第51話 真相
場所はカントー。
俺達は駅を出てまっすぐ街の外へ。それから特に何かあるわけでもないであろう道なき道を資料にあった座標に従い突き進む。
そこはセントラルからそう遠くない開けた平原、荒れ地と言うほどでもないし草原というほど草が多い繁っているわけでもなく特に何も言うことが無い普通の場所だ、遠目にセントラルが見える。
「ここ?」
「資料だとね、サーベルは鞘から抜かれて地面に突き刺さっていたそうだ… 丁度そう、画像だとこの辺り」
ブレスレットにまとめておいた資料データを展開し、画像と生の景色を照らし合わせている。セントラルの位置や見え方から言って恐らく間違いないだろう。
「じゃあセーバルちゃん、頼めるかい?」
「うん、それじゃいくよ?」
彼女は一度ぐっと指を伸ばし深呼吸して体をリラックスさせると、いつかの時のように祈るように両手を組んで目を閉じた。
「お願い…」
小さな声で一言唱えるとすぐにあの現象が始まる。周囲を霧のような物が包み込み視界を奪っていく。
場所はここ、時間は半年ほど前… 彼女は慎重に時を探しているのか、前に見せてくれた時よりも長く祈り霧もなかなか晴れてくる気配がない。俺もそれを急かしたりせず、ただ邪魔にだけならないように静かに見守り続けた。
「見付けた、映るよ?」
その一言と共に霧が晴れ始め、辺りは当時の景色を再現し始める。
…
まだ深夜帯だと思われる、セントラルの方面から人知れず車両が向かってくる。スタッフカーに偽装… というよりそういうスタッフカーなのだろう、車内が見えない仕様になっており中で何が起きていても不思議ではない大人数が乗り込めるタイプの車両、それがこちらへまっすぐ向かってくる。
俺達の目の前で止まると間もなくドアが開き人が降りてくる。
フレンズやその血筋の者ではないように思える、特殊な兵装の人間。顔はヘルメットのようなもので隠されて見ることができない。
その男が言った。
『異常なし、降ろしてから拘束を解いてやれ』
その言葉の後、車内ではあまり穏やかではない雰囲気で女性の声が弱々しく聞こえてきた。俺にはその女性の声が誰のものなのかすぐにわかった。開かれたドアの前に立ちその声の主の姿を確認した。
『アレックス… どうしてアレックス?お願いこんなことはやめて?』
「シロあれ…!」
「ベルの母親、サーベルタイガー隊長だ」
到底外すのは無理であろうしっかりとした拘束具で彼女の自由を奪い、後ろからもう一人ヘルメット兵装の男が電流の流れる
酷い光景だ… とても見てられない。
グッと拳を握り心に沸き立つ物にそっと蓋をすると、また母親の無惨な姿へと目を向ける。
『降りろ』
『あぁ!』
立っているのもやっとだったのか、外へと追い出されるとそのまま地べたにその身を打ち付けていた。酷く弱っている、虚ろな目で辺りをキョロキョロと見回し、息も苦しそうだ。
『拘束具を外すぞ』
『本当に大丈夫なのか?』
『抑制注射を打って散々弱らせた後だからな、今なら俺達みたいな半端者でも簡単に押さえ付けられる』
『こうなると無様なもんだなガーディアンの隊長も… 一途に男を信じた結果がこれとは、女としても獣としても浮かばれんだろうな』
抑制注射… 男…。
この事件の背景のようなものが見え始めた。
「シロ、アレックスって…」
「愛称だろう、一人しかいない」
「だからセーバル言ったでしょ?アイツは信用ならないって」
先程から母親が呼んでいる『アレックス』という人物。それが主犯だろう、そして呼び方からわかるお互いの親密さ。主犯となる人物とベルの母親は特別な関係であったことが伺える。つまり犯人であると同時にそいつがベルの父親である可能性が高い。
もし主犯でありベルの父親なる人物が俺達二人の思い浮かべている人物と同一の者であるとするならば、母親が父親のことを隠しベルにも会わせていなかった理由もなんとなく見えてくる。そして離れて暮らしていながら彼女がベルを産みそのまま生き続けることができた理由も。
ヘルメットの男一人が彼女の拘束具を外し終えると、車両からはサーベルを大事そうに抱えた一人の男性が降りてきた。やはりこの男か… 澄ました顔をしてとんでもない悪党だったというわけだ。
こんなヤツがどうして…。
『代表、危険です』
『問題ない、彼女にお別れを言わせてくれ』
まるで本気で悲しんでいるかのようなその表情、本気で愛しているかのような物言い。
虫酸が走る。
「代表アレクサンダー…!わざわざ現場に出向いているとは!」
「変だよ… 何か変、どうしてこれから始末する相手に対してこんなに悲しみを露にするの?愛しているならそもそもこんなことをするはずがない… おかしいよ、間違ってる…」
「サイコパスの考えることなんて理解するほうがイカれている、だがこれでわかった… パークは今根っこから腐っている!」
だがまだだ。
俺はもう一度溢れだしそうなこの怒りを抑え込み続きを見ることにした。ここで主犯が代表だとわかっても証拠を掴めない、何かヒントになることを言うはずだと黙って見続けた。
『アレックスどうして?私達愛し合っていたのに…』
『あぁサーベル… もちろん今でも君を愛している、こんなことになって胸が押し潰されそうだ… でもダメだ、君を生かしておいてはいけないんだよ?本当にすまない… すまない…』
『考え直してアレックス… アレックス…』
代表はサーベルを彼女の元にそっと置くと立ち上がった。そして二人は見つめ合い涙を流していた。
サーベルタイガーは愛する者に裏切られ絶望と悲しみが溢れだしたであろう涙、代表はなんだろうか… 全て悟りきったような顔、自身の犯行でありながらこうするしかなかったと言っているかのようなこの顔。悲しんではいるように思える、だから目からは涙を流している… なのになぜだか後悔は微塵も感じられない。
本当に愛しているのなら、そんな相手を殺さなくてはならない理由とはなんだ?この状況を見る限りろくな理由でないことは確かだ。
やがて代表はヘルメット兵に指示を出し、無線連絡のようなもので今ここにいない者達にもそれを伝えているようだった。
『引き上げよう、予定通りセルリアンを数体配置してくれ、これで後始末は不要、なにも残らない。だが念のために“イーター”も待機だ、問題ないとは思うが彼女は弱っても隊長だ?もしもセルリアンがやられたら… その時は頼むよ?』
新しい単語がでた、イーター?
聞いたことのない名前だが、今見ている当時の様子や実際に体験した彼女の言葉を思い出すとそれがなんなのかなんとなく察しがつく。彼女を最後に丸飲みにしたヤツ… 恐らくヤツだ。
「
セーバルちゃんも察しは付いているようだ、眉間に力が入り、目を細め、あからさまに嫌悪感を露にしているのが伝わる。
やがてヘルメット兵の二人は手分けして辺りにカプセル状の物を設置し始めた、恐らくセルリアンの元となる物。あれに閉じ込められているのか、それとも時間と共にセルリアンそのものに成長するのかはわからないが、とにかくあれはセルリアンだ。
「カコが言っていたよ」
隣の君は、その様子を冷たい眼差しで眺めながら一人言のように呟く。
「フレンズの力…サンドスターはヒトの手で操るには相性が悪い、手に余る。これまでフレンズとサンドスターの研究にばかり焦点が当てられてきたけど、実は無機物を媒体にするサンドスターロウの方が利用しやすいんだって… 皮肉なものだよね?」
俺は目の前に広がるおぞましい光景から目を背けず、ただ黙って耳だけを彼女に傾けていた。返事はしなかったが、それでも彼女は話し続けた。
「カコはわかってた、その方がずっと技術が進歩するって… それでも手を出さなかったのはその代償にパークを滅ぼし兼ねないから、セルリウムもまた人の手には余るんだよ。なのに見て?あの連中はセルリアンすらも利用しようと自ら造り始めた!シールドブレイカーもあのイーターってやつも!太郎達ガーディアンはアイツらの尻拭いの為に戦わされてる!パークは崩壊に向かってる!内側から!」
サンドスターもセルリウムも、どちらも重要であると彼女は語っているのだろう。
セルリアンとフレンズ、双方は驚異的なバランスを常に保ち、今までもこれからも戦い続ける。フレンズがセルリアンを根絶やしにすることはできないし、セルリアンがフレンズを根絶やしにすることはできない。二つは表裏一体、どちらかが滅びかけた時、そのバランスを保つ為この星はパークで異変を起こすだろう。
つまり、星の意思とは裏腹に人の手でセルリウムを利用しそのバランスを崩すということは、この島そのものを崩壊させることを意味している。いやジャパリパークだけで済むのならまだ小規模と言えるかもしれない。サンドスターとセルリウムが外にまで影響を出し始めたとしたら…。
セルリアンとして生まれフレンズとして生きる彼女… そして星に愛される彼女だからこそ言える言葉だ。
星の巫女、それが今の彼女… セーバルという存在。
やがて記憶に動きがあった。
なんの目的なのかは知らない。
だがアレクサンダー、ヤツはパークを脅かした。最後に立つこともままならないサーベルタイガーにヤツは言った。
『さよならサーベル、生まれ変わった君にまた出会えたなら、その時はどうか罪滅ぼしをさせてくれ? …さぁ、出してくれ』
『はい』
『待って… アレックス… ベル、ベルのとこに帰して?ベル… くぅっ…!』
車は母親を置いて出発し、まっすぐセントラルへ向けて走り出した。彼女はその場に残されたサーベルを杖にようやく立ち上がり、息子の名を呼びながらヨロヨロと足を動かしている。ゆっくりだが一歩一歩と大地を踏みしめ息子の元へ帰ろうと。
だが彼女は帰れない。
結末は既に迎えている。
『こんな… ところで!』
設置されたカプセルが次々にセルリアンへと変貌を遂げていく。一体… 二体… 三体… とまるで卵から雛が孵るように現れ、彼女を囲む。
絶対絶命… しかし彼女は尚も剣を抜き敵に牙を向ける。
『邪魔するなッ!私はベルの元に帰る!あの子は… あの子だけは…!私が守らなくちゃならないのッ!!!』
パークガーディアン中央支部の総隊長サーベルタイガー。
セントラルの重役達を守るという最も責の重い役割を与えらるフレンズ。
鬼神の如き強さだった。
抑制注射とは恐らくフレンズの能力を阻害する薬を打つ注射だ、体内のサンドスターの働きを抑制し本来の力を発揮できなくさせる。無論野生解放などできるはずもない。証拠に戦う彼女の瞳に輝きは宿らない。
尚も、それでも尚、彼女は戦った。
運命に抗い、襲いかかる人造セルリアン共を切り伏せていった。
『…ゥゥゥウルルァァァアアアッ!!!!』
咆哮は天高く轟く。
息子の元に帰りたい。
そんな母としての強い意思だけで彼女は剣を振っていた。
そして…。
『はぁ… はぁ…』
彼女はセルリアンを全て倒した。
あの絶望的状況から、彼女は勝利を納めていたのだ。その姿に記憶を眺めるだけの俺達の胸に何か熱いものが込み上げた。
圧縮しているキューブ展開しサーベルを手に持つと、「よく頑張った」と額を当てて強く念じた。
『ベル… お母さん勝ったよ?今帰るね?ベル… すぐ帰るからね…』
抜き身のサーベルを杖代わりに歩き出すが、限界のさらに限界を超えてしまった彼女の足取りは重い。それでも少しずつ少しずつ、確実に前へと進もうという意思は消えない。
そして、時は来てしまう。
『ギィハハハッ!!!』
現れた。
「でた!お喋りクソ目玉!」
「満身創痍になって動けないところを… やり方がいちいち癪に触るやつ…!」
イラつく笑い声と共に地中から勢いよく飛び出し彼女の前へ現れた不気味な目玉だらけのモンスター。忘れもしないあの姿。
ヤツはこれから弱った彼女を宙吊りにし、そのまま丸飲みにする。
『ソンナボロボロナ体デアノ数ノセルリアンヲヤッチマウトハナ?火事場ノ馬鹿力ッテヤツカァ?流石隊長!妬マシイゼェ~!?喰ウニ値スル!ギィハハハッ!!!』
もう彼女には返事をする力も残されてはいなかった。虚ろな目を向けこれから己に起きるだろう運命に恐怖と絶望を感じているように見える。
杖代わりのサーベルを地面に突き刺したまま膝から崩れ落ちていく。また彼女の目から大粒の涙が滝のように溢れだした。
『あぁ… あぁぁぁぁ… ベル、ごめんなさいベル… ベル… お母さんもう…』
『ソウ泣クナッテ?笑ウ門ニハ福来ル!ギィッヒハハハハァ!?!?コイツァ極上ダァ!イタダキマァス!』
片足を掴まれ宙吊りにされた彼女は止めどなく流れる涙と共に最後まで息子の名を呼び続け、懺悔を繰り返した。
『神様どうか… どうか私にベルを守る力を… あの子を残してこんなところで死ねない!アレクサンダー!!!お前の首をハネてやる!!!殺してやる!!!よくもよくもよ…』
ゴクリ…。
気味の悪い音と共にヤツの腹の中に母親が消えた… 最後にその言葉は代表への怨みに変わり、補食されたその後も地面に突き立てられたサーベルが消えることはなかった。
『ゴチソウサマァ… ウマカッタ!ボス?任務完了ダァ、帰ラセテモラウゼェ?ギィッヒハハハハァ!!!』
ヤツは食事を終えると再度地面に潜り気味の悪い笑い声の残響を残す。その声は俺達の耳を侵略していき強烈な不快感を心に宿らせる。
「もういいよセーバルちゃん… ありがとう」
霧が晴れていく。
俺達がここに来たときは昼間だったが、既に日が傾き辺りを赤く照らしている。俺の心にはこの真っ赤な夕日さえも飲み込むほどの怒りの炎が燃え盛る。
「シロ…」
「駅まで送るよ、後のこと… 頼むね」
「うん、任せて?」
覚悟は十分過ぎるほどできている。
まずはイーターを始末だ。アイツがなんなのかというのはもうどうでもいい、これ以上アイツの下らん嫉妬でフレンズ達が食べられるのを守護けものとして見過ごす訳にはいかない。
母親よ、悔しいだろう?未練だっただろう?やつはチリ1つ残すつもりはない、今度こそ仇は討ってやる。ベルのこともどうか任せてほしい。
「じゃあ、行こうか」
「うん」
「そうだ、あの… セーバルちゃん?」
「ん?」
現場を離れ夕日を背に二人で歩き始めた時、俺はふと彼女に尋ねた。
「来年の春、桜が咲いたらお花見をしようか」
「えぇ?なぁに急に?もう春の話?」
「いやフィルターを君と代わる前にね、スザク様と約束したんだよ… 戻ったら宴会でもしましょうか?って、だから春になったらみんなを集めて… どうかな?」
一度キョトンした顔で俺を見た彼女は小さく笑い、すぐに良い返事をくれた。
「いいよ?準備手伝ってあげる」
「ありがとう」
「ところでシロってさ?」
返される質問に俺は少し考えさせられた。
「スザクと仲良いよね?デート… したんでしょ?」
「あぁ… うん、まぁね」
それが何を意図した質問だったのかはわからないが。彼女に言われて何故だか少し居心地の悪い感覚を覚える。
「どうして?」
「え?」
どうしてと言うのは何故デートなどしたのかということだろうか。
「セーバルとのデートは気が進んでなさそうだったけど、スザクとは素直にデートしたみたいだから… なんでかな?って」
「ん~… 命令?他意はないよ」
としか言いようがない… そう、あれは命令で仕方なく。 …何でこんな言い訳みたいなことを考えなくてはならないのだろうか。
「なにそれ?じゃあセーバルもシロに命令しちゃおっかな?」
「君は俺の上司?」
「セーバルの方が先輩でしょ?じゃあ命令!」
「はいはい… どうぞ?なんなりと先輩?」
呆れたような返事を返してはいるが、どこか楽しみにしているのを否定できないでいる。別に突っぱねることもできるのだが、聞いてみたいと感じているからだ。
「後ろ向いて」
「…なぜ?」
「いいから!命令!」
なんだかわからなかったが、俺は素直に従い彼女に背を向ける。夕陽が目にしみる。
「いいかい?」
と一声掛けると何も言わずにゆっくりと近寄る彼女の足音、立ち止まると俺の真後ろ… 本当に真後ろ、距離は数センチ程だろう。
「セーバルちゃん?これは… おっ…」
温かい。
背中越しに伝わる彼女の体温、感触… 腰に回され交差する両腕。
抱き締められている。
「あの、これは…?」
「もう一個命令…」
「…うん」
彼女の腕は強く強く俺を締め付けていた。これは何か心理学や生物学にまつわる理由なのかわからないが、こうして彼女に抱き締められていると妙に安心感を覚えた。
少し黙ると、彼女からもう1つの命令が届いた。
「勝手にいなくならないで…」
俺を掴んで離さない彼女の手に、そっと俺の手を重ねながら答えた。
「約束する」
「絶対ね?」
「うん」
「嘘ついたら許さないからね?」
「うん…」
震える声、体…。
それらに気付かない振りをして、俺は彼女が満足するまでただじっと待った。
長いようで短くもあり… 短いようで長くもある。
奇妙な時の流れ、それを心地好いと感じることを素直に受け入れられない自分。
君といると… こんなことばかりだ。
…
その時俺達を現実に引き戻したのは着信音だった。
「っと…」
「び、ビックリした… はは… 電話?」
「あぁ、うん… セイリュウ様?珍しいな」
セイリュウ様からの連絡は寧ろ初めてかもしれない、仕事の依頼もフウチョウを通していたからだ。何か大事なことだろうと思い俺はすぐに電話を受けた。
「セイリュウ様?どうかされましたか?」
『ボウヤ!そこにいてはダメ!早く家に帰りなさい!』
「え… どうしたんですか?なにか問題でも?」
『罠よ!ゲンブとビャッコとも既に連絡が着かない!早く帰って子供達を守りなさい!手遅れになる!私も手が離せない!…ッチィ!情けない!目を覚ましなさ… ブツッ
何が起きてる… 何が!
途中で通話が切れた、四神を脅かすほどの何かがあったのだ。しかし今はセイリュウ様の言う通り帰らなくては、胸騒ぎを通り越して吐き気がする。
「セーバルちゃん、四の五の言ってられない!飛ぶから掴まってくれ!」
「待って… 手遅れみたい!」
「なっ!?」
上空に飛行物体、ヘリか何かだ… そこから何か良くないものが降り注ぐ。
数体の黒い影、それらは着地と共に土埃を上げ俺達の前に立ちはだかる。
「こいつら…!」
「ヒト型!でもお喋りクソ目玉じゃない!」
ヤツほど大きくはないがヒト型の黒づくめ。まるで丸みを帯びた鎧のような物を着こんでいるように見える。
顔を上げると不気味な一つ目が俺達に向けられる。
「新手か!今急いでる!邪魔をするなッ!」
セーバルちゃんの前に立ち籠手とサーベルを構えた。
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