第113話 悪い予感

「ではこれからポーションを作っていきたいと思います」

「あの…」

「ハジメはどこに?」

「ハジメ君は図書館にいます」

「えっと何故ですか?」



まぁ疑問に思うのも仕方のない事だよね。



「ポーション作りに必要な事はなんですか?」

「魔力ですよね」

「それが答えです。それに何もする事がなく寝てしまうよりも本などを読んで知識を身につけたほうがハジメさんには適してます」

「分かりました」

「この授業が終わったら会いに行けますから」


ミナルは授業を開始した。


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

「ですのでここをスムーズにやらないと性能が低いポーションになるので気をつけましょう」

「「「「「はーい」」」」」


ミナルは生徒達がポーションを作っている最中、何もする事がないのでボーッとしていた。


最初の頃は手順などを教えないとダメだったので歩いて見回ったりしていたのだが、そこはもうできているので問題はなかった。


「暇なので…キロルの位置でも見てみますか」


ミナルは全知の眼球を発動した。するとこの王都全体の構造や地形、そして人物の位置などが記された地図が浮かんできた。


「キロルは…ここですね」


パッと見てこれがキロルだと思った。



多分キロルは野菜や肉、魚などを買っているから私のためなのかな。ありがたい。



キロルの位置は把握したので地図を元に戻した。遠くから見てみると無数の点が小さく動いていた。これが人なのである。


「にしても人というのは不思議です」


遠くから見てみる人というのは人が動き、お金が動いて国がまわる。そう考えるとなんて言えばいいのかミナルはわからないが凄い不思議だと思った。


「これは…何でしょう?」


地図を見ていると赤く点滅している点があった。ミナルは何か嫌な予感がした。気になったのでそれを拡大して地図から立体にして見えるようにした。


「まさか…」


そして嫌な予感は的中していた。地図にまた戻ると赤く点滅した点が一気に増えていた。



あっまずいこれ。でもまだ大きな動きは無さそう。それでもいつか起きるよね。



コンコン…


教室の扉を誰かがノックした。


「誰ですか?」

「マリーです。ミナルさん話があります」

「分かりました。みなさんはポーションを作っていてください」


ミナルは教室の扉を開けた。


ガチャッ…


「話とは何でしょう?」

「次元干渉が多数確認されたので緊急会議として王城に呼ばれる事になりました」

「やはりですか…」

「気づいていたのですか?」

「さっき気付きました」

「そうですか。この授業は私が臨時で担当します。あなたはキロルさんを探して王城に行ってください。一刻も早くしないとまずい事になります」

「分かりました。少し待っててください」


ミナルは教卓に戻って生徒達に言った。


「緊急で王城に行かないといけなくなりました。なのでこの授業の臨時担当はこの学校の校長であるマリー校長が担当します。では私は急いでいるので」


ミナルはマリーの横を通って教室から出て行った。


「まずはキロルに念話で話すところからだね」


ミナルは急いで学校から出てキロルに念話を飛ばす事にした。

_________________________________________

ヤバいって…


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