第89話 完全復活(sideキロル)
「凄いですね〜全部避けるとは」
「傷だらけですけど…」
「それはすぐ治ります」
「えっ?」
シュゥゥ…
石によって傷ついた体が少しずつ治っていった。
「治癒能力が少し発達したようですね」
「少しって…もしかしてキロルさんも?」
「えぇ。気になりますか?」
「はい!」
まぁグロいですが…大丈夫でしょう。
そう思ってキロルは自分の右腕を掴んだ。
「覚悟はいいですか?」
「えっ?あっはい」
グシャァ…ベキッ
一気に腕を捻じ曲げてそれを折った。突然の事にハジメは理解が出来なかった。
「まぁ元に戻りますから」
するとバキバキと音がして気づくと腕が元に戻っていた。
「は?えっ?」
「私のスキルですが…『不死者』です」
「じゃ、じゃあ死なないという事か?首が飛んでも…」
「そんなところです。やりますか?」
そう言うと、ハジメは全力で首を横に振った。
「全然やらなくていいです…」
「そうですか」
「さて…もう完全に動けるはずですよ」
「えっ?あっ本当だ」
すでに辺りは夜だった。どうやらそれまでずっと石を投げていたらしい。凄い体力だ。
ハジメは手をにぎにぎしていた。
「さて、夜になりましたが今日から教えていきますよ」
「いきなりですか⁉︎まぁいいですけど…」
「じゃあやりましょう。ではここ登りましょう」
「そういえばここ麓でしたね…」
「朝になるまでに頂上に登ります。身体能力も上がってるはずなのでパパッと登れるはずですよ」
「分かりました」
「ではついてきてください」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
「何処ですか?キロルさん〜!」
ハジメはキロルとはぐれてしまった。キロルの登っていく速度が速すぎてハジメはついていけなかった。
なので取り敢えず頂上を目指しながらキロルを探す事にした。
「でも…キロルさん速すぎるんだよなぁ」
遠くから見たら登れそうだなと思った山だが、その『獄氷山』という二つ名の意味が分かった。
「全てが氷や雪に包まれていて…登れそうな所がない」
登れる凹凸がなくほぼ絶壁に近い。どうやってキロルが登ったのか不思議なぐらいだった。
「でも…なんとか半分ぐらいまでは来たかな」
ポーションさまさまである。自分もそこまで信じていなかった。でも絶壁を登れているのは事実なのである。
「握力とかも上がったからなんとか…でも落ちたら終わるな…」
若干寒くなってきた。ペースを上げていかなければと思った。
「頑張れ!俺…」
ゆっくりと確実に登って行った。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
「さてと頂上に着きましt…あら?」
後ろを見るとそこには誰もいなかった。
「はぐれてしまいましたか?」
少し身を乗り出して登ってきた方を見ると、ハジメが登ってきているのが見えた。
「小さく見えますが…しっかり登っているようですね」
なら私はのんびり料理でも作っていましょう。ハジメさんもお腹を空いていると思いますし。
キロルは料理の準備を始めた。
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上手に出来ました〜。
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