第176話 175部おまけ 奏介抜きのグループチャットの末路
南城は自室で机に突っ伏していた。奏介にボロクソに言われた挙げ句、晒し者にされたのだ。
「くそっ」
だんと拳を振り下ろし、はっとする。
「そうだ。これは人権侵害だ」
と、スマホがメッセージの受信を知らせる音を鳴らした。
「ん?」
それは風紀委員室で昼食を摂っているメンバーのグループメッセージだった。
奏介以外の全員でチャットのようにやり取り出来る。
「そうだ、こいつらを使えば菅谷に何か」
スマホを開くと、
ヒナ『やぁ、ヘタレポエム野郎。工作ご苦労さん。菅谷君が立てた作戦通り、学校以外でもポエムバラ撒かれたんだって? はい、友達ごっこ終了〜』
「は?」
ヒナ退出。
詩音『やっと奏ちゃんから許可出たんだ。もう南城君と話さなくて良いみたい。お疲れ様〜』
詩音退出。
わかば『同感。菅谷の頼みだったから仕方なくね。こっちも疲れたわ』
わかば退出。
水果『菅谷仲間はずれ作戦。遊びに付き合ってあげたんだから、感謝するんだよ?』
水果退出。
モモ『ごめんなさい。わざとらし過ぎて見ていられなかったわ』
モモ退出。
真崎『そういうことだ。おれらは菅谷の友達であって、お前のじゃない。お前が思うほど薄っぺらな関係じゃねぇから、おれらは。それじゃ』
真崎退出。
そして、グループメッセージには南城だけが取り残された。
「なんっだよ、これぇ!」
南城はスマホを壁に投げつけた。
奏介の友達を掌握したと思っていたのは、南城だけだったようだ。そう気づいた時には、遅い。完全に彼らにはめられた。
「くそっ」
南城は悔しげにもう一度机を拳で叩いた。
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