第112話 スタンビートとは
ミナルと雑談をしている中で1つ聞きたい事があった。
「あの…聞きたい事があるんですけど」
「何でしょう?」
「この休みが終わったあとキロルさんが小規模なスタンビートを起こして俺がそれを抑えるって言ってたんですけど…」
「言ってて何か疑問が?」
「スタンビートって何らかの拍子でダンジョンとかで魔物が大量発生して暴走し始めるんですよね?」
ハジメは自分のいた世界でそうゆう知識はあったのでなんとなくスタンビートも分かっていた。
「えぇ。まぁそうですね」
「それで…スタンビートを起こすのって出来る事なのですか?」
「なるほどそうゆう事でしたか」
キロル…しっかり説明してほしいなぁ。いつも淡々としてるし。まぁ中身は私に甘えてるんだけどね。
「答えはできます」
「どうやってやるんですか?」
「ダンジョンというのは魔力に満ちた場所です。なのでモンスターが死ねば新たなモンスターが生まれるという仕様となってます」
ハジメは頷いていたのでミナルは話を続けた。
「ですが…魔力が枯渇、もしくは溢れている状態だと話は変わります」
「えっ?」
「枯渇すればダンジョンというのは死にます。まぁただの洞窟になったりしますが…」
「枯渇はまぁ仕方ないとして…溢れたのならどうなるんですか?」
「いいですか?さっきダンジョンの仕様を教えましたよ」
ハジメはうーんと少し考えて「あっ」と声を出した。
「モンスターを過剰に生み出して溢れている状態から満ちた状態にするために?」
「正解です。つまり?」
「過剰に生み出したモンスターの制御がとれなくなって暴走を起こす…」
「大正解ですね。なので魔力をダンジョンに強引に込めればなんとかなりますよ」
ミナルが強引と言った瞬間、ピクっと反応した。
「だからこその魔導具ですか?」
「そうですね。魔力をそれに込めて魔導具がダンジョンの魔力に変換してそれを込めます。するとスタンビートが起きます」
「なるほど…もしかしてその魔導具作ったのって」
「私です」
思った通りだった。おそらく普通なら作れないであろう魔導具だがミナルだからこそ作れるのである。
カランカラン…
鐘の音が鳴った。授業が終わった合図だった。
「さてと…では皆さん次は教室です。戻ってくださいね」
「「「「「はーい」」」」」
生徒達が「疲れた〜」など色々言いながら戻っていくのを見てミナルはハジメに言った。
「次は教室でポーションや錬金術などをします。魔力が無いと出来ないのでどうしますか?」
「じゃあ図書館に行って色々読んでます」
「いいですね。分かりました。場所は分かりますか?」
「はい」
「そうですか、なら終わりの鐘が鳴ったら戻ってきてください。ではまた」
「分かりました」
スタスタとミナルは教室に向かって行った。
「言われてみれば魔力ないのにここまでこれたのは凄い事なんだよな?」
そう思いながらハジメは図書館へと歩いて行った。
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まつたけ
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