1章 第4話 帝都までへの道中2

馬車に揺られての移動生活が1日を過ぎたお昼頃、馬車は森の中に入り湖の周りを進んでいた。しかし、僕もロイもだんだんこの馬車の移動生活に飽きが来ていた。帰りも馬車に乗ることを考えると今にも億劫なる…



『やべー1日身体動かしてないだけで身体が鈍ってる気がしてきたぜ。。』



『そうだね。僕たちいつも身体を動かしていたし、ずっとじっとしてるのは少し退屈だね。 』


ほぼ毎日仕事で身体を動かしていたしたまの休みの日もロイと一緒に村の外れの洞窟に探検しに行ったりと今思い返してみれば、1日中じっとしていたのは、僕が覚えている限りでは初めてかもしれない。となるとロイの言う身体が鈍ってるという感覚もあながち間違ってないのではないだろうか。

そんなことを考えながら曲がっていた背中を背伸びしながら伸ばしながらふと外に目をやると、湖のほとりにある木の下に人がいるように見えた。



『ねぇ、ロイあそこに人がみえない?』

とロイに確認してみると僕より目がいいロイが目を凝らすと


『 あ、ほんとだ、人がいるじゃねーか。なぁピピ昼食、身体を動かすついでに話しかけてみねーか?』


僕はもしかして、迷惑ではないかと少し考えていると


『ピピそんなこといちいち考えてねーで早く行こうぜ!な! 』


考えていた事を見透かされうっ、少し言葉が詰まらせる


『ピピの考えてることなんてだいたいお見通しなんだよ! 』


『 わかったよロイ…。なら少し声をかけて見ようか。』

と僕は流石、親友だなぁとおもいつつも全く仕方のない奴だなぁという顔になる。


『 がははっ!そうこなくっちゃな!』と豪快にロイは笑った。


その後、馬車の運転手さんに馬車を止めてもらいここで昼食を取りたいとことを伝えると馬車の進行の妨げになるため躊躇われるかと思ったのだか快く了承してくれた。僕とロイは2人は揃って『 ありがとうございます!』と感謝の言葉を残して湖のほとり木の下に向かうのであった。







僕とロイが足並みを揃えて先程人が見えた木の下に向かっていくとそこには、木に幹に背中を預けながら本を読む太陽のように綺麗な金色の髪に中世的な顔立ちをし耳の特徴的な少年とも少女とも取れる美少年・美少女がそこにいた。

ここまでの美少年・美少女を見たことがなかった僕とロイは2人して固まってしまった。


すると、それに気が付いた少年少女は、穏やかな笑顔を浮かべながら


『私の顔になにかついているかな? 』とその少年少女は笑った。


その少年少女の問いかけに我を取り戻したロイは

『がははっ、すまねぇ!あまりに綺麗な顔だったもんでつい固まった! 』


と素直に述べると僕もその流れに乗り


『 そうだね。僕も不覚にも見とれてしまったよ。』


『 ふふっ、期待に答えられなくてごめんね私は男なのさ。』


一人称が私だったもんで女の子かな?と思ったがその少年少女は美少年であった。

相手が女の子じゃないと分かれば、緊張せずに話せそうだ。


『 あ、そうなんだね。もし不快な気持ちにさせてしまったのなら申し訳ない。ちなみに僕の名前はピピ・ロズウェルでしゅ。』


ダメだった普通に緊張して噛んだ。ちなみにロイも『ロイちゅ・チェンバレンでしゅ 。』と僕よりも噛み噛みだった。


それもそうだろう村には歳の近い女の子はおらず、歳の近い女の子言えばシーちゃんぐらいだし他の子は5歳や6歳くらいの元気な子供たちしかいない。(僕らもまだ子供なんだけどね。)なので僕らは、中世的な顔立ちをしたその少年とも少女とも取れる美少年に緊張してしまったのである。。


『 あははっ、そんな緊張しないでおくれよピピ君それとロイス君。私の名前はリンシア。私に何か用があるのかな?』


となにやら嬉しそうな顔で僕たちを見ていた。


『 いや、馬車に乗っていてふと外を見たらちょうどリンシアがいるのを見つけて僕とロイで声掛けてみようってなったんだよ。迷惑じゃなかったかな?』


そう言うと


『いやいや、そんなことはないよ。私も1人で 1人で暇をしていたからちょうど話し相手が欲しかったところさ。』


『そうか。それなら僕たち今からお昼ご飯を食べようかなと思ってるんだけどリンシアも一緒にどうかな?』


うんうんと隣でロイも頷く。ロイはまだ少し緊張してるみたいだね。


『 それはいい考えだね。私もご一緒しようかな。』


僕たち3人は木の下で一緒にご飯を食べることになり僕とロイは、マルタさんが用意してくれたパンをカバンの中から取りだし。リンシアはリンゴをひとつカバンの中から取り出していた。するとやっと緊張の解けてきたロイが


『おいおい、リンシアまさかリンゴ一つだけか?男ならもっと食べた方がいいんじゃねーか? 』


『 私はそもそも、少食だし普段からあんまり食べないんだよ。』


『ダメだぜ、リンシアしっかり食べとかねーといざという時に力が出せねーからな! ほら、俺パン少し分けてやるよ!』

そう言いロイは自分のパンをひとつリンシアに渡した。すると、リンシアはカバンの中からふたつ目のリンゴを取りだし


『それじゃあ、これはお礼だよ。 』

そう言うと、リンシアは指を鳴らした。するとリンゴが綺麗に真っ二つになったのである。そのリンゴを僕とロイにひとつずつ手渡す。


『 お、おいリンシア今のなんだ?もしかして今魔法でも使ったのか??』

僕もロイと同じ感想を抱いて頷くと


リンシアは得意げに笑うと

『 そうだよ。私たちエルフ属は風の魔法が得意なんだよ。もしかして、魔法を見るのは初めてかい?』


『あぁ、はじめてみたぜ! 』

『 僕も初めて見たよ。』

と僕とロイは口を揃えていった。


すると、リンシアは手を銃の形にすると

『ウインドアロー 』そう唱えると銃の形にした指先に圧縮された空気が集まり解き放たれる。その圧縮された空気の弾は湖に顔を出していた岩をバラバラに砕いていた。


『す、すごいな。 』僕は目を丸くし


ロイに至ってめちゃくちゃ興奮していた。

『 すげーなリンシア!今の魔法エルフ属の奴らはみんな使えるのか?』

そう聞くと


『 いや、誰でも使えるというわけではないよ。エルフの中でも高い魔力を持ったエルフだけにしか基本的には使うことが出来ないかな。』


『 まじか、リンシアはすげーんだな!俺も2日後の試験で魔法の適正ねぇーかなぁ!』

そうロイが言うと


『もしかして、ピピ君とロイス君2日後にあるフォリアで行われる魔力測定試験を受ける試験生かい? 』


『そうだよ。僕とロイは魔力測定試験を受けるためにタケフサ村から来たんだよ。 』

ロイもうんうんと頷く。


『 そうなんだね。私もエレノール村から魔力測定試験を受けに行く君たちと同じ試験生だよ。』


僕は同じ歳の子と仲良く慣れて嬉しい反面、同じ歳で既に魔法が使える子が試験を受けるという現実に少しを劣等感を抱いていた。そんなことを思っていると


『なぁ、リンシア。もしかして試験を受ける奴らって既に魔法使えたりする? 』

と僕が知りたくない情報をロイがリンシアに聞いていた。


『うーん。2人にこのことを伝えるのは心苦しいけれど、魔力測定試験を受ける試験生は魔法が使える子がほとんどらしいよ。まぁでもほとんどの子は魔力が少なくて落ちちゃうらしいけどね。 』

とリンシアは肩を竦めながらいう。


流石のロイもリンシアの言葉聞いて少し落ち込んでいた。

『 でもよ!今まで魔法が使えなくてもよ、試験中にとてつもない魔力を叩き出して合格する可能性だって無いわけじゃないよな?』


『 うん。確かに今まで魔法を使ったことがない人は使い方が分からなかっただけで、試験の場では試験監の人が魔法の使い方を教えてくれるからその場で魔法適正を示す事が出来れば合格することができるかもね。現に帝国一のクリスティアーノ魔術学院の現学院長であるセティエン・ホーエンハイム先生はこの試験を受けるまで魔法を使ったこともなければ魔法の存在すら知らなかったという伝説すらある。』


この話を聞いた僕はこの学院長の伝説がなんだか本当に思え少しだけ、もしかしたら僕にもすごい魔力があるんじゃないかなと少しだけ期待を胸に躍らせた。


『 まじか、じゃあ俺たちにも少なからずその可能性はあると思ってもいいんだよな!』


『 その可能性は0ではないし、ピピ君とロイス君と仲良くなれたんだ僕もその可能性が0ではないことを心から願っているよ!』


『 リンシア!お前すげー良い奴だな!』

『そうだね。リンシアに話を聞いてると僕もなんだか試験に対するやる気がでてきたよ! 』


その後、一緒にお昼ご飯を食べ、楽しくしゃべっているとお昼ご飯いつの間になくなっていた。やはり、楽しい時間というのはあっという間にすぎるもんだね。そんなことを思っているとふといいことを思いついた。


『ねぇ、リンシアもし良かったらフォリアまで僕たちの馬車で一緒に行かないかい? 』


そう提案してみるとリンシアは初めて友達に遊びに誘って貰えたような笑顔で


『 え、いいのかい?もし良ければ私もピピ君とロイズ君と一緒にフォリアまで行きたいな!』


『全然いいよ、僕もリンシアともっと話しをしたいしね!ロイもいいだろ? 』


『 あたりまえじゃねーか!リンシアお前はもう俺たちの親友だよ。だから一緒に行こーぜ!』

それを聞いたリンシアはとても嬉しそうに『 じゃあ私は運転手さんにピピ君とロイス君と一緒に行くって伝えてくるね!』そう言うとリンシアはものすごい速さで自分の馬車に戻るのであった。


その後、自分の馬車に内容の旨をつたえこちらにやってきたリンシアと共に3人で馬車での旅が再び始まるのであった。





【あとがき⠀】

まず、初めに更新する時間が遅くなってしまいすいませんm(._.)m

その分今までで1番量書きました!


さて、今回は新キャラ、リンシアを出しました!おっ!やっと女の子か!と思ったでしょまさかの男キャラでした僕も男の子にするか女の子にするかめちゃくちゃ悩みましたが今出しちゃうとヒロインになっちゃいそうだっので出しませんでした。ヒロインも近いうち出す予定なのでもう暫くお待ちください!(ヒロインはもう頭の中でも構成されてます。)


ては、また明日の更新でお会いしましょう!

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る