第7話 朝の時間 春の足音
三寒四温。寒くなっては、暖かい日となり、コートをいつ仕舞おうか悩む日が続く。
再び冷え込み、今回も時期を先送りにした。
明日は「春の陽気だ」という天気予報のもと、衣類を準備する。
この季節になると、色選びも難しい。
寒い日が続いていた頃はモノトーンやダーク系で纏めれば、通勤する時も違和感なく過ごせた。
しかし、色合わせを誤ると通勤中に周りから浮き立ち、一日中気分が落ち込むこともある。
無難なベージュ系でアウターを、中に着る服を天然素材のソフトパステル系の色で揃え枕元へ用意した。
ラジオのスイッチを押すと、いつものパーソナリティの声が聞こえてきた。
卒業ソング特集。
定番の曲が次々と流れる。
ユーミンの「卒業写真」
藤巻亮太の「3月9日」
iri 「はじめての日」 などなど続く
昔のことを思い出しながら聴く。
いつの間にか寝落ちしたらしい。
目が覚めたとき、つけっぱなしのシーリングライトが眩しかった。
けっこう冷える。
気温の上がる朝にありがちな冷え。
いつものように温風ヒーターのリモコンに手を出して伸ばしスイッチを入れた。
一時のような冷えはなくなった。
かなりスムーズに動ける。
温風が、こちらに向けて吹き付けてきた。
25℃に設定しているが、少し下げても良いなと思ったので、気持ち24℃に設定を変えた。
時計に目をやると、四時を過ぎようとしている。
バネの音がうるさい時計は、1ヶ月ほど前に静かなものに取り替えている。そして今度の時計は正確な時間を指している。
気づきからの快適さ。
部屋が温まったところで、勢いよく飛び起きた。
「今日も頑張ろう」
掛け布団とベッドカバーを直して、軽く体を動かした。
ひと月前とは違う、朝の時間を噛みしめた。
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