仲介会社
「ここ…」
この場所は死んでも忘れはしない。すべてはここから始めたんだ。ここから離れた日からもうそろそろ三年前くらいのことだった。
目の前は受付カウンターがいた。そこで制服に着るきれいな女性は二人が微笑んで上半身をかがめてお辞儀をした。前と違ったのは今回はそこにいるの受付係の人はただ自分の位置で仕事をしているだけ。それで、珂玲を気づいた一人の女性は彼女と声をかけた。
「いらっしゃいませ。本日はどのようなご用件でしょうか」
用件と言われても自分はどうしてここに戻ってきてもわからない珂玲はただぼんやりしていた。
戸惑っている珂玲を見た女性は先にこの静かな空間を破った。
「失礼ですが、どなたとお約束をいただいておりますでしょうか」
「たぶんない…と思う…」 まだ頭が真っ白になっている珂玲はその答えを答えるしかいない。珂玲の返事を聞いた女性も少し首を傾けて、目を瞠って、しばらくの間に反応できなかった。隣に一緒に立っている女性も驚いた顔で、二人はお互いに目が合って、とても困惑している顔を浮かべた。それでもう一人の女性は慌てて次のことを聞いた。
「それで…は、よろしければお名前を教えていただきますか?」ようやく笑顔が戻った女性はこのような質問を通して、過去の記録を探すしかいない。
本来ならば担当の人を呼ぶべきだったが、自分はどうしてここに来るのも知らない珂玲ははっきり答えるわけがないと判断した。
「珂玲!綾瀬珂玲!」
(誰?呼び捨てるなんて!)
と、自分が自分の名前を言うつもりとその時、カウンターの左側の角を曲がって歩き出した。出てきたのは渋い青色のスーツをしていて、四角のメガネをかけた中年男性だった。
「あんたは…確か……あぁ、あの時のすれ違った……」
「お久しぶりだ、珂玲。もうそろそろ三年ぶりか…まぁ、こっちにとってはつい先のことだったか…まぁ、いい。こっちに来て!」
「はぁ……あ!待って!」
まるで一秒でも惜しがるほどに、話しがまだ途中だったのに、男性はもう振り返らずに先の道にまっすぐに進んだ。
「だから、待ってってば!私……今そんな暇がない…」
男性は後ろにいた珂玲に無視しながら、ひたすら歩くだけ。ただ、このスピードでは、珂玲は小走りで走らないと追いつけない速さだった。
(このおっさん…いったいなに者だ?それより、早く戻らないと!)
******************
「中に入れ」
(部長と書いてんるだけど…ここって本当に会社なんだ…変な会社だけど……)
連れされたのは「部長室」という表札をかけた部屋の前だった。ドアを開いて、中の様子はまだはっきり見えていない、何か暖かいものがふところに飛び込んでいて、珂玲の体を締めた。
「レイちゃん~~ごめんなさい~~ホントウに、お疲れ様~~」
なぜか自分のことを見たら突然に泣いたり抱きしめられたり、そんなことより、さきからこの馴れ馴れしい呼び方のほうがよほど気になる。改めて見ると、飛び込んだのは長いパーマをしている金髪の女の子だった。
「レイちゃんって?えっと…あの……」まだ続きが言っていないのに、向こうはさらに泣き立てた。
「ひどい~よ~レイちゃん、もうあたしのこと忘れたの~」
(そう言われても…)
「ユヌ!お前、いい加減にしろ!珂玲はまだお前のこと一回しか会っていないから!」
男性は多少怒ったようでユヌという呼ばれた女の子を責めた。
(なんかここの人は、けっこう馴れ馴れしいだけど……ん…待ってよ、ユヌ?なんかどこかで…あれ?一回しか会っていないって……)
「ユヌ…ちゃん?」
「そうだよ~やっと覚えたね!嬉しい~~」
珂玲に思い出させたため、ユヌという女の子はさらにテンションが上がって、その小柄では思わない力で珂玲を抱きしめた。
「あの…ユヌちゃん」
「はい?」
「そろそろ離してても…いいかな……ちょっと、苦しいので」
「ああ、ごめんね!いろいろ、本当にごめんなさい!」
ユヌは珂玲を話して、なぜか先に見せた本人のイメージと違う行動で、深い礼をする。
「あの…いったいどういうことですか…その…」
「……」
そう聞かれたユヌは深刻な表情が表れて、視線はゆっくりと珂玲の後ろにいた男性に向かった。
男性はドアを閉めて、黙るまま奥の席で座りながら、真面目な顔で珂玲を見つめるままに言う。
「まぁ、聞きたいことは多いだろうが、その前に、ある人物はお前に紹介させよう!入れ!」
(紹介?ていうか、この偉そうな人はいったい何者なの?)
ドンドンー
スキル無双だけじゃ勇者になれない、と言いたいところですが、もう勇者なんてやりたくないですけど。 雨ノ宮雪柔 @YUNARI-9
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