第101話 学ぶべき事(sideキロル)
「うーん…もう少し力を抜いてだいたいここら辺で一気に力を入れて振るといいですね」
ミナルがハジメに教えている。もう少しここをこうしたら…など色々斬撃について教えていた。すでに朝日が昇っていた。ミナルは昨日の夜からずっと教えていた。
「私も学ぶべき事はまだまだありそうですね」
カチャッ…
戦闘服である『冥府のドレス』とその武器の『冥府の鎌』を装備したキロルはミナルのもとに歩いて行った。
「ミナル様」
「なんですか?キロル」
「私と手合わせしてくれますか?」
キロルは自分の強さがどのくらいなのか知りたかった。それにミナルと戦う事で自分が足りないところを見つける事ができるかもしれないからだった。
「そうですね…ハジメさんも少し疲れたでしょう。昨日の夜からずっと教え続けてますからね」
「少し疲れました…でもまだ…」
「取り敢えず休んでてください。見て盗む事もできると思いますよ?」
「…分かりました」
するとミナルはこっちを向いてこう言った。
「さて…ルールはどうしますか?」
「魔法だと私が不利ですので…」
「じゃあこうしましょう。魔法は禁止。自分の強さだけでやりましょう。首を飛ばしたら勝ちでよろしいですかね?」
「それでいいです」
何故首を飛ばしたら終わりかというと、両方が『不死身』なので行動不能などはないのである。なので区切りが良いようにとミナルはそう決めた。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
「ではいきますよ」
2人は少し離れてからお互いに見合った。ハジメは遠いところから見ることにした。本来なら近くから見たかったが「吹き飛ばされますよ?」とミナルに言われたので遠いところから見ることにした。
静かにその時がくるまで2人はじっとしていた。そして…
スッ…パァァン…
同時にキロルの鎌とミナルの剣が交えた。一瞬の出来事だったのでハジメは何が起こったのか分からなかった。
ミナルとキロルがいたところは踏み込んだ影響で衝撃波が発生しており、地面がぐっと凹んでいた。
キィィィィン…
カァン…
ミナルが剣を振ればキロルはそれを避けて、キロルが鎌を振ればミナルはそれを避けて…と繰り返していた。時々戦い方を変えたりしたが拮抗状態だった。しかしキロルは分かっていた。
「ミナル様、本気で来てください」
「むぅ…やはり本気でやらないとダメですか」
「ダメです」
実はキロルという強い相手でさえ、ミナルは加減をしていた。
「じゃあどうなっても知りませんから」
「望むところです」
そう言った瞬間、ミナルは一段ギアを上げたかのようにスピードが速くなった。だがキロルはまだ対応できている。
しかし長い目で見ればキロルが不利である事には間違いなかった。
「ぐっ…まだまだいけます!」
するとキロルももう一段ギアを上げた。ミナルと同じかそれ以上に速くなっていて、ハジメから見たらもう何も見えずただ剣と鎌が交える時に起きる火花しか見えなかった。
ハジメは人の域を超えている人達の模擬戦を見てこう思った
「ハハ…勝てるわけがないよ。それにあの人達怒らせたらこの世界終わるかもしれないな」
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