第2話

トレーニングの前に美容院に行って髪を切った。

紗希の言うとうり最初はすごい引かれたよ。

うん、これからはちゃんと身だしなみを整えようと思ったよ。


「全体的にさっぱりにお願いします」


「は、はい」


女の人だったけどる綺麗な人だったなぁ


最後に前髪を切り終わると


「終わりましたよ。鏡をみてく...ださ..い.」


そう言うと女性は鏡から顔を背けた。

そんなに僕の顔はひどかっただろうか?

結構自信があったんだけど、自信無くしたな。

でもどうして顔が赤いのだろう。

熱でもあるのかな?


「あ、あの、大丈夫ですか」


「は、はい、だ、大丈夫です」


「あ、あの、連絡先交換しませんか?」


「は、はい?」


「えーと、あの、これに連絡してくれたら優先的にできますし、何か髪のことで相談があったらしてください」


おー、優先的にしてもらえるのはいいな。

でも連絡先を交換する必要はあるのだろうか。

最初に聞いた時は告白でもされるのかと思ったけど、流石にこんな僕と付き合いたい人はいないよね。


これが美容院で起こった出来事だ。

今は駅で紗希を待っているところだ。

さっきからちらちら見られてる気がする。

でもなんでだ?やっぱり僕の顔は酷いのか?


「ねえ、あの人ちょーかっこよくない?」


「どこかのモデルさんかな?」


「声掛けて見ない?」


なんかザワザワしてるな。

何話してるんだろ。

あ!なんか来る


「あの、これから時間ありますか?」


「えっ、これからはちょっと」


「え〜、いいじゃないですか〜」


「あの、今待ち合わせしてて」


「じゃあそれまで話しませんか?」


「おにーちゃん、あれどうしたの?」


紗希いいところにきた、おにーちゃん感激。


「妹が来たので、これで」


「じゃあこれどうぞ」


「えと、これは?」


「私の連絡先です。暇な時間があれば連絡してください」


「あ、ちょっと」


そう言い残して女の人は行ってしまった。

やっぱり女性っていうのはわからない。


「おまたせ、おにーちゃん」


「お、おう」


「待った?」


「少しな」


「もう、そこは『俺も今来たとこ』って言う場面でしょ」


「えっとそうなの」


「そうだよ、こう言うところも鍛えないとね」


そんなことを鍛えたってどうせ意味はないんだからいいじゃないか。

女の子とデートなんて、したことないし。


「そんんなことより髪切ったんだがどうだ?」


「ちょーかっこいいよ。これで学園生活バラ色間違いなしだよ」


そう言って紗希はサムズアップをした。


「バラ色はないだろ。まあ、前みたいに避けられることはないと思うけど。」


「もー、わかってないなー、まっ、そう言うところも個性なのかな〜」


「ん?なんか言ったか?」


「いいや、なんでも」


なんだよ、兄妹だろう隠し事はなしだろ。

でも、紗希もそう言う時期だから隠し事は普通かもしれない。


それから俺と紗希はジムに行った。

ジムに行く途中はとても居心地が悪かった。

どうやら俺たちは付き合っていると思われているらしい。

そんなわけないだろ、兄妹だぞ兄妹。

そりゃーまぁ、紗希は可愛いのに俺はパッとしないから釣り合ってないと思われるかもしれない。


「えへへ、おにーちゃん私たち付き合っているって思われてるね‼︎」


「俺とそう思われてもいいのか?」


「前のおにーちゃんなら嫌だったけどる今のおにーちゃんならいいよ。かっこいいし」


妹よ。ありがとう。こんな俺を格好いいと思ってくれて。

おにーちゃんは嬉しいぞ


「あ、言い忘れてたけど明日から走ってくることね」


え........

今なんて?


「アノー、紗希さん今なんて?」


「だ・か・ら、明日からここまで走ってきてねって言ってるの」


前言撤回、紗希は悪魔だぁぁぁ

ジムの前に走るって何????

それは拷問かなんかですか?拷問ですよね。


「えーと、紗希さんこれほんと?」


「そうだよ、私はいつもしてるよ」


「そ、そうなんだ、へ〜」


「普通じゃないの?運動前のウォーミングアップ」


それにしては過激すぎるよ‼︎‼︎

ジムって家から電車で30分くらいかかるからね‼︎

走ったら一時間かかるよ

トレーニング前にバテて倒れちゃうよ


「紗希さんそれはあなただけだと思うよ」


「え〜そんなことないよ、でもお兄ちゃんもしてもらうからね」


「えっ、やだよ」


なんでそこまでしないといけないんだ?

俺はマッチョになりたいわけじゃないのにぃ


「す・る・の‼︎」


あっ、これ逆らっちゃダメなやつですね。

逆らったら何されるか分からないですね。


それからは言葉にできないほどきつい日々が続いた。

毎日全身筋肉痛で、そのからだで往復に時間走りトレーニングをする。

紗希はどうしてこんなことができるのだろう。

そして夏休みが終わった。

明日から学校が始まる....













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