第91話 動かなくなる足(sideキロル)

「大丈夫ですか?」

「ハァ…ハァ…大丈夫です…」


息切れをして汗だくになりながら走っているハジメと汗一つかいていないキロルがいた。

ハジメはペースが崩れてきているがキロルは全く変わらないペースだった。


「頑張ってください。あと2周したら1度休みにします」

「分かりました…」


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

そうして2周走り切った途端にハジメは崩れるように倒れた。


「つ、疲れたぁ…」

「お疲れ様でした。おそらく足が悲鳴を上げてると思いますので次は上半身を鍛えます」

「あっ、足が…」


ハジメは自分の足を見ると何もしていないのに震えていて、一切足に力が入っていなかった。おそらく走るのに夢中で動かなくとも動かしていたのだろう。限界を超えていた。


「大丈夫ですよね?」

「半日も経てば元に戻りますから」

「良かった…」


キロルはホッと安心しているハジメを見てからふと思った事があった。



そういえば…家がないですね。キロル様に頼みますか。でも確かミナル様に貰った魔道具があるはずなのでそれを使いますか。


おそらく昨日や今日は快晴で普通に過ごしやすかった…でも吹雪の時などはどうしようもないですね。



「あっそういえば…ここに…」


ミナルは指に指輪のような物を嵌めた。


「どうかしたんですk…なんですか?それ」

「ミナル様に作ってもらった魔道具です」


ブォン…


指輪が緑に光った。するとそこにあった空間が割れて亜空間が出てきた。亜空間の奥を見ると森があった。


「衣食住で衣と食があっても住である家がなければ困りますから」

「有難いです」

「ちなみに中は森の中に家があるのでそこで食べたり寝たりします。いいですか?」


ハジメはふと思った事があった。


「そ、それって…2人で住むのですか?」

「何を思っているのですか?2つ家があるのですよ?」

「アッハイ…」


ハジメは今の事を言った自分が恥ずかしくなった。


「取り敢えず、寝る時はここで。いいですか?」

「分かりました」

「では上半身を鍛えます。とは言っても軽くです」

「は、はい」


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

「疲れたぁ〜」


すっかり辺りは夜になっていた。足はかなり回復していてまだ走るとまではいかないが、歩く事はできるようになっていた。


「お疲れ様です。頑張りましたね」

「お腹空きました…」



取り敢えず、ノルマはクリアしてるので良かった。おそらく発達した体にはあの一回だけでかなり成長するはずです。



「明日、1度麓に降ります。貴方は剣を振っていてください」

「分かりました」



ミナル様に久しぶりに会える。楽しみですね。おそらくミナル様も待っている事でしょう。



そう思うとキロルは口角を上げて笑顔になった。

_________________________________________

オラにモチベをくれぇぇぇ!



「面白い」や「応援する!」と思ってくれたらこの作品のフォローや♡、☆などもつけてくれるとモチベが上がるのでよろしくお願いします。






  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る