第5話
ゆうちゃんが汐ちゃんと別れてすぐ、同中の原センパイから頼まれたことがありました。
原センパイ「あき、お願い!」
あき「え~・・・。いくらセンパイのお願いでも、知らん人に会うのは嫌です。」
原センパイの友達に会ってくれないか?ってお願いでした。
原センパイ「ホンマええ奴やから大丈夫!この前うちとあきが歩いてるん見て、紹介してくれって煩いんや!な!お願い!!」
気が進まなかったんですが、汐ちゃんと別れたからと言ってゆうちゃんとどうこうなる未来は見えませんでした。
友達の元カレと付き合うなんて夢のまた夢・・・。
『このまま片思いを続けてモヤモヤするくらいなら、いっそのこと新しい出会いを求めるのもありかも』
そんな風に思えてきて・・・。
あき「とりあえず会うだけで良いんですよね?」
原センパイ「あき~!ありがと~!!」
一回会って、無理って思ったらやめたらいいか・・・。
そう思って会うのを了承してしまいました。
・・・今はそんな安易な思い出会った事を後悔しています・・・。
原センパイ「あき!明日、この駅に黒い軽自動車でハマキっち迎えに来るから、10時位に駅集合でええ?」
あき「・・・はい。ホンマに一回会うだけで、もう無理って思ったら次回からは無視って良いんですよね?・・・てか、センパイ明日来てくれないんですか?」
原センパイ「ごめーん!明日うちデートやねん!それに、ハマキっち、ええ人やからあきも気に入ると思うよ?」
あき「・・・・・・はぁ・・・・・・」
気が重くても2つも年上のセンパイの言う事なので無下にもできず、集合場所の駅に向かいました。
ハマキ「あきちゃん!」
声の方を振り向くと、既に黒い軽自動車が止まっていました。
あき「・・・おはようございます。」
ハマキ「おはよぉ!ドライブ行こう!とりあえず乗って!」
『え?初対面の人の車に乗るの?』
物凄く抵抗があったので
あき「さすがに初めて会うので、車に乗るのは遠慮したいんですけど・・・」
ハマキ「だって、この辺、田舎やから車無いとどこにも行けんやん?それに駐車場も無いねんから、車止めて電車でってのも無理があるし」
あき「いや・・・でも・・・」
ハマキ「『あきちゃんが無理って思ったらちゃんと送る事』って原っちと約束してるから大丈夫やで!」
・・・原センパイの名前を出されると弱く、仕方なく車に乗りました。
ハマキさんは話をするのがすごく上手な人で、適度に笑いを挟んだ会話が出来る人でした。
ただ、運転技術が乱暴でちょいちょい気になる部分があって、交差点の度にクラクション鳴らすとか、前の車がノロノロ運転してたら指でハンドルをカッカカッカ弾いたりしてました。
『う~ん、原センパイには悪いけど、うちには合わないな・・・。好きになれそうもないし、今回だけで会うのはもうお終いにさせてもらおう。』
そう思いました。
ハマキ「ちょっと休憩~!疲れたぁ!」
そう言って車が高速道路の高架下に止められました。
『ん?なに?なんでこんなとこに車止めんの?』
でも、茂みとかではないし、そこそこ車通りがあるところだったので『単に車停められる広めのスペースやから停めただけかな?』って油断した瞬間、いきなりキスされました。
そして、ビックリして硬直していたら、手をとられ、ハマキの股間に押し付けられそうになりました。
あき「ちょ!なにすんですか!やめてください!!」
そう叫びながら車から飛び降りました。
ハマキ「ご、ごめんごめん、あきちゃん可愛いからついw」
あき「はぁ?頭悪いんですか?警察呼びましょか?」
ハマキ「いや、ホンマそんな無理やりってとか思てないから!」
あき「そんなアホな言い訳通用すると思てるんですか!?同意なしにキスするだけやったって犯罪ですよ!?もちろんこのことは原センパイにも報告させてもらいますから!」
ハマキ「ホンマごめんて!もう絶対せんから!」
あき「初対面で何してんねん!ホンマにふざけんなよ!クソが!」
ハマキ「ホンマにごめんて!本当にもう指一本触らへんからとりあえず車に乗って・・・。」
しばらくは車に乗る乗らないで揉めていたんですが、交通の便が悪すぎて帰る手段もない場所で、親に迎えに来てもらう訳にもいかず、仕方なく車の後部座席に乗り込みました。
あき「お前がしようとした事、レイプ未遂やからな!わかってんねやろな?これ以上なんかしたら速攻警察駆け込むからな!」
内心はかなりビビッてましたが、それを悟られると何されるかわからないので、かなり強がってました。
ハマキ「いや、ホンマごめんて・・・」
とりあえず急いで車から降りたくて、待ち合わせした駅より手前にあった事から、自宅から最寄りの駅まで送らせました。
ハマキ「あきちゃん!また会うてくれる?」
あき「ふざけんな!会うはずないやろ!消えろ!」
捨て台詞のように言葉を吐いてとりあえず念のために自宅から反対方向にある幼馴染のたーちゃんの家に向かって歩いて行きました。
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