第138話 むにむに
ムニムニムニ…
誰かがミナルのほっぺをつまんでいる。それはキロルだった。
「凄い柔らかい…しかも寝顔も見れたので疲れが一気に吹き飛びましたね」
小さな声で呟いた。ミナルはまだすぅすぅと寝息をたてたまま寝ている。
どうしてこうなったかは少し遡る事になる。
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「ただいま帰りました。ミナル様は帰っていt…寝ていますね」
ミナルが帰って寝てから暫くしてキロルが帰ってきた。深い眠りについているようだった。
「夕飯作りましょうか」
今日はパスタを作るつもりだ。キロルはあまり音を立てないで作ることにした。
サァク…サァク…
なるべくミナルが起きないように包丁で野菜などを切る時はゆっくりとスムーズに切った。しかし効率は悪かった。
「うーん…もう少し早く切れそうですね」
次やる時までには誰かが寝ていても静かにシュバババッと作れるようにと考えた。
「水が沸騰しましたね…麺を茹でましょう」
キロルはテキパキと作っていった。そしてパスタが完成した。誰か見ても美味しそうとしか言えない見た目であった。
「凄いですね。私ながらに良いのができた」
キロルは作ったパスタを皿に移した。そしてパスタがテーブルに並べられサラダなども皿に盛られ並べられた。夕食が出来たらしい。
「ミナル様はまだ寝ていますか…起きるまですこし待ちましょう」
キロルはミナルが起きるまで待つ事にした。いつもなら起こしていたがなんとなく起こしてはいけない気がした。
「にしても…こんな無防備に。家だから良いですけど。まぁ私だけの特権ですね」
フフッとキロルは笑った。ミナルの寝顔を見れるのはキロルだけだった。
「それにしても…美しいですね。本当に」
キロルは改めてミナルを見た。自分は亜人。腕などには毛が生えている。ミナルは何故か「いやもふもふできるから!」と言っていた。
「ようやくもふもふの意味が分かりましたけどね」
たまに疲れた時、尻尾などを撫でたり顔を埋めたりしていた。ミナルは「ぬはぁ〜」と声が漏れていた記憶があった。
ムニ…
「はっ⁉︎今私は…」
無意識の内にミナルのほっぺを摘んでいた。ミナルのほっぺは柔らかかった。
「ちょっとだけなら…」
ミナルは寝たまま目を覚さない。キロルはいけると思ってしまった。
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ムニムニムニ…
そしてさっきに戻る。キロルの顔はへにゃぁと柔らかくなっていた。
「美し可愛いです」
ムニムニムニ…
キロルはこの時間が永遠に続いて欲しかった。しかしそれは突然終わりを迎えた。
「んん…キロル?どうして私のほっぺをムニムニしてるのかな〜」
「あっ」
ミナルが起きてしまった。
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