第7話 給料日

「今日は先月分のお給料日です。みなさん、お疲れ様でした!」


「お疲れ様でしたー」


 わちゃ先月は働いとらんず、関係ねえな。


「成績発表しまーす。トップは、先月もアヤちゃん!」


「おおー」


 拍手が起きち。


 ええ?!


 3時間しかおらんずに、トップなんけ?!


 すごすぎるでよー、アヤちゃん!!


「アヤちゃんは、指名も売上もダントツでした! ほんと、すごい! 頑張ってくれてます。今月もこの調子で頑張ってね!」


「はい」


 アヤちゃんが照れちよ。


 かわええの。


「次が、今いないけど、ユキノちゃんね」


 今いないっつーこんずら、土曜日だけの乳の人ざんな。


「次がカンナちゃん! カンナちゃんは指名はいいんだけど、売上が弱い。お客さんが頼むのを待つんじゃなくて、カンナちゃんがもっと自分からおねだりして、注文取って」


「はい」


 カンナちゃんは、ちょっとしょんぼりさ。


 しゃあねえの……厳しい世界ず。


「指名はいい感じだから、この調子で頑張ってね!」


「はい」


 カンナちゃんにちいと、笑顔が戻ってえ。


 よかよか。


「で、サヤカちゃん、ユウちゃんで」


「で? サヤカちゃん?」


 誰や。


「ああ、辞めた子。ユイちゃんは2人とも会ってないか」


「会っつらんの」


 先月だけじ2人も辞めとるんけ。


 ええ店やと思うがぞお、わちゃあ。


「で、リンちゃん、マイカちゃんね。2人とも順調に指名増えてるし、この調子で頑張ってね!」


「はい」


 2人が答えよる。


 ふうん、こん2人も新人さんやっつんざ。


「今は人が少なくて大変なこともあると思うけど、今月はいい人が来れば3人は採るつもりだから」


 いくら狭あて小こい店やゆーちも、フルで入れるのがママのエミリさんとカンナちゃんと新人のわちゃだけじゃのう……。


 リンちゃんはバイト掛け持ちしちょるげ、週3ち言いようたし、アヤちゃんとマイカちゃんは大学生ざ。


「エミリさん、そういや、こないだのメガネの人は?」


 メガネ?


「あーあの人は、不採用ね。ラストまで入れる人が今は欲しいし」


「じゃあ、大学生の人は? めっちゃかわいかった人」


 あー来とったの、めためたかわええ女の子。


「あの人、オープンには間に合わないかもしれないけど、ラストまで入れるって言ってましたよね」


「あーあの人も不採用ね。かわいかったんだけどね」


「不採用?! アイドルレベルでかわいかったのに?!」


 ……いい人が来ても採用せんじゃねえが。


「かわいければいいってものでもないの。この子だ! って思わせる何かが大事なのよ」


「ええ〜〜……」


 新人3人の頭を、エミリさんはポンポンポンづやって、


「あなた達も、私の目から見て光るものがあったから採用したのよ。頑張ってね」


 ち、笑うた。


 わちゃら3人、なんや気恥しいなっち、笑うた。


「じゃ、解散! 帰る時にお給料もらうの、忘れないでね!」

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