第7話 4月に読んだ本

4月にあった本屋大賞の発表。

大賞は町田そのこさんの「52ヘルツのクジラたち」でしたね。

本当におめでとうごさいます!!

コロナの影響で今年も関係者だけの場となってしまったけど、その中での町田さんの溢れる想いをなんとか抑えようとするような、声を詰まらせ涙ぐみながらのスピーチに私まで胸がいっぱいになりました。


町田さんは初読みの作家さんでした。

いろんな作品、作家さんに出会わせてもらえる本屋大賞。

そんな本屋大賞を支え運営してくださっている書店員のみなさんに心からのお礼を言いたいです。

ありがとうございます!!

次回の本屋大賞も楽しみにしています!

そして、過去のノミネート作品もみんな読んでいきたいなって思っています。

(発表の時の司会もみんな書店員の方がされていて、プロの方と違って話し方とかもたどたどしかったりするんです。でもそういうところに、普段は普通の書店員さんが素敵な本を知って欲しい!って気持ちだけで慣れない事もやってみえるんだって思うと胸が熱くなります。…本屋大賞が好きなので長々と…失礼しました!)


そんな4月に読んだ本は全部で11冊。

「すべてがFになる」森 博嗣さん

「この本を盗む者は」深緑野分

「52ヘルツのクジラたち」町田そのこさん

「鬼人幻燈抄 明治編 徒花」中西モトオさん

「ザリガニの鳴くところ」ディーリア•オーエンズさん

「かか」宇佐見りんさん

「名前探しの放課後(上)」

「名前探しの放課後(下)」

「図書室で暮らしたい」辻村深月さん

「心淋し川」西條奈加さん

「旅する練習」乗代雄介さん

です。


その中でも特に好きな作品は「かか」「名前探しの放課後」「図書室で暮らしたい」です。


「かか」

宇佐見りんさんのデビュー作品。

読み終わって1番の気持ちは、強烈に圧倒される思いで「すごい」って言葉に尽きます。


かか(お母さん)の独特な言葉使いと方言(なのかな?)とが混ざり合って、ひらがなも多く、だからなのか残酷で痛くて哀しいのに、どこか御伽噺のような雰囲気も感じてしまいました。


愛情と憎しみがこんなに濃く混ざり合う事の献身さと怖さ。

これは他人だからではない母娘だからこそ、うーちゃん(かかの娘で主人公の女の子)とかかにしか辿り着けない心のありようだと思いました。


その存在全部で「愛して!」って叫んでいるようなかか。

見ていてとても辛かった。

だからこそ、泣きながら、憎み、愛しながら、包み込むようなうーちゃんが、私には菩薩さまのように思えました。


心に刻みつけられて忘れられない物語となりました。

また時間をおいて必ず再読したい作品です。


「名前探しの放課後」上下

読み終わった時、とても暖かい気持ちに包まれました。

本を読み続けている幸福を思いました。


クラスメイトが自殺した日から3ヶ月前にタイムスリップした依田いつかくん。

個性豊かな面々と強い絆を築きながら自殺を阻止するために動き出します。


痛い思い出さえ優しい思い出に変えてくれるほどの深い愛情。

読んでいる私まで、その愛情のお裾分けをもらえた気持ちでした。


辛い事があっても、その度にぐちゃぐちゃになっても、その歪みを繰り返しながら強く優しく自分の意思で自分を形作ってゆく。

なんて素敵な人達だろう!なんてカッコいいんだろう。

この人達が愛しくてたまらない気持ちになりました。


そして辻村さんの作品ならでは!この作品でも他のいろんな作品とリンクしていました。

そんなところもとても好きです。


「図書室で暮らしたい」

辻村さんのエッセイ集です。


大好きな辻村深月さんの事をたくさん知ることができました。


あらためて、辻村さんの作品も、辻村さんご自身も大好き!そう胸が熱くなる思いで読んだ1冊でした。

何度もうるうるして、うるうるだけでとどまれなくて泣いてしまった。


辻村さんが情熱と愛情いっぱいに語ってくれた大好きな作品を私はまだほとんどのものを知りませんでした。

辻村さんが教えてくれた辻村さんの大好きないろんなジャンルの作品を私もこれから知っていきたい。


今年中に辻村さんの作品をコンプリートしたいって思っているけど、最後に読む1冊はもう1つのエッセイ集で締めくくりたいな。


今月も素敵な本に出会えました。

読みたい気持ちに読むスピードが追いつかなくて積み本がどんどん増えていく毎日ですが、積み本コーナーは小さい本屋さんだと思っているので、次に何を読もうか選ぶ時も幸福なひとときです。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る