第106話 特別授業
ミナルと生徒達は例の教室の中に入った。
「さて…もうすでに見えてるかもしれませんがこれが次元干渉と言われるものです。触らないでくださいね。下手したらこの学校なくなりますから」
すると生徒達は緊張したのかビクッと体を硬らせた。
「あの…それでこれをどうするんですか?」
1人の生徒が質問した。
「あなた達は見ててください。今から私の目を使ってこれを無くさせます」
そう言ってミナルは右目の『天翼の眼球』を発動させた。あらかじめ魔力を込めていたので青白く光っている。
「みんなは私の目を見たことがありませんでしたね。記念なのでどっちも開けますか」
そう言って左目の『全知の眼球』も開けた。こっちを開ける意味は今はないが記念という事らしい。すると生徒達は綺麗そうにミナルの目を見た。
「綺麗…」
「凄い」
「異世界って凄いな」
「確かに」
ざわざわとし始めたのでミナルは両手を上げて静かにするよう合図した。
「この歪みのようなものは次元干渉と呼ばれる世界と世界を繋げる魔法であり禁じられた魔法でもあります」
すると手が上がった。
「どうぞ」
「世界と世界を繋げるって凄いじゃないですか。なら自分のいた世界と繋げる事はできないのですか?」
ミナルはその質問は来ると予想していた。
「いい質問ですね。おそらく出来ます…しかし繋げた瞬間どこに繋がるのか分かっていませんし、あっちからも来る可能性があるのですよ?」
「で、でも…」
「そして繋がった世界はどうなったと思いますか?」
「どうなったんですか?」
「滅びました。どっちの世界も。だからこそこれは無くさないもダメなんです」
「な、なるほど…」
生徒達は納得したように見えたので続きを話し始めた。
「ですので先程も言った通り禁じられた魔法と呼ばれるのです。というわけで早速やります。よく見ててください」
ミナルはその歪みの前にも立って魔力を込めた『天翼の眼球』を解放した。何重にも重なった魔法陣が歪みの真下に発動した。
カチ…カチカチ…
幾重にも重なった魔法陣がまるで歯車のように噛み合っていく。そして…
カチン…
全てが噛み合った瞬間、魔法陣の光が強くなった。生徒達は目を開ける事が出来なかった。
「消滅せよ」
ミナルがたった一言だけいった。より魔法陣の光は強くなった。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
「さて…無くなりましたね。皆さん?」
無事に歪みが消えたので後ろを見ると生徒達は体を小さくして頭を下げていた。
「ど、どうにかしましたか?」
「ま、眩しすぎて無理でした」
うんうんと皆が頷いている。
「大丈夫でしたか?目をやられたとか…」
そう言うと生徒達は皆、首を横に振った。
「「「「「大丈夫です」」」」」
それを聞いたミナルはホッとした。
_________________________________________
たらこ。
「面白い」や「応援する!」と思ってくれたらこの作品のフォローや♡、☆などもつけてくれるとモチベが上がるのでよろしくお願いします。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます