第293話自分での行為を迫る女子達に反抗してみた2

※続くことになりました!ナンバリングしてあります。


「え!?」

 神戸(こうべ)ゆうほは思わず大岡あさひと、その意見に同意した3人の顔を見る。

「だーかーら、蒲島の感じちゃってる動画ネットに流すって言ってんの」

 そう言ったのは大岡である。

「あたしは賛成~」

「あの暴言女味方につけて、でかい顔で教室に居座る蒲島ムカつくしね」

「恥かかせたいよね! 拡散されたら外歩けなくなりそう」

 4人はくすくすと笑い合っている。数日前まではゆうほも同じように笑っているところだったが。

「あのさ、普通に止めない? あの時の女、目が本気だったじゃん」

 ゆうほは隣に座る、子吉こきちウメカを見る。

「は? 何、良い子ぶってんの?」

 リーダー格である大岡はウメカを睨む。

「いい子ぶってるっていうか、あの女がガチギレしてたから、そういうことすると報復されるかもってこと。ねえ、ゆうほも思うでしょ」

「あ、うん。恥ずかしいけど、怖かったなぁって」

 大岡は不満そうにゆうほとウメカ見る。

「一緒になってやってた癖に、今更でしょ。助っ人頼むとか蒲島は卑怯な手を使って、個人情報を調べてんのよ? 報復はこっち。それに脅して来たわりに1週間何もなかったし」

 ウメカはすっと立ち上がった。

「今回は意見違いってことで、あたしは止めとくわ。個人情報握られてるの怖いし」

 ゆうほも少し震えた足で立ち上がった。

「わ、わたしも。お父さんの会社とかお母さんのパート先言い当てられて怖かったから」

「あっそ。じゃあ、あんた達もう良いわ」

 大岡が吐き捨てるように言ったので、ウメカがゆうほの手を引いて歩き出した。お茶をしていたソファ席から離れる。ファミレス内には先ほどより客が増えていた。

 出口付近の席でデザートを食べていた桃華学園高校の女子達にガン見されていたのが気になったが、ウメカはそのまま外へ出た。

「まったく。あれだけ正論で罵られて何も感じなかったのかしら」

「……変態って、否定できなかった、よね」

 もしも自分が蒲島の立場だったら、それをやらせている人物は紛れもなく変態だし、クズだ。

 と、その時。

「おまえら、あのグループ抜けたのか?」

 道端の電柱に背を預け、腕組みをしていたの桃華学園高校の男子生徒である。

「だ、誰」

 ウメカが警戒して、一歩引く。

 突然話しかけてきた初対面の高校生だというのに、雰囲気に覚えがあった。何故か。

 彼はゆうほとウメカの前に仁王立ちした。

 怖い。目が据わってる。

「聞いてるよ。クラスメートの女の子にあり得ない格好をさせて遊んでた変態集団だろ? あの時乱入したツインテールの子は俺の妹みたいなものでね。とんでもなく怒ってたからさ」

 彼の目的がなんとなく分かった。恐らく、こちらが何かした時、対抗措置をするつもりなのだろう。

「っ……! あたし達はこれ以上蒲島になんかするつもりないから」

 ウメカの発言にゆうほも頷く。

「あたし達は? へえ、ほかの奴らはなんかするつもりなのか?」

 ゆうほとウメカは黙る。

 彼こと、奏介はすっと目を細めた。

「なら、交換条件とかどうだ」

「え」

 ウメカが訝し気にする。

「今回だけは、見逃してやる。口頭注意で間違いに気づけた神戸ゆうほと子吉ウメカには今後何もしない。代わりに他の4人が何しようとしてるか教えてくれ」

 ウメカは奏介を睨みつけた。

「あんたね、これでも大岡達とは付き合い長いのよ。そういう告げ口みたいな」

「良いだろ、告げ口」

「……は?」

「あいつら、犯罪者じゃん。そいつらの悪行をなんでかばってんの? いじめなんて軽い言葉で犯罪犯してるクズ共に人権ねえし、お前らも今の状態だと犯罪者だからな」

「は……犯罪?」

 ゆうほが震える声で言う。

「いじめは、他人を追い詰めて傷つける犯罪行為だ。お前ら人前でパンツ脱ぎたいのか? ここで出来るのか? 男だけじゃない。女でもそれやったら捕まるぞ。それを、蒲島かごめに強要したんだろ? 無理矢理にさ」

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