第11話 7月に読んだ本

オリンピックが始まりましたね!

時に息を止めながら、拍手喝采しながら、涙しながら、私も見れる種目を釘付けになって応援しています。


この瞬間までの選手達の果てしない努力の道のりを思うと胸がいっぱいになります。

いろんなものを犠牲にした事もあったと思います。

ひたすらに努力を続けて、人生をかけて一つの事に打ち込んできた選手たち。

そのひたむきな美しさに心打たれます。


選手達がインタビューでまず語るのは、サポートしてくれた人達への感謝の思いです。

それだけ、厳しい難しい状況を経ての大会だったんだな…と思います。


選手達にとってオリンピックは特別な大会だとよく聞きます。


オリンピックが無事に開催されて良かった。


そんな7月に読んだ本は全部で11冊。

「書店ガール5」

「書店ガール6」碧野圭さん

「彼岸花が咲く島」李 琴峰さん

「モリー先生との火曜日」ミッチ・アルボムさん

「スモールワールズ」一穂ミチさん

「ミュゲ書房」伊藤調さん

「ハニオ日記 I」石田ゆり子さん

「本日は大安なり」辻村深月さん

「カモフラージュ」松井玲奈さん

「風と共にゆとりぬ」朝井リョウさん

「ボクたちはみんな大人になれなかった」燃え殻さん

です。


特に好きだったのは

「モリー先生との火曜日」「ミュゲ書房」「ハニオ日記 I」です。

「モリー先生との火曜日」はアメさんがオススメしてくださった作品です。

「ミュゲ書房」はこころさんがエッセイで紹介されていた作品でした。

どちらも知らなかった本で、教えてもらわなければきっと手に取ることもなかったと思います。

ここであらためてお礼を言わせてください。

素敵な本に出会わせてくださって、ありがとうございました。


「モリー先生との火曜日」

ALS(筋萎縮性側索硬化症)を発症した大学の恩師モリー先生。

命の期限が刻一刻と迫る中、週に一度先生に会いに行くミッチ。

本当に大切なこととは、人生を見つめる最後の授業の日々「2人の最終論文」を綴ったノンフィクション。


読み終わった時、1番に思ったことは、なんて幸せな人生なんだろうって事です。

そしてその幸せは、自らが築き上げたものだという事に対する深い尊敬の思いでした。


決して恵まれた子供時代ではなかったモリー先生。

悲しさも寂しさも自分の身を通して痛いくらいに知っていました。

その痛みを知っているからこそ、望んでも得られなかったからこそ、その大切さを誰よりも知っていたモリー先生。


こうして人生の軌跡を追う時、その時はどんなに辛いと思うような事も、その経験があったからこそ、辿り着ける場所があるという事をいつも思います。


モリー先生にとって、その場所は「愛」でした。

側にいること、見守ること、寄り添うこと、話を聞くこと、抱きしめる事、たくさん笑って、たくさん喋って

そして「愛している」という事を相手にちゃんと伝わるように惜しみなく伝える事


そうした「愛」はたとえ命に終わりがきても、決して消える事なく、人の心に残り続け、心を通していつでも会えること。


その大切な思い出が綴られたこの「2人の最終論文」

きっと、これからもいろんな節目で読み返すと思います。

いつか人生の終わりを迎える時に、こんなふうに幸せな気持ちで瞳を閉じる事ができたら…そう思いました。


「ミュゲ書房」

編集者として活躍しながらも、1人の作家のデビューの機会を潰してしまったと罪悪感に苛まれていた章さん。

大手出版社の編集者を辞め、亡き祖父の営んでいた「ミュゲ書房」を引き継ぎます。

そこでの出会いが全ての奇跡の始まりでした。


大正末期の洋館を改装したアンティークな趣の書店「ミュゲ書房」

読み始めた途端「好き」のてんこ盛りにどうしようかと思いました。


この物語を読んでいる間、ずっと「カクヨム」と重なりながら「カクヨム」の皆さんの事を思いながら読んでいました。


ネット小説を商業書籍として世に出すことの大変さ

必ずしもそこには作品を愛する気持ちだけがあるわけではない事。

利益を上げる事を1番に考えたら、それもしょうがない事なのかもしれません。


だけど、声を大にして言いたい!

作品の持つ力に引き寄せられ、魅せられて、その物語を愛している人達が作り上げた本、そこに込められた思いは必ず商品となった本から滲み出るということを。

その事を強く思います。


作者、編集者、書店員、装丁、イラストレーター、そして名もなき読者達、皆んなが作品を愛し、光の当たる輝く舞台へと背中を押し導く姿に胸が熱くなりました。


「ミュゲ書房」はカクヨム作家さんだった伊藤調さんだからこそ、書けた物語なんだと思います。


そして、最後に出来上がった本。

そこに込められた思いも本当に感動的でした。


いつも読んでいるカクヨム作家さん達が笑っているような、そんな幸せな姿が重なるような素敵な物語でした。


「ハニオ日記 I」

石田ゆり子さんと、甘えん坊でいたずらっ子で人見知りな猫のハニオくん、ちょっとお兄さんっぽい猫のタビくん、生きとし生けるもの全てが大好きなどこまでも優しい犬の雪ちゃん、そして気品と威厳漂う猫のビスク先輩。

そんな1人と4匹。

クスッと思わず笑ったり、一緒に泣いてしまったり、心配したり、幸せを感じたり…愛おしい日々が写真と共に綴られています。


昨年、石田ゆり子さんのフォトエッセイ「Lily --日々のカケラ--」を読んで以来、ゆり子さんがとても好きです。

ゆり子さんの感じ方、願うこと、日々の見つめ方、そして思い、そのエッセイに込められた事の多くに共感しました。

そして、こんな女性になりたいな…と憧れました。


「ハニオ日記I」には、ゆり子さん視点からの日記だけじゃなく、ハニオくん視点の日記も沢山あって、おとぼけな感じに愛おしさが爆発しました 笑

そんな視点も持てるチャーミングなゆり子さんが、ますます好きになりました。


私もトイプードルと暮らしています。

とても大切な存在です。

だから、ゆり子さんの動物達を思う気持ちが自分の気持ちと一緒になって、涙を抑えられない場面も多々ありました。


大切な存在になればなるほど、命のお別れの時が怖くて仕方がありません。

考えたくない。そうして見ないように、考えないようにしてきました。


でも、まだ自信がないけど、私も、ゆり子さんみたいにお別れの時に「ありがとう。もう頑張らなくていいよ」って抱きしめながら言ってあげられるようになりたい。

だからこそ、こうして一緒にいられて触れることのできる「今」を大切にしたい。

このエッセイを読んであらためて強く思いました。


動物って、本当に健気で優しいです。

ウチのワンコも私が家に帰ると、一目散に猛ダッシュで駆けつけてくれて全身全霊で喜んでくれます。

特に何もお土産なんてありません。

ただ帰ってくるだけ。

それだけの事にも毎日毎日、大喜びしてくれます。

無償の愛だな…って思います。

ありがとうって何度も伝えたいです。

動物達に学ぶ事って本当に多いと思います。


余談ですが…私の名前、石田ゆり子さんにちょっと似てるんです。

こんなに素敵な人に似てる名前でうれしいです。

名前だけじゃなく、ゆり子さんみたいに素敵な女性になれるように精進していきたいです。

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