でも、私たちも行きますわよ!」
「今日は負けられない!」
「連敗だけは
魔獣が
「いいか?一人ではできないことでも、二人の力を合わせるとできるという言葉を知っているのか?そこで、二人で協力して魔獣をやっつけてほしい」
「私たちは、何をしたらいいの?」
「左右に分かれて
「私が右半分を攻撃するから、ラブリーピンクは左半分をお願いね」
「わかった!」
ラブリーピンクとアクアブルーが作戦会議を行った後、曲が流れてきた。
「よし、行くわよ!」
「二人のハーモニー!」
「プリンセスステージ、ライブスタート!」
「暗くて深い
「一人さびしく たたずんでいた」
「だけどもう
「それは迷いを 断ち切ったしるし」
「春風に向かって 旅立っていく」
「さあ 夢の
「輝く未来に向かって 放つよ私だけのメロディ」
「愛を守るため みんなを守るために」
「きらめく世界に奏でる 私とあなたのハーモニー」
「あなたのそばにいる それがプリンセスなんだから」
ラブリーピンクが魔獣の左半分を攻撃すると、魔獣の左手と左足は動かなくなった。
「次は、アクアブルーの番だよ」
「ええ」
アクアブルーに、出番が回ってきた。
「
「氷で
「心はいつだって 一つだから」
「それは つながっているしるし」
「
「さあ 一歩前へと
「輝く今へと響く みんながつなぐメロディ」
「世界を守るため 宇宙を守るために」
「きらめく夢を目指して 一つになったハーモニー」
「みんなのためにいる それがプリンセスなんだから」
すると、魔獣の右手や右足も動かなくなった。
「さあ、ユニゾンしましょう」
「うん」
仕上げは二人で攻撃する。
「人はみんなときめいている」
「だから ずっと
「心の輝きを信じて」
「輝く未来に向かって 放つよ私だけのメロディ」
「愛を守るため みんなを守るために」
「きらめく世界に奏でる 私とあなたのハーモニー」
「あなたのそばにいる」
「みんなのためにいる」
「それがプリンセスなんだから」
「
アクアブルーがプリンセスバトンロッドで青いダイヤを
「乙女の愛!ピュア・スイート・ハート!」
ラブリーピンクもこれに続いた。すると、魔獣は
「ちゅ、ちゅ、ちゅっぴー!」
と、チララが魔獣のコアから出てきたマジカルジュエルのありかを察知。そこにたどり着くと、
「キャッチ!」
とマジカルジュエルを回収することに成功した。それをアクアブルーのプリンセスミラーに認識すると、
「サファイア。鮮やかなブルーに輝くマジカルジュエル。言葉の由来は「青色」を意味するラテン語の「sapphirus」、ギリシャ語の「sappheiros」である。コランダムの中で宝石としての価値があり、赤色ではないものをいう。不純物の違いで
「それではみなさん、また次回輝く世界でお会いしましょう!プリンセスステージ、ハッピーフィナーレ!」
ラブリーピンクとアクアブルーが勝利宣言すると、
「もう、また負けちゃったんじゃないの!」
「今日は勝てると思ったのに!」
「次という次こそは絶対に勝つ!」
怪盗トリオはこう
その後、
「お待たせしました。ガトーショコラとアイスレモンティーのセットと、ストロベリーショートケーキとオレンジジュースのセットでございます。ご注文は以上でよろしいでしょうか?」
「はい!」
「では、ごゆっくりどうぞ」
「いただきます!」
つぼみと沙奈は、家族とともによく訪れるというカフェにいた。そう、朝の待ち合わせ場所とは、この場所のことだ。
「そういえば、沙奈はどうしてアクアブルーになったの?」
「東京から引っ
「えっ!それで、家族はどうしているの?」
「大学に通っているお兄ちゃんの家に住むことになったわ。医療従事者の両親を東京に残してね」
「そんなことがあったんだね」
沙奈が
さらに、沙奈が身に着けている青いダイヤの形をしたペンダントのプリンセスジュエル・ブルーから
「初めまして。私はプリンセスジュエル・ブルーの妖精、ブルルよ。よろしくね」
「よろしく、ブルル」
つぼみがブルルに
「ようやく会えたね、ピルル」
「ピルル、この時をずっと待っていたわ」
「沙奈とブルルもよろしくね!」
「これで仲間が増えた!」
つぼみと沙奈、ラブリーピンクとアクアブルーの二人のドールプリンセスが仲間になったことをチララは
「そうそう。私はポートフロンティア学園の中等部に
「つぼみちゃんと同じ学校よ!しかも、
「よかったね!」
そんなつぼみと沙奈のやり取りを、一人の少年が見ていた。
「つぼみとまた同じ学校に通えるとは、本当に
少年はつぼみを心待ちにしている様子。
「待っていて、つぼみ。必ず同じクラスで会えることを」
どうやら、少年はつぼみのことを熟知しているようだ。
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