第107話 モンスターボックス(sideキロル)

冬になりミナルが次元干渉について色々していた頃、キロルとハジメは…


「後ろです」

「はい!」

「上からもきます」

「はい!」


キロルが指示してハジメがモンスターを斬って斬って斬りまくっている。


「まだまだ来ますからね」

「分かってます!」


今いるのはダンジョンの中にあるモンスターボックスと呼ばれる一種のトラップ部屋だった。そこに入るとモンスターを全て倒さないと出ることはできない。そしてキロルとハジメのいるダンジョンはAランク以上が入れるダンジョンだった。


「さて…私は紅茶でも飲んでますか。あっ右からきますよ」

「そんな優雅に飲んでる場合ですか?」

「心配できる余裕があるならそれを戦闘に集中してください」



ハジメさんはかなり強くなったと思います。剣の腕だってAランクに並ぶぐらい上達しました…モンスターボックスのモンスターはAランクかBランクのモンスターで弱点を見抜いて斬っていますからもう一段レベルを上げますか。



〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

「はぁはぁ…なんとか終わりました」

「お疲れ様です。まさか最後にボス級のモンスターが出てくるとは思ってませんでしたがよく頑張りましたね」


モンスターボックスは基本的にそのダンジョンの中でボスモンスター以外のモンスターが襲ってくるのだがボス級のモンスターが最後に現れたのは予想外だった。


「死にかけました…」

「でも最後の斬るところはよかったですよ」

「そうですか?ありがとうございます」


ハジメは照れていた。


「さて…モンスターボックスは今日で終わりにします。1週間はゆっくり休んでください」


そう言うとハジメは首を傾げた。


「疲れたので1週間休みというのは良いんですけど…ならその後から何をするんですか?」

「その後からダンジョンではなく外で小規模のスタンビートを抑えてもらいます」

「は?」


ハジメは理解出来なかった。


「す、スタンビートってダンジョン内のモンスターが大量発生した時に起こるものですよね?」

「そうですね」

「それで冒険者同士力を合わせてそれを倒すのがスタンビートですよね?」

「そうですね」

「それは自分1人だけなんですよね?」

「はい」

「何故ですか?」


誰だって理解できない事はある。しかし突然スタンビートを1人で止めてくださいと言われたら誰でも理解できないだろう。


「いまモンスターボックスでやりましたよね?」

「えっ?まぁそうですけど」

「モンスターボックスは部屋の中です。つまり屋内戦闘はだいたい学習したと思います」

「まぁはい」

「なので屋外戦闘を学習します。なのでスタンビートです」


そうキロルが説明するとハジメはもう諦めた顔になっていた。


「分かりました。やればいいんですよね。やれば」

「まぁそうですね。久しぶりに学校に行って友達に会うのもいいですよ」



1週間の休みなので私も行きますが…もう魔法に対しても対処できるのでいいでしょう。



するとハジメは微妙な顔をしていた。


「どうかしましたか?」

「えっ?あっその自分の姿かなり変わってるから…」

「そういえば見慣れましたが変わりましたね」


ハジメの姿はもともと黒目黒髪の日本人。しかしハジメの髪は深い赤に染まっており、目も黒目から青い目となっていた。


「大丈夫です。自信を持ちましょう」

「そうですね。明後日にでも行ってみようと思います」

_________________________________________

ハジメの強さはミナルとキロル以外はもう勝てるか分かりません。



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