第90話 キロルの料理

《sideミナル》


「はぁ…大丈夫かなぁ…」


自宅に帰ってからずっとソワソワしているミナルがそこにいる。どうやらキロルの事が不安らしい。


「キロルの料理食べたいよぉ…」


自分でも作れるのだが、キロルの料理の方がミナルは好きだった。


「いやいやキロルはしばらく山に篭ったままになる…」



あっ!私がキロルのいるところに行けばいいのでは?



「あっでもなぁ…なんか迷惑かけるかもしれないし…でもでも…」


しかしミナルは1つ思い出した事があった。



確か…キロルはハジメ?っていう生徒の経過報告と食材を貰いにここにくるはず。あっそうだ!



「亜空間はほぼ時間が経過しないから…沢山料理作ってもらおう。とにかく沢山作ってもらおう」



そうと決まれば…お金はある。だから食材の買い出しに行けばいいのかな。



「キロルの料理食べたいよぉ〜」


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

《sideキロル》


「ん?今呼ばれたような…」



多分、ミナル様が料理を食べたいとか言ってると思うので…明後日ぐらいに1度戻りますか。



「にしても…そろそろ来るはずですが。すでに太陽は上なので昼ですかね」


ガシッ…


「あと少し…着いたぁ〜」


ハジメはなんとか登る事ができた。途中危ない所もあったがそこはなんとかなったらしい。


「お疲れ様です」

「疲れました〜でも不思議と行ける気がしました」

「いいですね。その気持ちを大事にしてください」

「はい!」


グキュルル…


ハジメはお腹が空いたようだった。


「料理は作っておきましたから、存分に食べてください。ですが…食べすぎは注意ですよ」

「もしかして明日からキツくなりますか?」

「吐く可能性があるので」

「分かりました、ほどほどに食べます。いただきます」


ハジメはまずスープを飲んだ。あったかいスープがハジメの体を温めていく。


「美味しいです」

「メイドですから」

「ですよね」


やはり標高の高い山は寒いので丁度良かった。いくら身体能力が上がっていたとしても寒さなどには勝てないのである。


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

「ご馳走様でした〜美味しかったです」

「そうですか」


頂上で食べる料理がここまで美味しいとは思っていなかったのでハジメは良い経験だと思った。


「キロルさん?」

「何でしょう?」

「これからどうするのですか?」

「少し休んでからまずは足を鍛えます」

「足ですか?」

「もし動けなくなったらどうするのですか?魔力無しの貴方が」

「うぐっ…そ、それは」

「というわけでまずこの頂上を走ってもらいます。あっ私も走るので」

「分かりました」


頂上はほぼ雪か氷で包まれている。それを走るというのは、かなり死ぬ可能性があるのである。


「死なないでくださいよ?」

「も、もちろんです」


そして少し休んでからキロルとハジメは走り始めた。

_________________________________________

頂上はかなり広いです。



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