1章 第7話 魔力測定試験前夜

あたりも暗くなり、僕たち3人は今日泊まる宿を求めて歩いていた。


『どの宿に泊まろうか? 』

と僕が2人に尋ねると


『 俺は、飯が食えりゃどこでもいいぞ?』


『 そうだね、私もどの宿でも構わないかな。』


『 そう?それじゃあどこにしようかな。』

うーん。僕も泊まるとろはどこでいいから2人に決めてもらおうと思ったんだけどなぁ...


どの宿にしようか悩んでいると、噴水の近くにあるベンチで何か困ったような表情を浮かべる少女がいた。


『君どうかしたの? 』

と声をかけると。その少女は、少し怯えた様子で

『え、あ、そ、その 』と言葉を詰まらせていると、リンシアが僕の前にすっと現れ少女と同じ目線の高さまでしゃがみ込んだ。


『 そんなに固くならなくても大丈夫だよ?私はリンシア、君が何か困ってそうだから声をかけたんだけど、もし何か困った事があるなら教えてくれると嬉しいかな?私たちに出来ることなら手伝おうじゃないか!』


リンシアの優しい笑みからの問いかけのおかげか先程までは表情を曇らせていた少女は少し喜色がうかがえる表情になった。


『 そうだよ。僕たちは君になにかしようってわけじゃなかったんだ。怖がらせるようなことしちゃってごめんね?』

僕が少女に誤りを入れると


『 い、いえ、いきなり話しかけられてビックリしてしまっただけなので!こちらこそお気分を悪くされてましまったらごめんなさい!』


良かった。変な人だと思われていなくて。


『 いやいや、こっちが勝手にしてしまったことだから君が謝る必要は無いよ!だから顔を上げて?ね?』


その少女は『ありがとうございます。 』と言い顔を上げた。


『 話を戻すけど、何かあったのかい?』

そう僕がもう一度聞くと


『 じ、実はお母さんにお使いを頼まれて市場に来たのですが、そこの段差に引っかかって転けてしまったんですがその時に足を捻ってしまったみたいで...』


『 それで、歩けなくなってしまってベンチに座ってたってことか。』


『そういうことになりますね... 』


『 なら、俺が家まで背負って言ってやろうか?俺に背負われるのは嫌かもしれないがここにずっといるよりはいいだろ?』

ロイがそう提案する。


『 ロイもこう言っているしどうだろう?あと、今更なんだけど僕の名前はピピ君の名前を聞いていいかな?』


『 ミミって言います!ご迷惑でなければ送って行ってもらってもいいですか?』


『おう!いいぜ!さっ乗りな? 』

ロイが背中を差し出すと


『 す、すいません。それでは失礼します!』

そういうとロイの背中に乗り移った。


『よし!それじゃあ家がどこか教えてくれ!』


『分かりました! とりあえずこの通りを真っ直ぐ進んで行ってもらっていいですか?』


『 おう!わかったぜ!それじゃあ行くか!』


『 そうだね、ミミちゃんのお母さんも心配するだろうし早く行こうか。』


僕たち3人はミミちゃんの道を教えてくもらいながら家まで向かった。


ミミちゃんは角を曲がったところで大きな看板の家に指を指す。

『 あ、ロイさんあそこが私のお家です!』


『 お、あの家か!』


そこには【宿屋スノリア】書かれた大きな看板の家があった。


『ミミの家って宿屋だったんだな!』


『 はい!そうなんですよ!皆さんほんとにここまで連れてきてもらってありがとうございます!』


『全然構わねぇよ!それと、ミミの家が宿屋ということで1つ頼みがあるんだが、俺たち今日まだ泊まるところが見つかってねぇんだがもしよかったら泊めさせても貰うことってできるか? 』


『 うん、僕もミミちゃんが良ければ止めて欲しいかな!』


『 そうだね、私もみんなの意見に賛成だよお願いできるかな?』


するとミミちゃんは

『 えぇ!そうなんですか!そういうことなら是非泊まっていってください!なんなら

お母さんとお父さんに頼んで宿泊料タダにしてもらえるか聞いてみますね!』


『 い、いやミミちゃん泊めさせて欲しいだけでそこまでしてくれなくていいんだよ?』


『いえいえ!これはここまで運んでくださったお礼なので!というよりそうさせてもらえないとこっちのきがすみませんので! 』


『ならお言葉に甘えてそうさせて貰おうかな?』


『ミミありがとな!』


『ミミさんありがとう!』


『はい!それではお母さんとお父さんに話つけますね! 』


この後、『娘をここまで運んできてくれてありがとう!もちろん娘が言っているように今日の宿泊料はタダにさせてもらうよ!』


ミミのご両親にも無事許可が取れたため【宿屋スノリア】に泊まることになった。


その後夕食はミミちゃんとも一緒に4人で食べ、僕たち3人は同じ部屋で寝ることになった。


『ついに明日だなピピ、リンシア。 』


『 そうだね。ロイ。リンシア2人とも緊張してる?』


『緊張してねぇって言うのは嘘になるがワクワクの方が勝ってるって感じだな! 』

なんともロイらしい答えだなぁ。


『 私も少し緊張しているね。でも、適度な緊張はあった方がいいと聞くからこれはこれでいいのかもね。そういうピピ君くんはどうなんだい?』


『うーん。僕はそこまで緊張してないかなぁ。明日になれば僕に魔法の才能があるのかないのか分かるわけだし、今更緊張もクソもないし、自分の力を信じて明日は頑張るよ。』


『何事にもマイペース、それでこそピピって感じだな!』


『ロイそれって褒めてるのか?』


『褒めてる褒めてる!』


『ホントかよ?まぁいいや、眠くなってきたし明日に備えて今日はもう寝ようか。』


『そうだな!じゃあおやすみピピ!リンシア!』


『うん、おやすみピピ君ロイス君。』


『おやすみ、ロイ、リンシア。』

最後に僕がおやすみと声をかけ部屋の電気を消す。

そして、僕は明日の試験に3人とも合格しないかなぁ。という思いを抱きながら眠りにつくのであった。






【あとがき】

すいません。。また更新が遅れましたm(._.)m

やっぱり小説を書くのって難しいですね。。書いたり消したりで全然筆か前に進まなくて少し辛いです笑


そんなことは置いておいて、次回からやっと魔力測定試験編です。ここから今までよりも面白くなると思うので是非見てください!

では、また!












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