17話
Sクラスの生徒は14人。
その中でもボクが多少マシだと感じるのは龍真クンを抜いて4、5人ってところかな。
少なすぎて、面白くない。ボクは面白くないものは嫌いだし、そういうのは最低限視界に入れないようにしよっと。
ああ、でも。
氷見結乃ってのはなんか持ってそうなんだよねぇ。ナニを抑え込んでいるんだろうね?
と、そう考えるとやっぱり普通の女の子ってのはいないみたいだね。まぁSクラスに入るには“普通”じゃあやっていけないだろうから、妥当と言えばそうなんだけど。
そこまで思案したところで、扉が開いた。席は全部埋まってるから担任かな。
「うぃーっす。どもども、やってる? え、なにがって青春に決まってんじゃないですかヤダー」
どうやらあのヤバそうなのが担任になるらしい。その態度とは裏腹にかなり強いけど。
蒼炎サンと並んでも大きくは劣らないほどの実力だ。毛ほどもそう感じられないけどね。でもそれが目的な気もする。
「はい。てことでね、担任の
教室が静寂に満ちる。唖然としてるっぽい。
ボクはこのタイプは見たことないけど、裏社会にはもっとやばいのは当たり前に吐いて捨てるほどいるし、そこまで動揺はしないなぁ。
「さて、俺に何か質問がある奴はいるかー?」
疑問しかないんじゃない? 主に頭の中身とか。
「はい! センセー、質問です!!」
この無駄にハイテンションなキャラだと質問とか真っ先にしそうだよね。うーん、何を質問しようかなぁ。
「センセーは彼女いるんすかー?!」
うん。馬鹿キャラと言えばこれだよね。……あれ? 目指す方向が間違ってきてるような?
「えー? いると思うか?」
「いないと思います!!」
「残念! いるんだなぁこれが」
「え?! いるんすか!?」
別に彼女がいようがいまいがどうでもいいんだけど。
にしても彼女かぁ。“好き”って感情はよく分からないけど、なにかあった時は弱点くらいにはなるかな?
「っあの! 私、ここに遊びに来た訳ではないのですが!」
と、そこに立ち上がって声高々に異論を掲げたのは緑髪の少女。腰まで伸びた髪を三つ編みでハーフアップにし、さらに全体を高く一つに結んでいる。
「んー? 君は……
うわぁ、凄く煽りに聞こえるのはボクだけかな?
「っそういう事を言っているのではありません!! その態度はとても許容し難いものだということです!!」
あぁ、良かった。同士がいたみたいだね。
だけど、その怒りを向けられた張本人は涼しい顔をしている。これはまた怒りを助長するような事を言いそうだ。
「いやいや。君が許容するかなんて、関係ないでしょ」
あーほらー。久東さんの顔が怒りで染まっている。
流石にこれはボクでも怒……らないか。別に。気にならないし。
これでもボク、寛容ですから!
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