第104話 黒い何か
カツン…コツン…
「他の人にも聞きましたが噂はあるらしいですね。早めに解決しなければ…」
ミナルは真夜中に学校の中に入って見回りをしていた。理由はその噂の黒い何かを倒すためである。
「なるほど…夜の学校はかなり静かですね」
夜の学校は誰もおらず、いるのは学校の前で警備している兵士だけである。
「つまりここにいるのは私だけなはず」
全知の眼球によってどこに誰がいるのかは把握できている。そして音や自分以外の足音が鳴ったらそれがその何かなのではとミナルは考えた。
「確か3階の使われていない教室辺りで見かけたのですね」
どの生徒もその教室辺りで見たと言っていたので間違いはないだろう。
ヌゥプ…
ミナルは突然の音で焦ったがすぐに心を落ち着かせた。
「なんでしょう…いまのは」
何かが吸収された?でもそうだとしたら近くに魔術師がいるはず。でもいないんだよな…
ヌゥプ…
また音がした。
「怖いですが…行きましょう」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
音が鳴る方へ歩いていった。
「ここから音がしますね」
たどり着いたところは使われていない教室の扉の前だった。
ガチャッ…
ミナルは扉を開けて中に入った。
「あれは…なんでしょう?」
教卓のある場所が何かおかしい。うねうねと次元が歪んでいた。
「…まさか」
皆が言った黒い何かはまだ見ていないがここで当たりだと思った。それと同時にさっき音はこれが大きくなるための栄養のような物だと思った。
「次元が歪んでいるというのは何かが繋がっている。いや繋がりかけている」
ミナルは『天翼の眼球』を開いた。
「どうにか抑えれるかも…」
どうやら歪んでいるのは時空間魔法で間違いなさそうだった。
仮に…この世界と別の世界が繋がるというのが出来たとしたら、間違いなくまずい事になる
「私もできるけど…流石にそんな事はしない。というか絶対にやらない」
亜空間の中にある、あの沢山の本の中で言葉は違うが世界と世界が繋がったと書いてある本があった。そして結末も書いてあった。悪い結末だった。
バチン…
「えっ⁉︎」
途中までだんだんと小さくなっていたが、いきなり弾かれた。
「これは…結構まずいかもしれない。取り敢えず抑える事はしよう」
完全に空間が繋がってしまったらダメなので
ひとまず縮小する事にした。
「ふぅ…できた」
次元の歪みはかなり小さくなったがいずれ大きくなるだろうと思った。それまでになんとかしないといけなかった。
「明日マリーさんに相談しよう」
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こっからミナル視点です。
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