第0.5章 始まりに近いの終り 中編
「そういえや、俺たちもうどれくらい歩いたっけ?っていうかさ、この道ってホントウに合ってのかよ」
一番後ろで歩いてついているアンブロワーズは欠伸しながら不満そうで言い始めた。
「アンブロワーズ!あなた、さっきのこともう忘れたのか」
グレーズは止まって、できる限り全力で怒りを抑えながら振り返って、アンブロワーズのことを睨んでいる。
「なんか今日のアンブロワーズさんはやけにイライラしているんですね、カレイ様はどうオモ…」
首を横に振って見ると、となりにいるはず人はいつの間にかどこかに消えた。
「先までいたのに…」少し落ち込んでいるように見えるリュカはすぐ自分の無能さでへこんでしまった。とは言え、先ほどの珂玲のような動きを捉える人は恐らくここにいないでしょう。
「だったらなんだい」少し前では「水に落ちた」のせいで、力はさんざんなくしたと言い張ったのに、今はもういつでも戦っても大丈夫な様子に戻ったらしいのだ。
「アンタって………あぁ、カレイ様…」
いつの間に、珂玲は前頭から一番後ろのところに移動した。
「そろそろ効いたかな」
二人の間に挟んで、相変わらずにこやかな笑顔をしている珂玲は今、いつ急に暴れてもおかしくないアンブロワーズに向かって、手を伸ばした。そして、手はそのままに彼の胸に当たった。
「
言った次に、アンブロワーズの胸から先珂玲が使った「水牢」みたいな球体が浮き上がった。
「これは…『水牢』」
「これだけじゃないんだ!中を見なさい」
そう言われたウィルはすぐに目を細めさせて。視線を集中する。すると、「水」の中に虫のような大きさなものは、水に包まれた。
「これはプリストリェーニエ…ですか?まさか…先…」
「ああ、どうやら私たちの登り最中にアンブロワーズのこころを取りつかったのでしょう」
(つまりプリストリェーニエに察しないように、アンブロワーズに「水牢」を使って、そして水を回収するとき、わざと少ない水を中に残して、普通の水に紛れ込んだ。残った水はアンブロワーズをプリストリェーニエに感染したところを探って、最後は……)
「では…カレイ様は先でもうこれを知っているから…」
「まぁ…先はあんなに大口を叩いて……気付かないのは悔しかったが、その通りでしょうね…さすがです」
「グレース様…」
感心したグレースは珂玲のひとつひとつの動きは目から離れない。小さいな球体をは掌の上に載せてころころしていた。
「それで…カレイ様…あの、この後は……」
「ああーこれに目的地まで案内させるんだ、
そうしたら、手に持っている水球は下から謎な光線は球体を回って、下から上がって、そして表面に消えた。
「これでよし」完成した珂玲は球体を軽くて投げて取ってと繰り返しながらにんまりと言った。
「えっと…私たちを案内できるはいいとして……あの…カレイ様」
「うん?まだ何か問題でもあるか?」
まずひとつの問題を解決したのに、顔はさらに困惑な表情が浮かべたウィルに対して、珂玲は頭を少し傾いて、眉を少々顰めて、不快な口振りで言い返した。
「僭越ですが、再出発する前に、まずアンブロワーズ様に治療すべきでは…」
そう言いながら手を下に倒れたアンブロワーズに指した。
やっと思い出した珂玲は珍しくあっと驚いて、思わず頭を下げて下を見る。目に映ったのは完全に力が抜いて地面で大の字に仰向けして、気絶したおっさんの顔する青年だ。
「あ!やだー忘れていた。ごめんね、アンズちゃん!リュカ君ー早く来て」
「…あ、はい。わかりました」
もはやこれは単なる悪戯なのか。それとも本当に忘れたのか。この大げさな反応の様子を見ると、急にアンブロワーズはこのような扱い方にされるがかわいそうと思っているウィルは、思わずため息をついた。
すぐに駆けつけて、しゃがみ込んだリュカはつぶやきながら両手をアンブロワーズの胸にそっと置いた。すると、優しく淡い光が輝いた。
そう続いて、アンブロワーズの顔色は徐々に元に戻った。
「これならもう大丈夫ですよ、カレイ様」
「ああ。お疲れさま、でも本当にすごいわ、リュカ君わ」
「そ、そんなことはありません…」褒められたそばから照れているリュカはすぐに珂玲の目から逸らした。
「いいえ、リュカ君は本当にすごいだと思うよ」
「えっ…そんなこと……」もともと小さいな顔はますます赤くなっている、遠いから見ればまるでリンゴのようだ。
「私もカレイ様の言葉が正しいと思いますよ」
「グレースちゃん…」不意に口挟んできたグレース。リュカはとっさに言葉が出せなった。そのまま、下に見つめて俯くしかない。
実際に、珂玲の言葉を聞いただけでもう精一杯なのに、今はグレースまで口を挟んで、顔は赤すぎて、心臓もドキドキしていた。早くどこかに隠したいくらいだ。しかし、この言葉でもう一人に驚かせたのはウィルだ。
(まさかグレース様も「参戦」するとは…どうやらこの二年ちょっとの時間に僕は知っているグレース様はだんだん離れちまったんだ。これはまさに朱に交われば赤くなる、ということですね…)
ウィルは近くにグレースを見守りながら、つい心の底から嘆きの涙を流した。
(おかわいそうなリュカ様……アンブロワーズさん、お願いから、早く起きてください!)
「ほら、グレースもそう言っているから、間違いないよ」
「そ、そうですかね…」大好きな勇者さまに褒められたリュカはまだ半信半疑で返事した。これを見たグレースはいつもと変わらない、硬い口調を言う。
「そうだよ、リュカ君は全国から集めた治療師から選ばれた天才の治療師だからさぁ、もっと自信を持ってよ」
珂玲と違って、あまり人のことを褒めていないグレースは、今の言葉は実に珍しい。
「…ん…グレースちゃんもうそう言うなら…」
目は少しだけに合っているが、頭はまだ下げている。
「んーそっか!リュカ君はグレースの言葉なら信じるが、私の言葉なら信じない、というわけか」
「……そ、そんなことはありません」ずっと体を縮まったリュカは珍しく、まっすぐに胸を張って、顔も仰向けたままに珂玲と直視した。
いつの間にこの山の不気味さを熱々な雰囲気に変わった。よくこんなところで盛り上がるとは、さすがに全国の数少ない人数から選ばれた精鋭と改めて思うウィルだった。そんな最中に、一人の声はこの愉快な空気を破られた。
「ハァ~~~ム」と起き上がったすぐに大きな欠伸したアンブロワーズだった。
一般的な場合はどんなに優れた治療師の治療を受けたとしても、プリストリェーニエに感染させた以上、丸一日間を休まないと、体はぐだぐたのままは治しても起き上がらないのだ。ところが、目下にぐっすり眠っていた逞しい体をしていた剣士は、なぜかあっという間に目覚ました。
一声で全員を引き寄せた。まるで子供はおもちゃを置くわけにはいかないみたいに、愛着を深めたリュカから離れて声の方向に歩いた。一方、こころの中に不満を抱きながら文句を並べる。正直に言うと、一番大事な「時期」にとんでもない邪魔が入ってきた。この迷惑しかかけない邪魔者には、とにかく、今本当に一発に殴りたいくらいだ。しかし、現実はそれを許されない。
「アン~ズ、おはよう!よく眠れたのかな?大変だったみたいだけど、今はもう元気になったわよね」
珂玲両手に腰を左右に支えて、上半身を少し下へ屈めた。口にはニコニコの笑顔をつきながら、アンブロワーズを俯いて見た。本来この太陽に浴びにくい山の中に、もとから暗いはずなのに。さらに大きな影に被って、一瞬夜の錯覚に見える。悪いことが起こりそうな目に見られていると気付いたアンブロワーズは、うろたえて座るまま後ろに下がった。
「な、なんでしょうか、カレイ様?お、お、いや、わたくしは何もやっていないですよ」
「何も、やっていない、ですか?」
アンブロワーズの言っていたことをもう一度繰り返した珂玲は、笑いながら言うように見えるが、なぜかその裏に何を隠そうとしている。
「ていうか、散々…やった・わよね~」
「えっと、すみません。オレ何をやっちゃったのか…」なにを言った方が珂玲の癇に障らないか、懸命に考えているアンブロワーズはただそれをしか言えない。
「何をやったって?」吐息を漏らして、面倒そうな顔で別の方向に向けて、ぶつぶつで言った。
「はぃーまた一から説明しないといけないのか…はぁ、ウィルー」
********************
「……というわけです」
ウィルの詳しい説明の中に、アンブロワーズずっと口を開いていたままに静かに自分はどんな迷惑をかけたのかを聞いていた。
「…言葉も出ない…ですか…」
まるで何か残酷な言葉を言ったウィルも、若干悪いことをやってしまったような顔をしている。
(まあ、これも無理はないな。ああ見えて、アンブロワーズ様のプライドもけっこう高いから…これ、カレイ様はどうしようかな?)
凍った雰囲気に、アンブロワーズはつい自らこの沈黙を破った。
「……れ……、これだけ…ですか」
まだ地面に俯いたせいで、まだはっきり聞こえない珂玲しかたなくもう一回聞いてみる。
「なーに?」
「…だから、これだけですかー」なぜか突然大声で叫んでいたアンブロワーズはようやく顔を上げ、敵を睨むみたいに、珂玲を見つめている。
「……なんのこと?」
いきなりの質問は珂玲を少しうれしくなってきた。やはりいつものアンブロワーズに戻った、とそう思いながら、表情は微かに緩めた。一方、気が短いグレースははやはり我慢できなくて、早い歩調でこちらに向かって、そしてアンブロワーズの前に止まった。
一目にすぐ腹が立っているとわかったグレースに対して、アンブロワーズは声が震えながら、ズレた声で彼女に声をかけた。
「…や~お…」
この軽々しい挨拶はこの緊張的な雰囲気を変えなかった。その結果、グレースの額にはさらに深い淵が加えつけた。
「なーにか・やー、んだよ」グレースはそう言いながら、細い両腕で一気にアンブロワーズの襟をつかんで、重い体重を持っている彼は、自分とかなり近い距離までに引っ張った。
「……ん…、だから…、うん…グレース」
「だから何だよー」そろそろ限界に見えるグレースはいよいよ爆発する直前になる。
「シワ、増えるよ」
アンブロワーズの一言で、グレースはずっと握りしめた手を放した。とその同時に、彼女は生まれたから、めったに表さない笑顔が今なんと顔に浮かんだ。
「ほー、これはこれはご丁寧にどうも。で、」
この山はあまりにも静かにしすぎたせいで、ひとまず安心と思えたアンブロワーズはまだ嵐の前の静けさを気が付けていない。
「遺言はそれだけでいいか」
「…え、え?遺言…って……」まだ話しの最中に、グレースの掌の中に微かな赤い光がチラチラしている。
そして、一心にグレースの言葉を考えるアンブロワーズはもちろん彼女の異変は気付かなかっただけではなく、周りの仲間は変な様子で動いていることもだ。
(どうやら皆もいないみたいだ、さすがカレイ様。動きが早い…)
「アンブロワーズ、覚悟しろ!レッドスプライトー」
グレースは叫びながら大きな動きでチラチラしている手を前に振った。
ガ―ン——、と雷のような音が山を響いた。そして、強い赤い光はいつの間にかアンブロワーズの全身に射し込んだ。
一瞬のことだった。
草むらに隠れた珂玲は荒れて乱れた草との間に覗く。
「あらら~かわいそうだけど、まぁ…自業自得だけどね」
「まったくです」
「はぁい、アンブロワーズさんって本当に無神経だから、はあー、またせっかく治ったからまた治療しないと…」
「いいんですよ、リュカ様。あんな奴に治療しなくても…だいたいあの人を治っても仕方がないです。壊れたのは頭の中ですから」
「そうよ!だからリュカ君は今回はなにもしなくてもいいんから」
「でも…」
「大丈夫だから、これからはもっと大事なことをやらないといけないから。グレースは一応、手加減したからさ」
「ホントウ?」
「本当よ!ほら、あそこ、見て」
リュカは珂玲が指で指した方向に見る。すると、一つの人影は煙に巻き込まれて地面に倒れた。火は何を焼かれたみたい、煙があの人影から湧いてきた。それで、煙はだんだん風によって、散らかした。
「あの…、カレイ様…」
「うん?どうしたの?」
「焦げましたよ」
「うん?」
「アンブロワーズさんが」
よく見えれば、隙間から見られるのはすっきりしたあと、凛としてまっすぐに立っている女性と、真っ黒になって倒れた男性の姿だ。
「て、手加減をしまし…たよね」
「もちろんしたと思うよ」
「で、でも焦げましたよ、アンブロワーズさんが」
リュカは怖がっている様子と少し震えた声にで言った。しかし、となりで一緒にうずくまっている珂玲の顔は一つも心配の様子に見えない、とても落ち着いている様子に答えた。
「よく見て!一見真っ黒に見えたけど、体はちゃんとしているよ!焦げたところを除いて傷なんてないよ!」
「そうですよ、リュカ様。今までの戦いを思い出してください。死体はどころか、残り物は何一つも持っていないから」
「…ん…それはそうけど…」そう言いながら、あの真っ青な目は輝かしい光を射すような美しさで珂玲を見つめている。先まではまだ落ち着いている彼女は知らないうちにその目にひかれて、思わず手を伸ばして、リュカの頭を軽く撫でている。
「ったくもう、リュカ君は優しいから…まぁ、適当に治療すればいいのさ。あの人は頑丈だからね」
「うん!わかりました。」
珂玲の承諾を得たリュカは笑顔を出したまま、「ケガ人」のところに駆けつけた。
「なんだかあの人に得をさせましたね」
「まぁ、これも仕方がないさ」
「というより、カレイ様はずいぶんリュカ様を甘やかしましたよね」
「そういうことならお互いさまよ!」ここに、珂玲は少々不満な表情を表しながら次のことを語った。
「だいたいあんまり追い込まれると辛いのはグレースの方でしょう?」
この言葉で何かを悟ったウィルは黙ったまま珂玲の目から逸らした。
「………」
無表情な顔をしているウィルは相変わらず、遠いから離れても、依然あの二人の姿を見守っている。
ふっと、珂玲は思いついた。そしてそれを口にした。
「別に見込みがないなんて一言も言っていないよ」
「えっ?」
周りの環境は十分静かなのに、この言葉だけは自分の耳さえ疑っている。
「それ、どういう意味ですか?」
「ん~~言葉の意味。そのままだよ」
「すみません、これはさらに意味不明ですけど」
「…はぁーウィルってさ、頭、意外悪いだね」
「意外とはなんですか」そう言われたウィルはいっそうイライラしている。
「人に一々説明させないといけない時点で頭が悪い証拠よ」
「……」
珂玲の一言でウィルは反論できる余地がすぐになくなった。
この女性より清楚感を抜群でき、自分より二つ年を取っている青年のため、珂玲の同情心は少しずつ働いて始めた。
「ウィルは…何を恐れているの」珂玲は力を抜いて草むらのとなりにいた樹に寄って腰を下ろした。
ますます無言になっているウィルとしゃべる珂玲は今、まるで独り言をしているようになった。そうした彼女は引き続き話すしかない。
「…まあ、だいたい見当ついているが、身分さでしょう」
珂玲はこういう言って、しばらくの間、ウィルはずっと何一つも返事をしていない。
「……差が大きすぎます。私はあの方とは釣り合わないです。ただでさえ差がありつつ、加えて私みたいな取り柄ことは何一つもない人にはしょせん不釣り合いですよ」
「それは、どうでしょう」ここ、珂玲はお思わずにこっりした。
「これはまたどういう……」
「つまりはね…グレースはそういうことは気にしないさ…」
「しかしもう…」
「…まだ遅くないわよ!」
「えっ?」ウィルは驚きしぎ
「幸か不幸か、あんたたちどれも鈍いだから、今ならまだ間に合うよ」
「どうしてこんなにはっきりと言えますか。カレイ様は人のこころでも読めますか」
この言葉を聞いた珂玲は我慢できなくて、すぐ笑ってしまった。
「ごめん、ごめん…フフ…まぁこれはなんていうかなぁ…そうだ!これはずばり、知らぬは亭主ばかりなりってことだね」
「…ん?まぁいいです。あと、もう一つ、聞いてもよろしいでしょうか」なぜかウイルは急に真面目な目つきで珂玲を直視した。
「ん?なに?」
「カレイ様はこうはっきりでおっしゃっていますが、これは経験者からですか?」
「……ないよ!」先の話しをしている時よりはっきりの態度、それを聞いたウィルはもはや返す言葉は見つからなかった。
「………」
「…まぁ、まぁ。確かに実際の経験はないが、模擬戦はたっぷりやっているから大丈夫さ… (たぶん) 」
珂玲はさっそく立ち上がって、苦笑いしつつ、ウィルの肩を軽く叩いた。
「…模擬…線…ですか」半信半疑でこの言葉を繰り返したウィルは心の中でまだ疑惑を残したまま、とりあえず珂玲の言ったことを信じた。
「さぁ、リュカは呼んでいるよ!行きましょう」
「はい」
(しかし、模擬戦ですか。さすが勇者になる人とは違いますね!)
********************
「って、今の具合はどう、アンズ?」
「あー、ボウズのおかげでだいぶよくなったよ」
「そう?それはよかった」
「で、動ける?」
「も、もちろん。今すぐ出発でも大丈夫なんですよ」グレースの強い勢いに圧倒されたせいで、アンブロワーズは少々おびえているに見える。
「まぁ、そんなに焦らなくていいのさ」
「しかし…」
「どうせアンズのせいでいろんな計画がつぶされたから。」
「すみません…」本当に落ち込んでいるが、アンブロワーズの返事の声はどんどん小さくなっていた。
懺悔状態に入ったアンブロワーズのことを無視した珂玲は次のことを言った。
「今はアンズの回復を待ちながら、私たちも休憩しよう!あと、ついてに作戦を立てよう…と言いたいですが、まずアンズに罠に落ちたきっかけ、こういうものができた」
「これは…」
珂玲は示したのは先ほどアンブロワーズの胸から取り出して強化された「球体」だった。
「これは先保持取り出したプリストリェーニエではないですか。確かに、私たちを案内できるっておっしゃっていましたね」
「そう!まさにこれだ!」
「これはただのプリストリェーニエではないじゃねぇかよ!さっさと消滅しまえばいいさ」
「アンブロワーズ!カレイ様はまだ話し中だ、静かに!」
「はい!」
この会話を見た珂玲はふっと微かな不安が湧いてきた。
(まずいよ、ウィル~さっさと動かないと!この決戦が終わったあとじゃあ遅くなるかな…どうかこれ以上に進まないでよ!私のためもあるか、ウィルのため、この決戦は長くなれば状況はどんどんまずくなる。なんとかしなくちゃ…)
「ゴホン!グレースも一々アンズのことを気にしなくていい、どうせろくなことはないから、今は決戦に集中しなさい」
「はい!それはそうですね、すみません」
(よし!これで当分には問題ないはず!あとはウィルが自分で頑張るしかない。)
「さて、先の話しを続いてこれただのプリストリェーニエじゃないさ。一般のプリストリェーニエは人の心から生み出したが、これは違いうのだ」
「それはどういう意味ですか」
「ん…一般のプリストリェーニエは徐々に生み出したから、皆のうでならとっくに気づいたでしょう?」
「確かにカレイ様以外の皆は気付きませんでしたね…」
全員は悔しいを感じながら、ウィルの言ったことを頷くしかない。
「それでね、重要なのはここよ!これはアンズが生み出したものじゃないの!」
この言葉で先までの悔しさ一気に消えて、代わりに驚いた事実に襲われた。
「正確に言えば、それは襲われたんだ」
「だからアンブロワーズ様は急に変なになっても、私たちも気づきませんでしたのはこれですね」
「その通りだ。あと、これは私の考えだけど…敵は多分もうとっくに気づいたじゃないかな…」
「何を…ですか」
「私たちの動きのことのよ!」
「カレイ様はあのプリストリェーニエは敵から押っ付けたものと言いたいですか」
「うん!それの通りよ!まずは、私たちのことを監視して、その中に一番狙いやすい人に押っ付けると考えていたが……」
「待ってよー狙いやすいってどういう意味だよー」
山に入ってきたからずっと何もしていないあげく、迷惑しかかけていないアンブロワーズは、いくら彼でもそこまで言われたとたん、やはり我慢できず、文句を言い出した。
「……何を言っているの?実際に取りつかれて暴れたんじゃん?これも狙われやすいじゃないの?」
「………」
これを聞いたグレースは何気なく一人で呟いた。
「どうやら変なと思っていたわ…」
「どうしたの、グレースちゃん」
「いいえ、ただ心の疑問をやっと解けただけ」
「疑問?」
「山を登りながらずっと警戒しいるのに、一度も襲われたことがないのは変と思えば、この原因ですね、カレイ様?」
「それだと思うわ」
「ってことはこの後も……」
「そうかもしれないね、少なくともアンズのあとはまだ襲われていないから!でも油断は禁物だから、特にアンズ」
「は、はいー」
さすがに疲れ果てたのか、内容はあまり頭に入っていないアンブロワーズは急に名前が呼ばれた際に、また何か間違ったと思って、慌てて返事した。
「余計なことをするじゃないでね」
「か、かしこまりました」
両手を腰に当てて、膨れっ面を出しながらそう言った。
「で、気持ちを切り替えたら再出発するわよ!今のうちに休憩しましょう!」
「はいー!」
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