1章 第5話 帝都までへの道中3
僕たちの馬車でフォリアまで向かうことになった僕とロイそしてリンシアはお互いのことを話しながら馬車での旅を楽しんでいた。
『 まじかよ!エルフの平均寿命って150歳ってすごいな!』
確かに僕たち人間の平均寿命は60歳くらいだしそう考えるとエルフの生命力はすごいな。
『 でも、その代わりと言ってはなんだけど、私たちエルフ自体の数はものすごく少ないんだよ。人が10万人に対してエルフは1人とも言われているしね。ふふっ』
繁殖能力が低い分寿命が長いエルフと繁殖能力が高い分寿命が短い人間。
『 となると、この世は上手くできてるよね。』
『そうだね、私たちエルフは人よりも魔力が多いと言われているし、もしエルフが人よりも多くいたらこの帝国もしくは世界中がエルフによって支配されてしまうかもしれないしね。』
すると隣であごを手の上に乗せて考えるうなポーズを取っていたロイが口を開いた。
『 でもよぉ、リオネル帝国を含め世界の各地の帝国のほとんどが俺たち人間がほぼ支配してると言っても過言ではないと思うんだが、エルフの中に俺たち人間を悪く思ってる奴もいるんじゃねーか?』
ロイの疑問はとても的を得ているように思える。僕もうんうんと頷くと。
『 確かに、ロイス君が言うように人間の事が嫌いとは行かないまでもよく思っていないエルフがいないと言ったら嘘になるね。でも僕の聞いた限りでは極少数派だという話だよ。』
『 でも、その極少数派のエルフたちが叛逆を起こす可能性がない訳でもないしょ?』
思った事を僕が口にすると
『 その可能性もほぼ0と言い切っても大丈夫だともうよ。他の帝国のことはよく分からないけれどリオネル帝国ではそう言いきれるかな』
『 なんでそんなこと言いきれるんだい(だ)??』
僕とロイが口を揃えて聞き返すと
『各帝国には元老院といって帝国の政治、簡単に言えばルールを決める偉い人がいる場所のことを言うんだけど、その元老院の現元老長がエルフなんだよ。そして帝国の国王と元老長との間で和平を結んでいるんだよ。』
『 なるほどね、ちなみに和平ってどんな内容なの?』
『ものすごくシンプルなものだよ。人間はエルフを人間と同じ扱いをすること、またその逆も然りってだけの単純なものだね。 』
ものすごく分かりやすく簡単なものすぎて少し力が入っていた身体からすっと力が抜けた。ロイも同様だったらしくかなり強面の顔から強面の顔に戻っていた。
しかし、ここでもうひとつ僕の頭に不安が過ぎった。
『 今現状では人間とエルフがとても仲がいいことは分かったんだけど、国王と元老長が変わったら和平がなくなってしまう。そういう可能性も考えられないかな?』
すると今度は、リンシアがあごを手の上に乗せて考え始めた。
美少年がこのポーズを取るととても絵になるなぁとどうでもいいことを考えていると
『多分ないだろうね。 』
そう答えた。何か確信があるのだろうか?そんなことを思った僕は再度聞き返す。
『どうしてそう思うの? 』
『 もし仮にエルフが叛逆して人間とエルフの間で戦争を起こったとしよう。恐らく圧倒的な人数の差で私たちエルフが負けることはほぼ確定だとは思うけど、人間側にも尋常ではない被害が出ることは目に見えているからね。だから和平が無くなるという可能性は私の中ではありえないかな。あくまでも、一個人としての考えだけどね。』
『 良かった!良かった!俺ぜってぇリンシアと戦いたくねぇもん。』
『それには僕も同意見だよ。せっかくリンシア仲良くなれたんだ。エルフとは絶対争いたくないね。 』
それぞれ口にするとリンシアは笑みを浮かべ
『 そうだね。私も争いごとは好きではないし2人のことを傷つけたくはないからね。リオネル帝国には和平があってほんとによかったよ!』
僕は、リンシアが『 リオネル帝国には』という言葉に何か引っ掛かりを感じたが今は聞かないことにした。
それからはまたお互いの話をしていた。リンシアには一つ下のエレンという女の子とレオネルという双子の兄妹がいたりだとかそんな話をしていると前方にこれでもかと言うほど大きな建物がいくつもあった。
そう!ついに着いた!帝都フォリアである!
するとすぐさまロイが
『すげーでっけぇなぁ!村の建物とはスケールがちげぇ!ピピも流石に驚いてるだろ! 』
『これは、すごいな!僕もこれには流石に興奮してきたよ! 』
僕とロイが興奮冷めやらぬ状態で会話をしていると、僕とロイの間に座っていたリンシアを見ると今までの態度とは明らかに違うものであった。とてもキラキラした目輝かせながら建物を見ており、僕がじっと見ていることに気づくと恥ずかしそうに少し赤く頬を染めながら
『 私だってはじめてフォリアに来たんだ!目の前の建物を見て興奮して何が悪い!』
と恥ずかしそうに言うと、僕はくっ、こいつ可愛いな!ほんとに男か?と思いつつ僕は
『ふふっ ごめん、ごめんリンシアそんな表情したの初めて見たからついからかいたくなっただけだよ。』
そう僕が答えると
『 全く、もう。』とまだ恥ずかしかったのかまだ少しだけ頬には赤みがさしていた。
そして、その雰囲気を破るかのようにロイが
『 あー楽しみだなぁ、早くフォリアの中に入りたいぜ!』
『 そうだね。でも、他の試験生も門の前で手続きをしているからもう少し後になりそうだよ、ロイ。』
そして、自分たちの手続きの順番まで待つ間ずっとそわそわしているロイを僕とリンシアが暖かい目で見ているのであった。
【あとがき】
やっと帝都まで辿り着きましたね。今のところ魔法要素がほぼ皆無に近い状態なので早くかければいいんですけどね!しかし、悲しいことに魔力測定試験までもう少しかかりそうですが、頑張って書くのでよろしくお願いしますm(._.)m
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