第98話 キロルの元へ(sideミナル)

「ふんふんふふん〜♪」

「ねぇ、なんか先生機嫌良くない?」

「そうだね…何かあるのかな」


一香と凛はいつもと違うミナルを見て少し違和感を感じていた。それは他の生徒も思っているらしく何かあったのでは?と考えている生徒もいた。


「にしてもさ…」

「何?」

「ハジメ君元気かな?」

「あ〜」


ハジメが別のところで教えられているというのはミナルから説明されているので分かっているが、今どんな状況なのかは分かっていなかった。


「まぁ元気だと思うよ。それより失敗してるわよ」

「えっ?あっ!」


ふと見ると、ポーションを作るため釜の中が黒くなっていた。


「あちゃ〜」


一香と凛は気を取り直してポーション作りに集中するのであった。


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

「この山にいるのか」


授業が終わり、ミナルはすぐにキロルとハジメがいるクレイル山脈にやってきた。明日は休みなので今日含めて2日はここに滞在できる。


「登るのもいいけどめんどくさいから…あっ試したい事あるんだ」



全知の眼球で全ての地形などが把握できているから、もしかするとそれで転移出来るかもしれないから…実験としてやってみよう。



ミナルは左目の全知の眼球を発動した。一気に地形がわかっていく。


「なるほどね…この頂上に『転移』」


ブォン…


ミナルがそこから一瞬でいなくなった。


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

シュタッ…


「おっ成功した?」


周りを見ると、雪や氷で覆われており若干寒かった。どうやら転移は成功したらしい。


「ふむふむ…そこに行けばいいかな」


全知の眼球で地形やどこに人がいるのかは分かっていた。もちろん名前も全て。

そうしてミナルはキロルとハジメのいる場所まで飛んでいった。


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

「あっミナル様!」

「いたいた。元気?」

「全然元気です」

「なら良かった」


奥の方を見ると、ハジメが双剣で素振りをしていた。


「ちょっと待っててください。呼んできます」

「分かった」


そう言って、キロルはハジメの方に走っていった。しばらくしてハジメを連れてキロルが戻ってきた。


「えぇと…ミナルさんでいいですよね?」

「はい。以前に会いましたね」

「そうですね」


するとハジメはキロルに対して質問した。


「もしかしてミナルさんが作るんですか?」

「はい。その通りです」

「分かりました。よろしくお願いします」

「こちらこそ。では亜空間の方に行きますか」


そうして3人は亜空間の魔道具が置いてある場所に向かっていった。

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