第32話 一方その頃...
ミーシャ達を置き去りにし一人ロックゴーレムをむしゃむしゃと食べているとイチゴが私の元を訪れる。
「食い意地の張った竜とは...品が無いですね」
ロックゴーレムは必死に私に攻撃を加えようとしてる、だが、高すぎる私の防御力の前ではなんら師匠はでない。
立ち向かって来るロックゴーレムを横になりひたすら捕食する。
「ミーシャの方に行かないの?」
ミーシャ大好きなイチゴが何故私の方に来たのだろうか...。まぁ理由は大体わかるけど。
「リンゼちゃんにジェラシーなんてまだまだ子供だな~」
「ち、違います!!別に嫉妬なんて...」
ふぅ↑↑焼かせるねぇ。
改めて最初の従者がイチゴで良かったと思う。
「そろそろ飽きてきたな...毒掛けれる?」
「はぁ...耐性あるからってどうなっても知りませんよ」
ロックゴーレムに味は無い...あるとすれば土の味だ。あとは食感が固いくらい。
ドラゴン特有の強靭なあごの前では岩とて簡単に粉砕できるが、味までは変えられない、さすがに飽きてくるのだ...。
イチゴが毒の沼を展開するので、一度ロックゴーレムを沼に付けてから食べてみる。
ゴーレムは毒無効を所持しているので、ダメージはない、純粋な味付けだ。
試しに口に運んでみると先程よりも、酸味が強くなっている、ピリッとした味は最初だけで、あとはいつも通りだ。まぁないよりは多少まし程度。
「イチゴも食べる?」
「結構です。私偏食じゃないんで」
「だってこの方が、ステータス上げやすいんだもん」
食べた事で相手のステータスを吸収する。すべてを吸収できる訳ではないが能力値が上昇する、それに、食べた種族の固有スキルや特殊スキルなんかを稀に覚える事ができるのだ、理に叶った戦い方。
周囲のゴーレムを食べ終えた事で、暇になる。
獲得スキルを見てみれば、【石化】を獲得している。
「収穫はどうです?」
「ん~【石化】だけみたい」
「微妙ですかね」
「あ、毒食べたから毒の
使い道があるか分からない毒ブレス...まぁないよりはましだろう...。
次に石化...一時的に防御力を極限まで高める、その代わり、移動スピードが低下する...はっきり言ってあまり使わない...。
だが、ものは試しだ。
「うん....動き遅い...微妙~」
「まぁ囮としてはいいかもしれませんね」
防御が高いだけで、動けないなんてデメリットが大きすぎる。
そもそも、私はこれ以上防御を上げる必要がない。
たいした収穫が無い事に溜息をつく。
「あれは...」
「ん?」
イチゴが何か気が付いたようなので、スキル【竜眼】を使用して遠くの方を見てみる。
そこには大群を引き連れてミーシャの所に逃げ帰るシープの姿がある。
ホープは既にミーシャとリンゼの所に合流しているが、ミルクとシープは必死に走っている。
乳をバインバインと大きく揺らしながら走る。
「いや!乳!!!!千切れちゃうよあんなん」
「どうせ、シープの悪癖が出たのでしょう」
シープはと言うと必死だ。
普段はのほほんとしているが、今だけは真剣そのもの。一心不乱に前だけを見つめ走る。
自分が蒔いた種とはいえ、死ぬのは嫌なのだろう。まぁ自業自得ってとこかな巻き込まれるミーシャ達は可哀そうだけど。
「ここからでも、ブレスで焼き払えるけど、リンゼのステータスならいけるかなぁ」
「お手並み拝見ですね。でも流石にあの量は私も苦戦しそうです」
「量が量だからねぇ」
リンゼがミーシャ達を庇い堂々と正面に立つ。
新しく手に入れたであろう大盾を構えなんらかのスキルを発動させる。
流石に私でも、スキル名まではわからない、ただ...。
その威力が絶大だったのは見てわかった、なにせ光に包まれた後、大群は塵も残っていなかったのだから...。
「リンゼは強いねぇ」
「えぇあれでまだレベル100以下なのですから...強すぎると言えます...」
イチゴの言葉を私は肯定する。
そもそもレベル1の段階で初期ステータスが100万、そうなればレベルアップ毎のステータス上昇値が変わってくる。
私のステータスは4千万...ミーシャには隠しているが...リンゼは余裕で私を越えてくるだろう...。
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