第88話 筋肉痛?(sideキロル)

ブチッ…


「痛っ!なんだ?」


ハジメは何か千切れた音が聞こえた。キロルは辺りを警戒しているのかいない。


ブチブチブチ…


「あがっ⁉︎な、何かが…俺の中で千切れていく⁉︎」


すると咄嗟にキロルの言ったことを思い出した。


「これ筋肉痛なのか⁉︎痛い!痛すぎる!」


ハジメはどちらかと言うと断裂に近いのでは?と思ってしまった。


「で、でも修復されるはず…痛い…」


スタッ…


「おはようございます。どうやら始まったみたいですね」


キロルがやってきた。ハジメに興味があるように見ている。


「そんな…痛がる姿を見て…興味を持つよりもなんとか出来ないのか⁉︎」

「残念ですけど、私はそんな事できません。ミナル様ならできますけど」

「そ、そんなぁ〜」

「あと1日はそのままの状態にしていないと、ダメですから」

「わ、分かりました…」


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

半日もすると足を動かす事が出来るようになってきた。しかしあそこからここまで回復する速度はおかしいと思った。


「どうしてこんなに早く治るんですか?普通ならもっとかかる…」

「簡単に言えば、そのポーションに見合う体をしていなかったと思います。自分の丈に合わないポーションを飲むと代償が付きます。ですが…」

「ですが?」

「またそのポーションを飲んで筋肉が千切れないように能力がかなり成長します。なので2回目は飲んでも大丈夫ですよ」

「なるほど…」



おそらく…能力はかなり成長したはず。どのくらい成長したのか確認するところからですね。



「半日経ちましたけどまだ完全体ではないので座ってて下さい」

「分かりました」


するとキロルはその辺にある石を持ってハジメの方に投げた。


ヒュッ


「えっ?危なっ」

「それを避けるとは。やはりポーションのおかげでしょうね。何かゆっくりになりませんでしたか?」

「ゆっくり?うーん…」



流石にそこまでは行ってないようですね。でも咄嗟に体が避けている。無意識にやっているのでしょう。



「これから貴方に石を投げます。それを貴方は避けてください」

「えっ⁉︎いや無理ですって」

「さっき出来てましたよね?」

「あっ…はい」

「早速行きますよ」


ヒュッ…


ヒュッ…


ヒュッ…


3回連続で投げた。するとハジメは上半身を使って綺麗に避けた。


「あれ?避けてる」

「貴方が驚くのですね」

「いや…多分普通なら避けれていないから」

「そうですよ。普通は避けれません」

「ですよね…」


ハジメは石がどうなったのか後ろを見ると、ぷすぷすと音を立てて地面にめり込む石が4個あった。


「じゃああと何回か投げます」

「しっかり避けないと死んじゃうやつだ…」


_________________________________________

頑張れ!ハジメ。



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