第23話



朝練な気分では無かったので、とりあえず始業時間にあわせて学校に行ったのですが、この日は心配したおばぁが学校まで車で乗せていってくれました。



おばぁは自分の夫を亡くしたばっかりなのに、余計な心配をさせて申し訳ない気持ちで送ってもらい、



おばぁ「しんどかったら電話してきたら迎えに来るから。」



そこまで気を使わせてしまった自分自身が情けなくなりました。



あき「大丈夫!友達もおるから、どうにかなるよ!」



精一杯の作り笑顔で



あき「行ってきます!」



と、校門をくぐりました。




すると担任の先生にちょうど会い、



担任「大変やったな、よぉ来たな」


と声をかけられました。



あき「大丈夫です!」


また大丈夫でもないのに笑顔で答えてしまいました。



教室に入ったら、皆が「おはよ!」と、声をかけてくれ、休んでいた間のノートをくれたり、なおは抱き締めて迎えてくれたりしました。



そして、誰かが知らせに行ってくれたらしく、教室にゆうちゃんが来ました。



心配そうに見つめながら頭をポンポンとして、「大丈夫か?」って聞いてくれました。



あき「うん!大丈夫!!」



心にもない大丈夫を学校にきてずっと連発していました。



担任「おはよ~、始めるぞ~!ゆう!お前も自分の教室戻れ~」



担任が来たので皆席に付き、ホームルームも終わり、通常の生活が始まりました。



授業を受けつつもボーっとしてて、でも、休み時間に人が来たらニコニコ対応して、大丈夫なフリをしていました。



そして、魔の3限目、おじぃの知らせを受けた時間付近になると『人殺し』の声が大きく響いてきました。



震えが止まらなくなりましたが、他の人に気付かれないように両腕に力を入れ、授業が終わる時間になると、力が入らず机に突っ伏してしまいました。



異変を察知した目野君がゆうちゃんを呼びに行ってくれました。



ゆうちゃん「あき?どした?大丈夫か?」



ゆうちゃんの優しい問いかけに答えることも出来ませんでした。



大丈夫って言わな!みんな心配する!



思っているのに行動できない・・・。



情けなくて、もどかしくて・・・。それでも何とか授業を受けきり、一日が終わりました。



部活、どうしようかな?って思ってたら、ゆうちゃんが誘いに来ました。



ゆうちゃん「あき!見学でええから部活行こ!」



迷いましたが、とりあえず見学でもいいなら行こうかな・・・、と思い、部室に行くと、思ったよりも普通にみんなが出迎えてくれました。



センパイたちには休み時間を使ってゆうちゃんが説明していてくれたらしく、だれもおじぃの事については触れず、ちょっとだけホッとしました。



皆が矢を射るのを見ながら、ボーっと時間が過ぎました。



部活も終わり、今日は自転車も無いので電車で帰ろうと思っていました。



ゆうちゃん「あき、ゆっくり歩いてかえろうや!」



ゆうちゃんに声をかけられ、『気晴らしにはそれもいいかな』と、了承しました。



ゆうちゃんに促され、告白された時の公園に立ち寄り、また2人でベンチに座ってボーっとしてました。


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