第14話/大学生
オガちゃん。
みのりん。
たまちゃん。
高校入学当時からそう呼び合ってきた私達も成人式を迎える大学生になっていた。
街の賑わいとともに近付くクリスマス。
彼氏のいない私達は同じバイト先で当日も顔を合わせる事だろう。
でも、今年はちょっぴり変わるかも知れない。
◆ ◆ ◆
突然ですが、私はみのりんが好きだ。
勿論、ラブ。
一目惚れだ。
みのりんは可愛い、優しい、ちょっと天然で笑顔が眩しい、正に理想の好みのタイプ。
人当たりも良く、気遣いも万全、馬鹿話する私にオガちゃんと一緒にいつまでも付き合ってくれる。
だから、意を決して伝えてみることにした。
「みのりんのことが、好き。私と付き合って欲しい。お願いします!」
驚きの大きく開かれた瞳。
からの優しい眼差し。
「ごめん、声の大きさに戸惑った。直球だけど、たまちゃんらしくていいんじゃない?」
オガちゃん相手に伝え方の練習をする。
普段は虚勢を張って気の強い私だが、蓋を開ければ超絶気にしぃの大ビビり子ちゃん。
なので、それとなくオガちゃんに相談してみると、白い目で見ることも茶化すこともなく、真剣に話を聞いてくれたのだ。
親愛なるオガちゃん、ありがとう。
さぁ、覚悟は決まった。
あとは私の〈勇気〉=〈言う気〉次第だ。
◆ ◆ ◆
「たまちゃん、ごめんなさい。その気持ちに応えることは出来ない。私、好きな人がいる」
だよねぇ、知ってた。
でも、みのりんも私の言うことを冗談で済ませることも無く、真っ直ぐに返事をくれた。
それだけで充分だよ。
なので、お礼とまではいきませんが、今度はあなたの背中をドスドス押させていただきます。
「
みのりんの想い人は今年入ったバイトくん。
相手が年下なので足踏みしている。
「休憩の時に二人だけの時間を作ってやるから、気後れせずに頑張れよ! ほら、笑えー!!」
これが最後の愛のボディタッチ。
頬をむにむに、びよんと触りまくる。
申し訳なさげな顔から笑みが零れる。
「ありがとう、たまちゃん」
私の大好きな、みのりんの可愛い笑顔。
うん、やっぱりそれが一番!!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます