第20話/高校生

 恋って何だろう。

 正直わからない。

 人間的な好き嫌いの先にあるこの感情。

 全くわからない。

 どう違うのか。

 必要か必要じゃないか?

 守りたいかそうでないか?

 大切なものは総じて大切だし、傷付けてはいけないのは全部同じじゃないの?

 自分には涌き上がることのない特別感。

 謎でしかない。


 あぁ、アレか。

 ヤリたい相手か、そうでないか。

 そりゃ、お年頃になれば、シたいものはシたい。

 気持ちいいなら是非とも、ね。

 この手で包みたいし逆に包まれたい。

 でも、それ以上の感情はない。


 こんなことを言うとヤバイ奴認定されるから誰にも言わないけど、次から次へと恋人が変わるアイツも実は同じだったりして。

 そんなわけないよな。

 でも、気になる。

 さりげなく聞いてみるか。


「歴代彼女のどこが好きなん?」

「んー……おっぱいがふわふわでお尻がきゅってしてて、腰がメッチャ細くて肌がちょースベスベで、ぽってり唇とかむにゅって柔らかいし目元のホクロとか……」

 全てに中身がなくて、逆に潔い。

 やはり、ヤれればOK的な?

「はぁ、何言ってんの? 〈好き〉が無いのにヤれるかってーの」


 そうか、やっぱり有るんだな、その感情。

 俺には一生解りそうもない、その感情。





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