のどかへ 純斗より




「今日もいい天気だよね。ねぇ~、のどか?」

 と、僕は空に向かって一人で喋る。


「おい、なに一人で喋ってんだよ」

 と、僕を睨みながら言ってくる創。


「いいの! 目には見えないのどかと喋ってるんだから!」

「はいはい」

 と、言って創は去っていった。


「あっ、虹!」


 僕は、空にかかっている虹を見つけた。

 そのまわりを小さな鳥が飛んでいる。




 僕の心の虹になったのはのどかだけだった。


 今までも、これからもずっとそれは変わらないよ。


 大好きなのどか。


 今はどこにいるだろうか、と言ってみたくて言ってみたけれど、


 本当はどこにいるか知ってるよ。今は、家の玄関先だね。


 24時間ずぅっと、意識を研ぎ澄ましているんだ~。


 あーあ。


 今、急にのどかに買ってきてもらったあの遊園地のソフトクリームが食べたくなっ

 

 ちゃった! また食べに行こうっかな。


 食べたら、また泣いちゃうんだろうな……。


 そして泣くな、とみんなに言われる。男だろ! って。


 僕たちの記憶がないのどかに話しかけて、またいちから始めたいけど。


 ……それは絶対しないだろうな。


 僕たちはひっそりと、こっそりと、のどかのことを守る。


 それだけでいい。優しく、のどかのことを包み込むだけでいいんだ~♪


 おっと! またみんな、のどかを守りに行くって。


 今日ものどかを助けちゃおうー! ……大好きだよ。



 


 純斗は「待ってぇー」と言いながら4人の所へ走っていった。

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