第6話
女子生徒を助けた俺はすぐさま帰宅した。
紗希はまだ晩御飯を作っている途中だった。
なので俺はシャワーを浴びることにした。
シャワーを浴びた後、髪を乾かしていると、
「おにーちゃん、ご飯できたよ」
紗希の声が聞こえた。
どうやらご飯ができたらしい。
「はーい、今行くー」
俺はリビングにに向かった。
そこには沢山のご馳走があった。
「紗希さんや、なんだいこのご馳走は?」
「これは入学祝いだよ」
「名付けて、『今日、あったことを話す会』だよ」
名前が安直なのは置いといて、ただの転校なのに大袈裟だな。
まぁ、色々と紗希にも話を聞きたかったからちょうどいいか。
それから俺たちはご飯を食べながら今日あったことを話した。
「へぇーそんなことがあったんだ、それよりおにーちゃん友達できた」
「友達?う〜ん、できてない」
そういえばまだ友達らしい友達はできてなかったな。
黒瀬さんは友達っていうことでいいのかな?
明日は友達を作ろうかな?
「友達じゃないけど、一応知り合いはできたよ」
「どんな子なの?」
「隣の席の女の子で、学級委員長をしてる子」
「ヘぇ〜」
「そういう紗希はどうなの?」
「う〜ん、今日は質問はばっかで、友達はできなかったな」
そんな話をしていると、時計の針は11時を回っていた。
いつもなら11時には寝ている時間だ。
俺と紗希は慌てて寝る準備をした。
ベットに入って、最近ご飯を紗希に任せっきりだなと思ったので、明日は早起きして朝ごはんと、弁当を作ろう。
そう思って眠りについた。
<午前5時>
日の出とほぼ同時に起きた俺は早速料理を始めた。
いつも紗希は6時ほどに起きているらしいので、それまでには作り終えたい。
今日のお弁当のメニューはこれだ‼︎
:ご飯(ふりかけ)
:卵焼き
:アスパラガスの肉巻き
:野菜炒め
:ウィンナー
:切り干し大根
ご飯は5時45分に炊き上がるように炊飯器を設定しているので、それまでに作らないといけない。
それから40分ぐらい経った。
「よし、完成だ」
すぐに終わると思っていたが、結構かかってしまった。
いつもこれを紗希がしてくれていると思うと、紗希には感謝しかない。
それから朝食も作った。
我が家は和食と洋食を一日ずつ食べている。
昨日は和食だったので今日は洋食だ。
ハムサンドにするか。
早速ハムサンドにを作った。
ハムサンドはパンを半分に切ってその間にハムと野菜を挟むだけの簡単なものだ。
すぐに完成したの制服に着替えて待っていた。
「あれ?電気がついてる?」
紗希が起きてきた。
「あっ、おにーちゃん、珍しいね」
「おはよ、朝ごはんと弁当は作っておいたから何もしなくていいよ」
「珍しいね、早起きするなんて」
「いつも紗希にはお世話になってるからね。たまにはね」
それから俺たちは朝ごはんを食べた。
今日は時間が余ったので早くに家を出て、学校に行くことした。
<教室>
朝早いこともあって教室には誰もいなかった。
少し席に座ってぼーっとしていると教室の扉があいた。
「一ノ瀬君おはよう」
「黒瀬さんおはよ。早いね」
来たのは黒瀬さんだった。
「あなたも早いじゃない」
「今日だけね」
そこからは人が来る前まで2人で話をした。
人が来てからは、俺は読書をしていた。
今日は教科書かあるので黒瀬さんに借りる必要は無い
今日は特に問題もなく授業が進んだ。
そして放課後になった。
<放課後>
「黒瀬さん、何してるの?」
「学級日誌書いてるの」
黒瀬さんはこちらを見ずに答えた。
「それって、黒板にある週番が書くものじゃないの?黒瀬さん今週週番じゃないでしょ」
「うん、でも誰も書かないから、私が書いてる」
黒瀬さんは立ち上がって掃除用具入れの近くに行った。
俺もついていこうとした、
「優馬く〜ん、そんな女に構ってないで、私たちとこれから遊ばない?」
昨日と同じ月宮さんたちのグループだ。
「ごめん、放課後はサッカーの練習があるし、それに今は黒瀬さんと話してるから」
そういうと、月宮さんは少し顔を顰めて言った。
「そうなんだ〜、練習が頑張ってね〜」
そう言って帰っていった。
「黒瀬さん、掃除するの?」
「うん」
「なんで1人なの?」
「当番はいるけどしようとしないから、私がする」
「一ノ瀬君、もう私に関わらない方がいいよ」
「なんで?」
それから、黒瀬さんがいつも1人な理由を聞いた。
毎年10月にこの学校は文化祭を中高合同でするらしい。
そこでは学年で男女3人づつ推薦で選ばれて、ファションショーするんだとか。
去年女子は月宮さん、黒瀬さん、あとはサッカー部マネージャーの人が選ばれたらしい。
それで月宮さん以外の2人が入賞してしまって、ハブられているらしい。
なんと、月宮さんは理事長の孫娘で、みんなを脅して、黒瀬さんたちをハブっているんだとか。
「だからさ、一ノ瀬君も、もう私に関わらないほうがいいと思うよ」
「俺は、黒瀬さんと友達になりたいんだげど、ダメかな?」
「えっ?」
黒瀬さんは驚いたように言った
「なんで?月宮さんは理事長の孫娘なんだよ、逆らったら何されるか分からないんだよ」
「月宮さんはたまたま理事長の孫娘だっただけで、それは自分で手に入れたものじゃない。俺はそうやって強者にすがる狐は嫌いだ。だからさ俺は黒瀬さんと友達になりたい」
そして強引にほうきを取ると
「さっ、掃除しよ」
俺は黒瀬さんと掃除をした。
掃除が終わると黒瀬さんが話しかけてきた。
「一ノ瀬君、私たち友達になんだよね?」
「えーと、嫌だった?」
「ううん、嬉しかった。だからさ私のことを今度から舞って呼んで?」
首を横に振りながら黒瀬さんは答えた
「えっ、舞って一ノ瀬さんの下の名前だよね?」
「うん、ダメかな?」
「ぅー、わかった、舞その代わり舞も俺のこと優馬って呼んでね!!」
「わかった、優馬君」
それから俺たちは連絡先を交換して別れた俺はサッカー部の練習している競技場に向かった。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
サッカー部のマネージャーは2、3話あとぐらいに出ます。
次は黒瀬舞sideです。
※3話を少し変更しました
優馬の学年を
2年2組→1年2組
に変更しました。
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