第36話 事務所
翌日、かつて所属していた事務所に行ってみた。
当然であり当たり前であるが、対応は冷たかった。沢村ディレクターがお人好しのだけで、出戻りに対してこれが通常の反応だ。
ナイススマイルについてくれていたマネージャーは部署移動していた。会いたくても会えなかった。対応してくれたものに、霧島のことを尋ねてみた。
沢村と同じく、今売れかけて、頑張りどころと評していた。雑誌などでも取り上げられ、最近ではミステリー系の雑誌にも載った。おすすめのミステリー小説三選を紹介していた。
中田は安心した。ここまでプロたちが太鼓判を押しているのなら、間違いがない限り売れるだろう。あとは霧島の頑張り次第だ。
俺も頑張らねば、自分で道を切り開くしかないと、中田は思った。
霧島に事務所に訪れたことを告げないよう頼むと、了承した。元々、無駄なノイズを入れないため、言わないつもりだったのかもしれない。
その日、沢村にお礼の電話を入れ帰った。
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