第148話 王女に呼ばれて
「んん…」
「…ナル様。ミナル様」
「んぁ…おはようキロル」
「相変わらず寝相が悪いですね」
「そうなの?」
「自分の見た感じですが」
周りを見ると毛布は床に落ちて、着ている服も若干脱げていた。
「ご飯ができました」
「あぁ、うん。分かった…今行くから待ってて」
「分かりました」
そう言うとキロルはミナルの寝室から出ていった。
「ん〜はぁ。よし」
大きく背中を伸ばすと目が覚めた。ボサボサになった髪をとかして、服を着替えていつものミナルになった。
「お待たせ」
「ではいただきましょう」
「そうだね。いただきます」
今日の朝食はパンケーキだった。しっかりとシロップがかかっていてとても美味しい。
「にしても良い感じに賑やかになったね」
「そうですね」
周りをみると前に買ったぬいぐるみが沢山あった。
「まぁこれ以上増やすと家がぬいぐるみで溢れそうだね」
「それは言い過ぎでは?」
「そうかな?」
そう言ってフフッと2人は笑った。
コンコン
「ん?」
「私が出ますね」
玄関のドアをノックされた。誰か来たらしい。
ガチャッ…
「なんでしょうか?」
キロルが誰かと話している間、ミナルはパンケーキをパクパクと食べていた。
「無限に食べれそう。それは言い過ぎか」
「ミナル様」
「なんかあったの?」
「まず王城の兵士がやってきました。そしてミナル様と私が王城に呼ばれました」
「えぇ…なんかあったのかな」
「それがどうやら、レベッカ王女が会いたいと」
「レベッカ王女が?」
「本当に来てくださいと言ってました。何か手を焼いているのでしょうか?」
「うーん。まぁいいか。いこう」
「承知しました。あと城の馬車が家の前に止まっているのですが」
「えっ⁉︎それ早く言ってよ〜」
「すみません」
ミナルとキロルは急いで準備、とは言っても歯を磨いたりするだけなのだが終わらせて家を出た。
「お待ちしておりました」
「貴方は?」
「私はレベッカ王女の執事を務めてます。サロモンといいます。話は馬車の中で」
「分かりました」
サロモンは執事を長年やってきた感じだった。白髪だったので歳はとっているのだろうと思った。
ガチャッ
馬車の扉が閉められた。
「では城へ」
手綱を握る兵士に言うと馬車が動き始めた。
「まずは急な呼び出し申し訳ございません」
「いえ、驚きはしましたが。レベッカ王女の命令ですか?」
「はい」
「別にいいですよ。それで何かあったのですか?」
「少し耳を近づけてください。そして誰にも言わないでください」
ミナルは何か重要な事だと思った。
「数日後、レベッカ王女が暗殺されるかもしれません」
「…それで私達は?」
「護衛の方を」
ミナルはなんとなく話が分かってきた。
「ほぼ付きっきりで護衛をしてほしいというわけですか」
「そうゆう事です」
どうやらミナルの次のクエストは護衛クエストになりそうだ。
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